バベットの晩餐会。 

 

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連休2日目……。
恵比寿ガーデン・シネマにて「バベットの晩餐会」を観ました。
劇場にてほぼ30年ぶりの鑑賞になります。
アカデミー外国映画賞等、数限りない受賞歴を誇る傑作ですから、
僕の拙い言葉で、今更、作品に付いてあれこれ語るのも愚の骨頂です。


今日は「バベットの晩餐会」にまつわるあれこれをチョッと……。

優れた芸術作品って本当に限りなくあらゆる方面に広がりを見せます。
僕は「バベットの晩餐会」でシャンパンの「ヴーヴ・クリコ」と、
ブルゴーニュの赤ワイン「シャトー・クロ・ヴージョ」を知りました。
映画に出てくるのは「ヴーヴ・クリコ」の1860年ものと、
「シャトー・クロ・ヴージョ」の1845年もの。
以降、両方のワインの大ファンになりましたが、
「ヴーヴ」と言うのがフランス語で「未亡人」を表し、
「クロ」が「囲われた」を表すのを知ったのもこの作品が切っ掛け。
今は1000円前後でスペインのカバなどが手頃に飲めますが、
矢張り「ヴーヴ・クリコ」は別格。戴くと思わず顔が緩みます(笑)
「シャトー・クロ・ヴージョ」には因んだ2種類の薔薇があります。
曰く「Chateau de Clos Vougeot」「Clos Vougeot」……。
どちらも由来になった赤ワインの色そのものの赤黒い名花になります。
余談ですが「シャブリ」と言う白薔薇もありますね。
「Chateau de Clos Vougeot」は黒薔薇を作るために随分と交配親に使いましたっけ……。
赤黒の花弁に黄色の雄蕊……タップリと花粉が採れて重宝した覚えがあります。
シャンパーニュ地方のランスには沢山のシャンパンのメゾンがあります。
まさにひしめき合っていると言った感がありますが、
味的にはどうなんでしょうか……それ程、値段の差ほどの違いはないように思えるのです。
宣伝の巧さ、マーケティングの仕方、要は財力の差だと思うのですが、
平行輸入の絡繰りで、本場フランスで買うよりも日本で買った方が安い……そんな時代もありました。
知り合いが「Jepeer/ジペール」と言うカーブを経営していましたっけ。
安価で優れたシャンパンでしたが、残念ながら廃業してしまいまったんですよねぇ……。
経営権を譲って「Jeppeer」はまだあるのかな?どうなんでしょう。
葡萄畑や工場を見せて貰いましたが、葡萄畑の一番端には薔薇が植えられていました。
葡萄畑にはウドン粉病の発生を知らせるための薔薇が植えられている……。
3メートル先も見えない濃霧の中、畑の中、車を走らせて、
そんな話の現実に見ることが出来たのが懐かしいです。
社長に薔薇の品種を聞きましたが、たった一言、

 「メイヤンだよ。」

とだけ言っていました。薔薇の名前はどうでもいいのでしょうね(苦笑)
今は耐病性が重視される中で、ウドン粉病に掛かりやすいから植えられている薔薇もあるんですね。

バベットの晩餐会に使われた青い菫の文様の食器はフランスはリモージュのアビランド社製です。
画面に映ったものをチラッと見ただけですが、今のものとはチョッとニュアンスが違います。
今のものは転写紙で絵付けがされているハズですが、映画のものは手描きのような雰囲気も……。
こちらの食器は非常に華奢で、他社のものよりも少し小振りで女性的なのが特徴です。
いつも思うのですが「Havirand」の「d」は発音するのかしらン?(笑)

 「私のウズラちゃん!」

と、バベットが愛しそうに呼び掛ける、ピヨピヨと元気にさえずる生きたウズラは、
やがて殺されて羽根をむしられパイ包みになって食卓に乗ります(笑)
日本ではほとんど見かけないウズラ……フランスでは羽根をむしられ、
首を小さな身体の下に丸め込むように入れられ、切り身ではなく丸々肉屋に並びます。
小骨が多くて少し食べにくいですね……。

そのバベットが愛用しているのが大きなフードが付いたマント……。
メリル・ストリープ主演の「フランス軍中尉の女」の冒頭のシーンが有名ですね。
メリル・ストリープと言えば原作のカレン・ブリクセンと繋がります。
当時は女性の作家がなかなか認められず、カレンは、
男性名のアイザック・ディネーセンで数々の傑作を発表しています。
一番有名なのは、「バベットの晩餐会」の2年前に映画化された、
メリル・ストリープとロバート・レッドフォード主演の「愛と哀しみの果て」があります。

 「私はアフリカに農園を持っていた。ンゴング丘陵のふもとに。」

大メロドラマですが当時の人気スター2人に寄る華やかな作品に仕上がっていました。
原題は「Out of Africa」……僕の愛読書ですが、「ライ麦畑でつかまえて」の中で、
ホールデンが間違え手渡されて読んだのも「Out of Africa」です。
因みに豊橋の「ホテル・アークリッシュ豊橋」の宿泊客専用のラウンジの書架にも並んでいます。

劇中でモーツァルトの「クラリネット協奏曲の」第二楽章が効果的に使われています。
この曲は、「グリーンカード」の温室のシーンや、
ジョルジオ・モロダーにより現代的にアレンジされ、
「アメリカン・ジゴロ」のテーマ曲としても使われています。
この世のものとは思えない天国的なイメージの時に使われることが多いです。

 「食事を恋愛の変えることの出来る唯一の女性。」

そう将軍に言わしめた「カフェ・アングレ」の料理長だったバベット……。
ステファーヌ・オードランが好演しています。
役者にとって、生涯1本でも代表作があるって素晴らしいことですね。
前半の清貧の村の生活の描写と、後半の晩餐会のシーンや厨房の場面の対比が面白いです。
丁寧に作られた傑作、映画史に残る作品です。


今日の写真は僕が愛用しているプジョーのシャンパングラス「IMPITOYABLE No.4」
「情け容赦のない……。」……面白い名前が付いていますよね。
何事もそうなのですが、このように「槌目」のものに物凄く弱いです(苦笑)
ガラスだけではなく銀器とかの金属もそう。ツルリとした鏡面も美しいけれど、
槌で叩いたような文様に強く引かれます……。


「バベットの晩餐会」……★★★★★★★☆……75点。


2016年5月14日


ブノワ。


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コメント

 

観に行きたい映画です。

ブノワ。さん、おはようございます。ずっとブノワ。さんのブログの
カテゴリーで気になっていたんです。映画の題名だったという
ことを知ったのは・・・・・・。実に昨年の冬頃(笑)。

気になっていたところに、今回の記事。そして、新潟の小さな映画館で
上映予定だけれど期日未定の映画の所に、バペットの晩餐会を発見しちゃ
いました。

気になると、偶然にもけっこうタイムリーにあるものですね。

チェックして、必ず見に行きますね。ブノワ。さんの今回の点数、高いです
ものね。また、映画のこと教えて頂けたら嬉しいです。

プジョーのシャンパングラスの名前、こういうの好きです。遊び心がありま
すよね。そして文様も素敵です。




愛 #pdK/Zy5g | URL | 2016/05/15 10:27 | edit

やるよねぇ。

愛ちゃんへ。
こんばんは。メッセージどうもありがとう。
カテゴリーね……何だかそんなものを真剣に考えていたことがあったなぁ。
いいネーミングだと思うのね。映画で纏めたかったんだけどなかなか……。
「バベットの晩餐会」……いい映画ですよ。必ず観るべし。
点数高いでしょう?実際はもうチョッと高くてもいいの。
一つ一つ丁寧に作られた料理、電子レンジなんてない時代だからねぇ(笑)
あれは有り得ないでしょう?あんなに熱くなって変質しないのはおかしいよ。
身体に絶対に良くないハズだもの……愛ちゃんは使っている?
友達が電子レンジで卵温めて爆発させたなぁ……(笑)
プジョーのグラスはどこかのオリジナルの権利をプジョーが買ったんじゃないかなぁ。
僕のはプジョーに移行する前のものです……確かね。
この槌目とねじりに弱いのです。見ると買っちゃうの(笑)
「バベットの晩餐会」は観たら感想を教えてね!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/05/19 21:48 | edit

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