パリ・マグナム写真展を観る……。 

 

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今日のお話は先日の酷暑の中の関西旅行の話しです。

真夏の京都……想像はしていましたが暑い!(苦笑)
京都だけだったら何とかなったと思いますが、
その前々日から、神戸、大阪の猛暑にやられ、
息も絶え絶え、3日前に摘んだヒナギク状態だった僕は、
1泊した翌日は、観光もしないで帰宅する予定でした。
でも、勿体ないからどこかでランチをば……。
その前に美術館でも観たいかなぁ……。

そんなこんなで観て参りました、「パリ・マグナム写真展」です。

写真って色々なジャンルがあって、
それぞれに撮影方法が違ったりします。
例えば、某有名雑誌のお料理写真の大家の先生なんて凄いですよね。
勿論、料理人はキチンといる訳で、それに美しく照明を当て、
さらに美しく撮るために料理に油を塗ったりね(苦笑)
僕らがウットリするような美しい料理の写真の陰には、
人には言えないような努力(?)があります。
でも、矢張り写真の醍醐味って、一瞬を上手く切り撮った時の喜び、
そう、写真は瞬間の芸術だと思うんです。
照明をキッチリと当ててお料理や女優を撮るのも素敵だけれど、
その瞬間にその場所にいる……その瞬間を切り撮る醍醐味……。
これに勝るものはありません。他のジャンルの写真と、
報道写真とかが一線を画す理由の一つなのだと思います。

歴史的な一瞬ってありますよね。
その場に立ち会えたとしても、ほんの一瞬でシャッターを適切に切る……。
どんなに頑張っても叶わない強運の持ち主っていますよね。
こんな素人の僕らだって、チョッと前に訪れた日光のある峠で、
ほんの数分間の光線の移ろいで凄い写真が撮れることがある訳です。

あと10分遅かったらこれらの写真は撮れていない……ある種、奇跡ですね。


さて、そんな写真展を観ながら、
最近感じていることなどをチョッと……。
僕の写真ですが、昔の方がいい写真が撮れていたような気がするんです。
一々、分析するつもりはさらさらないのですが、
これって、もしかしたら気持ちの現れなのではないかと思うのです。
フィルム・カメラからデジタルに移行したじゃないですか。
フィルムの時は真剣でした。たった36枚の限られたコマの中で、
被写体1つに対して真剣に1回シャッターを切る……。
被写体1つに対してシャッター1回です。

 「One Shot !」

マイケル・チミノの傑作映画「ディアハンター」の中で、
主人公のマイケルが、親友のニックに鹿を撃つ時の心構えを説きます。
何発も撃ってはいけない、鹿に敬意をこめて一発で仕留めるべき……。
僕の昔の写真には、そんなピリピリとした、
真剣なものがどこかにあったように思うのです。
今はデジタルで、思う存分、好きなだけシャッターを切ることが出来る。
ダメなら消去してもう一回撮る。取り敢えず撮っておく的な甘い写真……多いと思うのです。
取り敢えず撮っておいたものの中からいいものを発見したりすることもあるけれど……。

どうにも甘いんですよねぇ……。
1本、キリリとした姿勢みたいなもの?
画面の中に緊張感がないんです(苦笑)

どこか、ゆっくり旅をして、フィルム・カメラを担いで歩いてみたい……。
なかなか時間的なこともあるし、撮った後の金銭的なこともあります。
フィルム写真はお金が掛かりますからね。
でも、いつかまたそんな旅がしてみたいなぁ……。


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今日の写真は、以前、僕がハマっていたアルバム作りの中から。
年に2回……1ヶ月くらいずつパリに滞在して、
フィルムカメラを担いで地方の街を廻ります。
そして、撮り溜めた写真の中から気に入ったものをプリント。
それをパリで買った、何故かイタリア製の黒革の表紙のアルバムに貼るの。
キチンと自分の文字でタイトルを書いてね。
写真の縁に黒い枠が付いているでしょう?
これは、1枚、1枚手焼きでネガフィルムの縁を残して焼いて貰うからなんです。
だから、24×36ミリの画面が全部プリントされます。
トリミングは一切なし。ですから撮る時に可成りの緊張を強いられます。
余計なものが写らないように背景の処理、構図、光の処理……。
今はパソコンに取り込んでから調整すればいいや……。
そんな、安易な気持ちが心のどこかにあります。
ここにも甘い写真への姿勢が現れていますね。
他にもう1冊、メトロのチケットや美術館の入場券、コースター、
絵葉書、ショップ・カード、パンフレット、角砂糖の包み紙、ヨーグルトの蓋……。
ありとあらゆる紙のものをスクラップしたものをもう1冊(笑)
このスクラップのために、帰り際にパリから段ボール2箱を日本に送っていました。
これはもうスクラップと言うには凄過ぎて(笑)まるで美術書のようなんです。
何だか懐かしいなぁ……もう出来ないな、そんな情熱ないものね。
猛暑の京都でそんなことを考えながら歩いて来ました。

1枚目はオランジェリー美術館からエッフェル塔を見た朝焼けの1枚。
こんな写真だってその時そこにいなきゃ撮れないものね……。


2017年8月29日


ブノワ。


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コメント

 

写真の趣味が無いので「瞬間を撮る」ってすごく難しいと思っちゃいます。
たとえスマホでも「あっ」と思ってからスマホを取り出し、
カメラのところをタップし、構えてパシャ。
これだけでもうその一瞬は過ぎ去ります(笑)
鳥の写真なんかどうやって撮るんだろう?
スマホでさえこうなんだから、重そうなカメラを構えて撮るのはもっとよねー。

こないだ軽井沢に仲良し3人組が集まったので
デジカメをそこらに出しっぱなしにして、皆で撮ろうねと頼んだのに、
あ~あ撮ったのは私だけ。
歩いて行く後ろ姿とか、
ひょいといい顔した時とか、
バーベキュー焼いてる真剣な姿とか、
呼びかけて振り向いた二人とか、
何処にも私は居ないわけさ(笑)
こうして私の写真は「はいチーズ」のばかりで面白くもなんともない。

ブノワ。さんの最近のガーデン写真には鳥なんかが写ってるでしょ?
動物(猫以外)が入ってるの珍しいなー好きだなーと思いました。

加工ができるようになって写真がつまらなくなった気がします。
だってこれって本当の空の色?みたいに
疑り深くなっちまったいっ(笑)







ムー #qiVfkayw | URL | 2017/08/30 21:16 | edit

Paris s'eveille !

ブノワ。さま、ぼんじゅーそわぼん。
まあ、美しいカリグラフィーが添えられたお写真の数々!どれだけあるのでしょう。
銀塩写真、懐かしや。昔はフィルムでしたからね。
焼いてみるまでわからないので、一枚も思うように撮れていなかったときときたら、デジカメにはない悲しみでした。
そういえば、なぜ銀塩ていうのかしら?
ついでに、なぜ銀巴里なんでしょう?なぜに銀。ま、いいんですけど。
そうそう、パリでの紙モノ、わかりますわ。
なんでもかんでもパリの匂いがするものは取っておきたくて。
ちなみにワタシの一番は男性器のカタチをした見事なサボテンのポストカードです。
それを芸術的!お洒落!と思ったフランスかぶれ時代。まさにベルエポックでした(笑)

で、ブノワ。さま、次の高跳びのご予定は?

Coucou #NMJSpOmY | URL | 2017/08/30 23:51 | edit

マグナム

こんばんは。
今日は冒険したのです。
股関節骨折以来、数か月ぶりに都内へ映画を観に行きました。
なんとか無事帰って、休む暇なく夕食を家族にあてがって
後片付けも終わって、ようやくPCの前に座りました。

また長いですよ。自分のブログには書く気がしないのですから
仕方ありません。

マグナムと聞くと、やはり心にピシッと刺さってくるものがあります。
ロバート・キャパの存在です。
インドシナで地雷に倒れるまでの短い人生とエピソードの数々は
深く心に残るものがありました。
彼を世に送り出したゲルダ・タロー。
彼女は初の女性戦争報道写真家として、
各地を転戦しながら、ロバートを世に送り出した存在でした。
残念ながらスペイン内戦で非業の最期を遂げますが、
彼女なくして、後のロバート・キャパはありませんでした。
ゲルダはマグナムの誕生を見ることはありませんでした。
世が世なら、ゲルダの美しさは別な場所で脚光を浴びていたでしょう。

ロバートの撮った写真の中でとりわけ戦争の残酷さを写した一枚があります。
パリ解放の後、ナチスに協力した女性が頭を坊主にされて、ナチス兵士との間に生まれた子供を抱いて、群衆の間をさらし者にされ引き回されている写真です。

もちろん多くのすぐれた写真家がマグナムに参加しています。
しかしながら、ロバート・キャパほど戦争の残酷さを人間に光をあてて
シャッターを切った写真家も少なかったのではないかと思えてなりません。
のちに彼の弟、コーネル・キャパもマグナムに参加しています。
もちろん時代が異なりますので、被写体も異なりますが、「人間そのもの」に眼を向け続けたのは、兄弟共通しているように思われます。

有名な「崩れ落ちる戦士」という一枚の写真。
あれはやらせではないか?という中傷が一時巻き起こったことがありましたが、コーネルは兄の名誉のために、長い時間をかけて、写真の真実を証明したという逸話も残っています。
そのコーネルも、しばらく前に亡くなりました。
今後、マグナムはどうなっていくのでしょう?

今日見てきた映画は、ベトナム映画でした。
どうしても見ておきたい作品だったのです。


hibari #O5sb3PEA | URL | 2017/08/31 20:42 | edit

いますよねぇ。

ムーさんへ。
こんばんは。こちらにもありがとうございます。
そう、写真を撮る趣味のない人、結構いますよね。
ムーさんもでしょう?僕の廻りにもチラホラ。
今や一億総カメラマンの時代じゃないですか。
携帯やスマートフォンを持っていると漏れなくカメラが付いている。
どこでカメラが狙っているか分からない時代です。
ある人は、心のカメラで記憶するから写真はいらないって……。
でも、人間の記憶力って心許ないですもんね。
僕は写真が好き。数少ない自分を表現する手段だから。
鳥の写真はまた別ですね。望遠レンズでもって待つんじゃないですか?
僕の写真に鳥?そう、珍しいかもしれませんが、
北海道とかだと人間に警戒心が薄いのかな?
意外にシャッター切るまでそこにいてくれたりするの(笑)
だから撮れるんですよ。全然得意ではないですけど……。
まぁ、組写真の中の1つの味付けみたいな感じ?
3人で写真の撮りっこ!(笑)あのね、ムーさん、
写真を撮る習慣のない人に言っても無理だと思いますよ。
「撮って!」って言わないと先ずカメラを持ちません。
写真を撮るって能動的な行為だもの。
僕の廻りも「撮って!」って言わないと殆ど撮ってくれませんよ。
でもいいじゃない、お友達のこっち側にムーさんがいる訳だし。
自然な感じの写真っていいですよね、チーズじゃなくってね(笑)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2017/08/31 22:35 | edit

ございません(苦笑)

Coucouさんへ。
こんばんは。メッセージどうもありがとう。
何だかね、懐かしいですよ。こんなことしていたんですね。
いつからかな……やらなくなっちゃった。
黒革のアルバムは何冊も買ってあるんですけどね(苦笑)
そうなの、フィルム写真は現像してみるまでドキドキでしたね。
36枚撮りのフィルム20本くらい撮ったなぁ……。
カメラ2台でしたよ。モノクロとカラー用ね。
銀塩って何でしたっけ?感光材が銀塩なんじゃない?
デジタル写真って物凄く発達して来たけれど、
まだまだフィルムの良さには到達していないと思うの。
高飛びのご予定は全くないけれど(苦笑)
いつかきっとフィルムカメラ担いで歩いてみたいです。
フランスの紙文化って物凄くて、カフェの角砂糖の包み紙に至るまでアート。
切手も印刷技術は日本なんだけど、その意匠はやっぱりフランスなのね。
切手とかお金もスクラップしたなぁ……切り替わる時のフランとユーロ(笑)
はじめは500ユーロから全部取ってあったんだけど、
旅の終わりになるに連れて金欠になって安い紙幣に(爆)
カレル・チャペックの一連の紙類……。
綺麗にスクラップしてありますよ。今度お見せしましょうね。
僕にもそのサボテンの……見せてくださいまし(笑)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2017/08/31 22:56 | edit

是非。

hibariさんへ。
こんばんは。メッセージどうもありがとうございます。
ウゥ〜む、お返事のしようがありません。
hibariさんの文章はお返事する余地がないです。
折角の文章、どうぞご自分のブログで記事にされては如何ですか?
勿体ないじゃないですか。勿体ないって言うのも変ですかね。
実は僕、キャパのことはあまり知らないのです。
初めて名前を知ったのは小さい頃にバーグマン経由でした。
いつも書くように、名前はどうでもいいのです。
先ずは作品、仕事が先に来ます。その後に名前。
その名前に関して、生き方とかエピソードまで遡ることは本当に稀。
「崩れ落ちる戦士」の撮影がロバート・キャパ……それだけです。
ベトナム映画……何でしょうね?

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2017/08/31 23:19 | edit

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