クイックレスポンス、ファストペイメント、グッドコミュニケーション。 

 

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僕がまだ二十歳そこそこの頃。骨董品に目覚めた頃のエピソードです。
愛読していた「家庭画報」←この辺が変わっている(笑)
をパラパラ捲っていて一枚の写真に目が留まりました。
素敵な室内を写したそれには、古い和箪笥がメインに写り、
その上に少し小振りの染め付けの器が置いてありました。
一目惚れでした。呉須で描かれた花は一重のハマナシか椿か……。
特集ページのクレジットを見て、器の提供が大阪の骨董屋だと知りました。
スグに電話を取り、「家庭画報」で拝見したこと、まだ品物が残っているか、
残っていたら是非、譲って欲しいこと。支払い方法はどうしたらいいか……。
自己紹介のあとお伝えした訳です。今でも覚えています。1客15000円でした。
女性のオーナー(年配の温かな声だった)は笑って一言、

 「あの写真のより状態がいいものがありますからお送りします。
  代金は後から振込んで貰えればよろしいわ……。」

チョッとビックリしましたが有り難くお言葉に甘えました。
お目に掛かったこともない方との心温まるエピソードです。

またある時、僕を可愛がってくれている女優さんが名古屋で1ヵ月の舞台だったのです。
年下の友人と3人、東名高速を一路、ホンダのシティを飛ばし応援に駆け付けた訳。
初めての名古屋、フラリと立ち寄った骨董屋でタコ唐草の蕎麦猪口が目に留まったのです。
手に取って眺めていると、棚の上にタコ唐草の7寸大の器が、隣に花唐草のなます皿が……。
3つの器を前に途方に暮れちゃったんです。1つに絞れなかったし、
3つ買う予算はなかったし……その店、カードは使えなかったのね。
いつまでも決まらない若造を見るに見兼ねて眼鏡の店主が一言……。

 「決まりませんか?(笑)みんな持っていったらええよ。
  お金は後で送ってくれればいいから。」

って……どこの馬の骨とも分からない若造に代金は後でいいから持って行けって。
1000円や2000円の買い物じゃありませんからね。
今でもハッキリ覚えているけど3つで155800円でした。
お言葉に甘えて、名刺を置き、持ち帰った翌日に振り込ませて貰いました。

件の大阪の女性はご丁寧にも一筆箋に、

 「連絡くれはってありがとう。可愛がってやってくださいね。」……って。



それらは昔の古き良き時代のエピソードじゃないんですよね。
この所、何枚か油絵を落としているオークションの出品者は、
入金が済まないのに先に商品を送ってきますし、
先日、落としたコンバースのスニーカーの出品者も、
こちらから連絡先と週末が挟まるので月曜日に振込む旨を伝えると、
その日の内に商品を発送してくれました……勿論、落札者の僕がどんな人間か、
取引のメッセージのやり取りである程度は分かるハズだし、
150件ほどある「評価」のところを見れば何となくどんな生活をしているか分かります。
主にどんなものを落札しているか、定型文であろう評価の文章の中に、
「優しいお人柄が……。」とかある訳です。
僕、必ず「季節の変わり目です、お身体を大事に……。」とか書きますから(笑)
絵画と古伊万里の染め付けとスニーカーと洋服を中心に、
落札する僕の人物像。朧げだけど薄ら人物像は分かる……。

ある落札者が僕のことを評価欄にて、
「クイックレスポンス、ファストペイメント、グッドコミュニケーション」と評しました。
それってオークションの時だけではなく、人間関係の基本のキだと思うんです。



人にどう思われようと一向に構わない……的な考えはありません。
カラスの勝手でしょ……これもどうかと思うし、
人様に迷惑かけなければ何やってもいいとも思わないし……。
かと言って、人の目ばかり気にして汲々と暮らす積もりもない……。
自分の思う通りに自由に……でも、この自由って好き勝手という訳ではないんです。
世の中の決まり事を守った上で、初めて自由に振る舞えるんですから。
世間のルールはキッチリ守り、その上で自由に暮らしたい。
たまに思います。この僕、人の目にはどう映っているのかなって。

天の邪鬼で偏屈で、気難しくて(笑)どれも自分でも認める僕の特徴だけど、
友情に篤く、頼りになって面倒見が良くて情に脆い(これでいつも失敗する……。)
そんなこんな、素敵人間を形成する要素も欲しいです。
この年になると、なかなか基本の性格を変えることは難しいのだけど、
人生半分、残りの人生を快適に過ごすためにも、
可愛らしいジイサンになるためにも(笑)チョッと我が身を顧みてみたりして……。


2017年5月28日


ブノワ。


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コメント

 

骨董は大人のたしなみ

ブノワさん おはよう。
嵐の週末がおわって、月曜の朝、ホット息抜きをしています。
私が釣られた伊万里のコレクション。
ブノワさんも道楽者ですものね。
言え悪い意味ではありません。
道楽は大人のたしなみです。
古い焼き物を見ていると、自分の知らない世界が広がり
身を捧げるようにして、一枚一枚絵を描いていった陶工たちの
眼と筆さばきを思い描きます。

私はグルグルのタコ唐草はどうも苦手。
かといって花唐草は人気がありすぎてどうも…手が出ません。

ちょっと外れた直しの必要な子を手に入れて
普段の生活に使っています。
もちろん直しはしてもらいますよ。

最近は土ものにも興味が広がって、
いつ手を出すかわからないので危険なゾーンには出かけないようにしています。
これで結構お気に入りのお店やコレクターさんがいるのです。

ブノワさんがお気に入りのT堂のすぐ近くにあるギャラリー〇原がそうです。よい品物を扱っていますよ。店主も気さくだし、可愛いニャンコの「こなべちゃん」もいるし。私の紹介だといえば、絶対粗末な扱いを受けたりしませんよ。チャンスがあったらどうぞ。

hibari #O5sb3PEA | URL | 2017/05/29 08:33 | edit

なくなりつつあります。

hibariさんへ。
おはようございます。お元気ですか?
チョッと旅に出ていました。メッセージどうもありがとうございます。
道楽者……そうなんでしょうね、きっと。
でも30年前にプランタンで飼った白い食器も大事に使っていますし、
要は捨てられない、ものを大事にするヤツって言う感じ?
やっぱりね、染め付けに見入られるのはね、
先ず、土で成型して素焼きをし、呉須で文様を描き、
釉薬を付けてまた焼く……窯を開けて完成品になるまで、
何度も失敗する可能性がある訳です。
素焼きの段階でお釈迦さまになるものもある訳じゃないですか。
折角、文様を描いたのに出来上がったら歪んでいたり、
焼きが甘かったり……それが何百年も残っている……。
それを大事しなくてどうする!そんな感じです。
オークションとかも、出来れば1客ずつではなく、
残っているのであれば5客揃えて出して欲しいです。
呉須の上に透明な釉薬が掛かっている感じも好き。
大陸から連れて来られた陶工たちも、甘いことを言われ、
わずかなお金で危険な海を渡って日本にやって来た訳でしょう?
そして二度と故郷には帰れなかった……これを題材に映画作って欲しいな。
そんなこんな考えると物悲しくなりますよね。
器の裏の銘を見ると日本人の文字じゃないものね……。
でも器ですから、実際に使って愛でたいです。
割れたら自分で金で継いで……つくづくいい趣味を持ったものだと思います(笑)
僕は基本的に幾何学模様が好き。器を置く向きが決まってしまう器は買いません。
風景とか動物、唐子などはあまり好みではないです。
蛸唐草もそろそろ出尽くした感がありますよ。何しろ新作が出ませんから。
5年くらい前は美品がゴロゴロ出ていましたけど……。
ギャラリー安原……いいですよね。猫いましたっけ?(笑)
てっさい堂はお高いですけど(往年の適正価格と思いますが……。)
あそこに行くと必ず何かしら欲しいものが見付かるでしょう?
旅先の時間のない中、幾つも店をはしごする訳にも行かないので……。
hibariさんの紹介……塩まかれたらどうしよう(爆)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2017/06/06 07:57 | edit

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