ある骨董商との会話。 

 

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今日の写真……オークションで落とした古伊万里の染付けです。
径は約5寸(約15センチ)、中央の見込み、普通は縁起物である、
「松竹梅」のことが多いのですが、梅だけって言うところも気に入りました。
周りを彩る菊の花が愛らしいです。時代は江戸の中期くらいかなぁ……。
およそ300年前くらいの器です。

実は、この皿は時間をおいてそれぞれ1枚ずつ落札しました。
1枚目に落札したものは、うっかり落札日を失念……ガガガァ~ん!(笑)
ショックでしたが、なんと入札が0だったんです……何故?こんなにいい器なのに……。
再出品されたものを、今度は忘れずにキッチリ落札です。
ところが今回も入札は僕だけで競合者なし……何故?こんなに上質の器なのに……。
暫くして、また同じ器が出品されたので、こちらも入札が僕だけ状態で落札。


この2回の落札の間に、出品者の女性と何回かのメッセージのやり取りがありました。
僕からは、最初の1枚はうっかりオークションの終了日時を失念、
幸い入札がなくて無事に落とすことが出来たので嬉しい。
出品者の女性も、お好きな方に落札して戴いて嬉しい。
それにしても、非常にいい器なのに、入札がまったくないのは、
果たして自分の写真が悪いのだろうか……などなど。
そして、2回目の落札の時に、女性から一つ申し出がありました。
もう1枚同じ皿があるけれど、もし興味があれば如何ですか?……と。
同じ値段でよろしければ……と、言うことで譲って貰ったのが3枚目なんです。
あと2枚、欲しいところですよね。和食器は5枚で1セットですから。
3枚とも非常に美しい絵付けで、絵付けの呉須(藍の絵の具)の濃淡も均一で、
焼きもカッチリと硬く焼きしめられ、久しぶりに満足の行く取引となりました。


さて、3回目の時のやり取りの中で、常々、僕が思っていることを、
チョッと思っていたことを書いてみたのです。
(非常に感じのいい女性で、そんなこんな話せる雰囲気だった……。)
それは、出品者と入札者のそれぞれの思惑についてです。
出品者は手持ちの品であろうと、仕入れたものであろうと、
1円でも高く売りたい訳です。その反対に、
入札者は1円でも安く落札したい……人情ですよね。
1円でも安く落とすのはオークションの楽しみでもありますし。
そのドキドキ感、駆け引きが面白かったりするのです。
それからスタート時の値段。その品物がどんなに適正価格で出ていても、
入札する側としては、今一つ入札に参加しづらいのです。

事実、これらの器はスタート価格が8000円でした。
5寸の皿にスタート時に8000円の値段が付く……皆さん躊躇したんじゃないでしょうか。
僕の中でのこの皿の適正価格は(一流の骨董店で購入することが基本。)
大体10000円から18000円って言うところでしょうか……。
チョッと高く感じますか?何しろ、僕の骨董熱の始まりは、
バブルの終わり頃だったので、上手の7寸皿が1枚100000万円なんてザラだったのです。
従って、5枚揃っている器は500000円!感覚、おかしいですね……。
でも、その500000円の揃いの器が飛ぶように売れた時代(苦笑)
例えば、これらが8000円ではなく1000円スタートだったとしたら?
おそらく幾つも入札があったハズだし、もしかしたら、
僕が落とした8000円よりも高くなっていたかもしれません。
そこは盛り上がった時のオークションのコワさ、面白さだと思うのです。
絵画を出品している何件かの出品者を知っていますが、
1000円スタートで、必ず全ての作品に入札があり、
しかも、どの作品も高値で落札される出品者を知っています。

全般的に、今の時代は買い手市場です。
アベノミクスなんて得体の知れない経済効果で、
今まで50000円で落ちていた絵画が100000円なんて言うこともザラです。
僕がコレクションしている蛸唐草に関して言えば、
いい器はそろそろ然るべきところに納まったかな?って言う感じがします。
値も上がって来たことだし、そろそろ卒業かな?(笑)
舌の根が乾かないといいのですが……。


2016年9月11日


ブノワ。


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コメント

 

おはようございます。
どうしたことでしょう?コメントが一件も入っていない。
皆さま、古伊万里に興味が湧かないのでしょうか?
そんなはずないですよねぇ。???????

私の場合、年金生活・子育て生活が始まってからは
一応骨董から足を洗ったつもりですが、
骨董は病気の世界ですから、全く興味が無い訳でもなく
無性に病気が疼くことがあります。

お願いがあります。
今度はお皿の裏も見せてくださいませ。
古伊万里好きは、お皿の裏も大切に吟味します。

裏絵の文様、私は、裏絵の様々な文様を見るのが好きです。唐草でもささっと書いたものか、だみを丁寧に埋めた唐草なのか、ここは時代を見るのにとても大切な判断になりますし、
銘も大事な部分です。もちろん銘が無いからと言っていい加減な物とはいえません。

ブノワさんが出会った方は、良心的な出品者でしょうね。

悪徳出品者があまりに多くて「ヤオフク」と呼ぶ人もいます。

それより実は、お皿が乗っている下の絵が気になっているのですが・・・。

またお節介をしました。許して!

hibari #O5sb3PEA | URL | 2016/09/13 09:44 | edit

わーほんとに出遅れてます。
ちょっと猫が血尿で(っていいのか?こんなこと書いて)
注射が効いて今日はデカい顔して偉そうだから大丈夫です。

ところで、皿の中央を見込みと言うんですか?
おちょこなんかは覗きと言わなかったっけ?
擬人化するのが面白いな。

昔、染付の青いお皿に憧れて何枚か買ったことがあります。
なんかそれっぽい良い皿だ!と自慢にしてたら、
それは印判という皿でした。
手描きじゃないから端っこがずれてます(笑)
物の値打ちがわからなくてもちゃんと飽きてくるんですねー。
今は戸棚の奥のほうへ~~(笑)

オークションは写真だけで判断だから目利きじゃないと恐い。
3枚24000円のお皿。
買えない(笑)
はまると恐い世界ですねー焼き物って。










ムー #qiVfkayw | URL | 2016/09/13 22:42 | edit

ありがとう。

hibariさんへ。
おはようございます。メッセージ恐縮です。
コメント?入りませんよ。皆さん興味ないから(苦笑)
僕が一番書きたい映画、演劇、それから美術、骨董の類いは一番人気ありません。
チョッとした問題提起もダメ……シィ〜んとしちゃう(苦笑)
古伊万里なんてどうでもいいんじゃないですか?古い食器なんて。
さて、hibariさん、認識甘いですよ!骨董からは絶対に足は洗えません(笑)
そして、いつしか自分も骨董品になって行くのです(爆)
ピーター・オトゥールがスピーチで言ったじゃないですか。
「自分は骨董品だ。」って。古いけど価値がある……凄い言葉です。
器の後ろはねぇ……眺めていると何だか物悲しくなるんです。
中国など、大陸から連れて来られた陶工が焼いた器……。
あれらは日本人の文字ではないですもんね。
そして、決して祖国には帰れなかった……悲しいなぁ。
器の裏側(外側)って、たまに物凄いのがありますよね。
表に負けない美しい文様の時があったりします。
hibariさんはどちらで呼びます?「渦福」それとも「角福」?
「金銘」それとも「いにしえ人」?
それぞれにお気に入りの銘があったりしますよね。
銘がないのって意外にいいものが多かったりします。
昔の「無印良品」?銘なんか入れなくてもオレの作品は分かる……。
そんなところでしょうか(笑)hibariさんはどの時代のものがお好きですか?
下の絵はフランスのベルナール・ガントナーの作品です。
鉛筆デッサンね。リトグラフはゴマンと出ていますが、
矢張り、一点ものが欲しい……でも水彩や油絵は手が出ません(涙)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/09/16 08:26 | edit

大丈夫ですか?

ムーさんへ。
おはようございます。猫が大変な時にメッセージありがとう。
どうですか?具合の方は。相変わらずデカい顔?(笑)
だけどよく血尿だなんてわかりましたねぇ……飼い主の鏡!
お大事にしてくださいね。本当、猫は悩ましいですね(苦笑)
さて、お皿に限らず、器の中央部分を見込みと言います。
のぞきは、そば猪口みたいな小振りの器で深いものじゃないかな。
こう、覗き込むようにしてしまうところから来ているんじゃないですか?
印判のお皿……それほどバカにしたものではないと思いますよ。
紙に刷るのとは違い、器は立体ですから、難易度は高いです。
そうそう、器の端っこにズレや掠れが出ますよね(笑)
是非、奥の方から出してあげて使ってあげてください。
オークションは本当にコワいです。面白いけど真剣ね。
何しろ写真は撮り方で随分とニュアンスが違って来ますから……。
ムーさん、3枚纏めた値段書かないでね!(笑)
焼き物って面白いですね、奥深いし。
勿体ないから日頃ジャンジャン使ってあげるようにしています。
料理も器にインスパイアされるって言うこともあるし、
馬子にも衣装じゃないけれど、下手な料理も器で映える?(笑)
江戸の昔から割れずに伝わったものを大事に後世に……。
そんな気持ちもあります。ある程度楽しんだら若い世代に譲るつもりです。
この3枚は裏側にマジックで「ムー」って書いておきますよ(笑)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/09/16 08:39 | edit

骨董と銘

ブノワさん こんにちは。
今朝は久しぶりに太陽の光の中で目が覚めました。
子供たちは「あっ!晴れてるぅ~!」と感激。

さて、半島から連れてこられた陶工たちですが、
当時の日本人がどれくらい磁器に憧れていたかわかりますね。
秀吉が朝鮮に出兵した折、現地の平民たちが普段使っていたとみられる
白磁の壺等の完成された美しさに感銘をうけて、
現地にとどまってしまった武将もいたという逸話が残っております。
結果としては、朝鮮陶工たちの日本での活躍が無ければ、
私たちは初期伊万里の力強い武骨ではありますが、
当時の最先端の器を今手にすることも見ることもできなかったわけです。

日本人陶工たちの努力と技術と磁器に相応しい土が、
有田で見つかったことにより、磁器は飛躍的に進歩していきます。
濁し手の白磁、柿右衛門の赤と空間を生かした絵つけは、日本独自の
物です。
初期伊万里の頃は、銘は数が少ないですね。あっても、日本人陶工が
大陸の焼き物の銘を一生懸命模倣して、何だかよくわからない物もあるようです。

柿右衛門にはほとんど銘が無く、古九谷・藍九谷(盛期伊万里の前)に
なると銘が入ってくるようになります。「古人(いにしえびと)」という銘は好きですが、あとはほとんど気にしません。「古人」の銘が入った古伊万里の数もあまり出回っていません。以前一枚だけ美しい藍の小皿を持っていたのですが、手放して以後「古人」には出会っていません。

ま、私の場合、ほとんど普段使う物が多いので、傷のあるお安くなったものを買って、直していただいています。
私のHPの「骨董遊び」を見ていただくと、碌な物が無いのを分かっていただけると思います。

ピーター・オトゥールも逝ってしまい、骨董の名品がまた減りました。
私もただのガラクタにならぬよう生きていきたいものです。

ここ長いこと、骨董に関する文献も読んでいないので不正確なことも多々あるかと思います。あしからず。

hibari #O5sb3PEA | URL | 2016/09/17 16:34 | edit

井戸茶碗に思うこと

hibariさんのお話がとても楽しくて、
それで横入りしたくなりました。

半島から。ってところです。
私が20代で焼き物の事なんかわからなかった頃、
新聞社で毎月出していた(んだとおもう)薄い雑誌で、
井戸茶碗の写真を見たんです。
口径が広くてふくらみの無いスッとした茶碗。
地味で静かな色。
あ~~何て素敵~~。
井戸茶碗の歴史を読んでまた驚きました。
これが日常雑器だったなんてすごい文化を持ってたんだなー、と。

それから何年もたって韓国のソウルへ仕事で行く機会がありました。
驚いたのはステンレスの器、金属の箸!
これじゃ犬の茶碗じゃないか!
あんなに素敵な焼き物の歴史はどうした?
いくら秀吉が陶工を連れてきちゃったからって、
民族の美意識までは盗めなかっただろうに、と。

ただそれだけです。
ちょっと口をはさんでみたくなって、
おじゃましました~~~。




ムー #qiVfkayw | URL | 2016/09/18 11:43 | edit

ガラクタ(笑)

hibariさんへ。
おはようございます。熱いメッセージどうも。
忙しくしているうちにスッカリ秋の気配です……お元気ですか?
歴史ってどのシーンも面白いのだけれど、陶器に関しては特にそう。
彼らがいなかったら一体どうなっていたでしょうね……。
独自の発展を遂げてもっと凄いものが出来ていたかもしれないし……。
多分、半ば金にあかして無理矢理連れて来られたであろう陶工たち。
未知の国で何を思って焼き物を作っていたのでしょうね。
そんなこんな考えると物悲しくなります。
信長から秀吉の時代は、献上物もそうですが、華美に華美に向かって言った時代。
そんな中、半島で見た質素で無駄を削ぎ落とした器に衝撃を受けたのは想像に難くありませんね。
やっぱり、いつの時代も無駄を極力削ぎ落としたところに美はありますから。
僕は自分で絵を描いたりデザインもしますから、器の裏は殆ど気にしません。
先ずはキッチリと表面を吟味して、気に入ったら裏をチョッと見る程度。
それでもさして外れることはありません。いいものは裏までしっかりしていますから。
「古人」の器は2客ほど持っています。西荻窪だったかな?
骨董店で譲って貰いました。あんな繊細な線……どうやって描くのでしょう。
柿右衛門は独特ですよねぇ……世界に類を見ません。
僕の場合、実用したいので、手に入れるとしたら酒器かなぁ。
そうそう、大倉陶園の土って韓国産のカリオンでしょう?
あの世界に誇る純白の肌も半島からと思うと面白いです。
今、オークションで黒楽茶碗を見ています。黒楽の平茶碗。
質問したら年代は分からないそうです……いいんですけどね、古くなくても。
ガラクタにはならないと思いますが、何やら面白いものになりたいなぁ(笑)
hibariさんは大丈夫ですよ、ガラクタにはなりません(爆)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/09/19 07:24 | edit

面白いですよね。

ムーさんへ。
おはようございます、こちらにまたありがとう!
いつも思うんですけどね、井戸茶碗って素敵な響き(笑)
井戸茶碗、三島、粉引、刷毛目……何だかワクワクしちゃう(笑)
半島で日常に使われていた茶碗を見ちゃった当時の日本人……。
痺れたでしょうねぇ。文字通り衝撃?(笑)
勿論、位の高い人たちはそれなりに豪華だったり華美な器を使っていたのでしょうけど、
やっぱり、シンプル・イズ・ベストなんですね。真の美とはそう言うもの。
当時の半島の人はビックリしていたんじゃないですか?
こんな雑器が美しい?こんなお値段で買ってくれる?……って。
日本人独特の美意識ですかね、本当に面白いです。
ところで、ムーさん、ステンレスの器に箸ね!アレは僕も苦手。
外猫のちか子にご飯を揚げているアルミの器みたい(笑)
金属の箸は、上手くモノが掴めないしね……ま、清潔なんでしょうけど。
だけどムーさん、犬の茶碗って!(苦笑)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/09/19 07:45 | edit

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