演劇の醍醐味……「子供の事情」。 

 

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演劇の醍醐味って何でしょう……。
それは矢張り、役者の声。そして、躍動感溢れる身体の動きでしょうか。
老練な役者の指の先まで神経が行き届いた熟練の演技術も素敵だし、
デビューしたての若い役者の、絶対に演技では表現出来ない爽やかさを感じるのもまた良し。
最近はマイクロフォンの発達で、発声など、さして舞台の訓練が出来ていないタレントも、
その多くが魅力を振りまきファンを熱狂させています。
まぁ、それも舞台の楽しみの一つですかね……。
好きな役者、タレントを自分の目で見られるって言うこと。

そして、舞台の最も素晴らしい瞬間って、
役者と観客席が一つになること……この醍醐味を一回味わってしまうと、
もう舞台芸術の魔法から逃れられることは出来ません。
役者の魔法に掛かり、同じ時代を生き、一緒になって嘆き、哀しみ、
そして笑い、涙する……これを至福と言わずして何と言いましょう。



チョッと前になります……。
三谷幸喜作、演出による「子供の事情」を観に行きました。
一般発売前に出演者に頼んでも希望の日が取れないくらいのプラチナ・チケット!
それもそのハズです……大泉 洋、天海祐希、吉田 羊、小池栄子、林 遣都、
春海四方、小手伸也、青木さやか、浅野和之、伊藤 蘭……。
年齢も境遇も違う役者たちが、皆さん10歳になっての熱演です(笑)

はじめはね、全然10歳に見えないの(爆)
子供服は着ているんですけど、誰、この用務員のオジさんは?みたいなね(笑)
初めから少女に見えたのは、吉田 羊くらいかな?
それがみるみるうちに子供になって行く訳。
子供になるって言うよりも、僕らが彼らの芝居に騙されて行くのね。
それって物凄く心地いいんです。だって、観客って騙されに劇場に通う訳ですから。
出演者それぞれの10歳の役作りも面白かったし……。

伊藤 蘭なんて、子役で大スターの役なんだけど、
1人だけ超厚塗りの巻き髪スタイルで、嬉々として少女スターを演じるのね。
一歩間違うと「何がジェーンに起こったか?」になっちゃういんだけど(笑)
彼女がスターとして生き抜いた「キャンディーズ」を踏まえて、
観客はそこに10歳の少女スターを重ねて見る訳。

大泉 洋って達者ですねぇ……。
彼は喜劇畑の人なんだと思うけど、
同じく三谷幸喜の大河ドラマ
「真田丸」のシリアスな演技!
これでさらに役の幅を広げ、魅力が一層、増したのですが、
ここでもピカイチの達者振り&歌声を披露。

僕は日本のソフィア・ローレンだと思っているのだけれど、
小池栄子の天真爛漫さ、子供ならではのチョッと悪ぶり。
もう少し緩急付くと面白いんだけどな……。
今回はチョッと直球一本やりだった感があります。


終幕、これはこの劇場ならではの豪華極まりない演出なんですが、
一般的に劇場はそのステージと同じ広さを両袖に、
そして、舞台の奥にもう一つ分同じ広さのスペースがあるのが望ましいとされています。
子供たちがワイワイがやがややっていると、
教室の一杯セットの舞台が奥に、奥にとスライドして行きます。
何と奥に2つ分も引っ込んで行き、そこから役者たちがダァ〜っと走って来て幕になる……。
その瞬間、それまで大して10歳の子供に見えなかった役者たちも、
いきなり10歳の子供になってしまうマジック。背丈まで小さく見えるの。
観客は自らの10歳の時のことを思い出し、
登場人物に重ねあわせ、追体験をする……。

こんな幸せはなかなか味わえません。
やっぱり舞台はいいなぁ……再演があったらもう一回観に行きたいなぁ……。
チョッと幸せな一時でした。


写真はこの前訪れた、大阪は新世界での1枚。
名前忘れちゃった……メガ盛りで有名な店先で撮りました。
「That's 子供」ですね(笑)捲りますよね、子供は(爆)


2017年8月25日


ブノワ。


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コメント

 

聞いてるだけでも面白そうな舞台です。
様々な役者さんを10才の子供にするって、どこから出た発想なんだか。
とてつもなく突飛ですよねー。
大人が子供に見えてきます?ほんとに?

舞台を奥にどんどんスライドさせて大人が実際に小さく見えてしまうのかー。
歌舞伎なんかでも次々と襖が開いて奥のほうは小さ目の書き割りになっているとか、いろんな遠近法をよく使うけど、
普通の芝居では見たことが無い。
劇場の奥行きが無いと出来ないセットですね。
劇場はどこだったんだろう?

三谷幸喜って見たことないけどやっぱり面白いんだー。



ムー #qiVfkayw | URL | 2017/08/26 21:55 | edit

面白かったんです。

ムーさんへ。
おはようございます。また暑さがぶり返しました。
元気にしていらっしゃいますか?
僕ね、実は三谷幸喜って大の苦手なんです。
宮藤官九郎とかね……ま、観ていないので食わず嫌いなんだと思うんだけど……。
だから初めから及第点が高い訳(笑)あら探しじゃないんですけどね。
やっぱりファンの方たちの「楽しもう!」的な目線で観られないの。
何で観に行ったかって言うと、吉田羊なんだけど(笑)
アッ!小池栄子も観たかった。この前の大河「真田丸」……これが良かったんです。
何で嫌いなのに見たかって言うと、死んだ母の故郷なんですよ。
1年の長丁場をグイグイ引っ張ってね。やっぱり脚本だと思ったの。
正月にやった「オリエント急行殺人事件」なんて駄作だったけどね。
劇場は新国立劇場でした。物凄く贅沢ですよね。
まぁ、鳴り物入りで作られましたから、設備は充実していて当たり前なんだけど。
(杉村さんは『いつまで待っても出来やぁしない。』って仰言っていた。)
地方公演も考えられたらしいですけど、これが出来る劇場がない。
再演したら絶対に誘いますからね。プラチナチケット?大丈夫、出演者に頼むから(笑)
初めはチョッとアレでしたけど、段々10歳に見えて来る訳ですよ、
その辺は演技力の賜物でもあると思うんだけど、
皆さん10歳は経験済みでしょう?(笑)青年に老人やれって言うのとは訳が違う。
何だか次第に皆さん愛らしくなって来るんですよ。
子供ならではの虚勢や突っ張りも、大人の世界の縮図でしょう?
大変に面白く観ました。やっぱり舞台っていいな。

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2017/08/27 08:30 | edit

うわー激しく嬉しい(笑)
私も三谷幸喜とクドカンは食わず嫌いの苦手なんです。
で、吉田羊はTVでしか見たことないんだしそれもドラマをちゃんと見てないのにあのタイプ好きなんです。
ブノワ。さんと意見が合って一人盛り上がりした(笑)

役者の演技については私なんかは偉そうな事言えないんだけど、
舞台装置の使い方には興味津々なんです。
一度国立劇場(古い方のね)で夏休みに初心者用(?)の歌舞伎を見た時、舞台装置の説明というのがあって、
セット無しの平舞台の真ん中に大せりがぐわ~~んと上がりながら回転するのを見て興奮した。
もうそれだけ見ていたいようなダイナミックな情景だった。
小さい小屋でじっくり台詞を味わうのも好きだけど、
大劇場の醍醐味は舞台の美しさと異空間へ飛べることよね。

そのプラチナチケットゲット出来たら是非誘ってください。
再演があるといいなー。



ムー #qiVfkayw | URL | 2017/08/27 11:05 | edit

僕も激しく嬉しいです(笑)

ムーさんへ。
おはようございます。メッセージどうもです。
僕も激しく嬉しいなぁ……もう双子ですかね?(笑)
僕、公平な目で見て自分が悪いと思うんです。
作品はしっかり鑑賞してから意見を言わなくっちゃね。
三谷幸喜は避けていた部分が大です(苦笑)
宮藤官九郎に関しては1本も観ていない……。
三谷幸喜っていつも同じ役者使って内輪で完結しているような気がしていました。
後から来るものを拒絶するような感じ?
たまに観た「オリエント急行殺人事件」の超駄作……また気持ちが折れる訳(笑)
廻りでもてはやしているでしょう?そこもイヤなのね。
若い才能って勢いがあって凄いと思うし、中には本物もいると思うの。
ムーさん、僕らの世代になると二世俳優とかが出て来るじゃない?
下手すると三國連太郎みたいに孫の世代までが活躍している!
役者だけではなくて、演出とか戯曲の部門でも。
皆さん諸手を上げて大絶賛じゃないですか。本当にそうか?
ま、天の邪鬼ですからね、ついつい見る目が厳しくなっちゃう。
セットが変わらない一杯道具の舞台も、それはそれで工夫があって面白いし、
贅沢な舞台装置を誇る劇場は、それを駆使する人の知恵が求められる……。
あれは国立小劇場だったかなぁ……。
杉村さんの「華岡青洲の褄」の時に、基本は一杯道具なんですけど、
ある場面で舞台が全体的にほんの少しクルッと廻ったの。
ほんの15度とかそんな感じ。そこには廚があって、
娘の小陸がいて、その場面は小陸の視点になる訳。
何でもそうですけど、使い切るのって難しいですよね。
舞台の醍醐味なんだけど、役者もそれに負けちゃいけないし。
再演は大いに可能性ありですが、何しろ人気者の共演だし、
劇場も新国立劇場でしか出来ないだろうし……。
出演者に聞いたんですが、どっちかと言うと、
先ず、役者のスケジュールより劇場の確保が先みたいですよ。
施設の老朽化で劇場やホールが軒並み建て替えで数少ないしね。
必ずお誘いします。チケットは取れると思うので……。
暫く舞台はありません。次回は10月かな?

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2017/08/29 07:03 | edit

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