Jardin Chemin Vert。 

 

REMI9024.jpeg
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

既に忘却の彼方です。
あれは丁度1年前くらいの塚原邸でのことだったでしょうか……。
ガーデニング・ファン垂涎の素晴らしい庭を作られている、
黒田さんに庭に飾る看板を作って欲しい……と、言われたのは。
二つ返事でお受けしました。だって、これほど光栄なことはありませんものね。
快諾したものの、後から良くお話を聞いてみれば、
僕に庭の名前から決めて欲しいとのこと……。

ガガァ~ん!あらら……それでは話が違ってきます。
気軽に引き受けたのに責任重大じゃん(笑)
責任重大どころじゃないか……困った、困った……さて、どうしましょう。


今回は自分で納期のお尻を切りました。
退路を断つ……先日の「ルーシーグレイ」の時は、
オーナー夫妻、お2人の優しい言葉についつい納期が延び延びになり、
(美しい奥方は「コイツ、早くしろよ!」って思っていたに違いない……。)
なんと出来上がるまでに1年半近くを要し、大変にご迷惑をお掛けしましたから……。
出来れば薔薇のシーズンに、皆さんが遊びに来る時までに仕上げたい……そう思ったんです。
薔薇の最盛期は5月の中旬として、では、GW中にお届けすればいいか……。
尻を決めてしまうと俄然、やる気が出ます(笑)
何事も尻から逆算して作業を始めるタイプだからです。
とは言うものの、3月~4月は一年の中で最も忙しい時期……でも、どうにかなるかな?
3月中に名前を決め、4月にデザイン、そして製作……。
こんな感じに目論んでいましたが、獲らぬ狸の皮算用か?(苦笑)
自分でも分かっていましたが、予定は延び延びになり、
結局、名前を決めたのは4月の中旬(苦笑)最後は駆け込むように仕上げました……。
ハァ……尻、熱かったぁ(苦笑)

下の9枚の写真は、起こしたデザインの下書きを陶板に写しながら、
少しずつ絵の具を入れて行く過程と、絵付けが完成し、焼く前の様子です。

REMI8673.jpeg
REMI8681.jpeg
REMI8682.jpeg
REMI8685.jpeg
REMI8693.jpeg
REMI8734.jpeg
REMI8735.jpeg
REMI8739.jpeg
REMI8744.jpeg

「Jardin Chemin Vert」……ジャルダン・シュマン・ヴェール。
庭の名前ですが、「薔薇」とか「素晴らしい」とかの単語は使いたくありませんでしたし、
あまり具体的すぎたり、褒めちぎるようなネーミングは控えめな黒田さんらしくありません。
それから、あまりに説明的過ぎたり、気取って長くなり、
黒田さんご自身が言いにくかったり覚えにくかったりしてもダメです。

3月に一時帰国したフランス人の親友夫妻にも相談しました。
「Jardin Chemin Vert」……正しいフランス語ではありません。
正しくは「Jardin du Chemin Vert」でしょうか……。
チョッと語呂、耳への響きを優先しました。「緑への小径」……そんな意味かな。
僕の中では絶え間なく精進して植物を極める道……そんなニュアンスもあります。
使用したフォントは僕オリジナルのもの。検索してもどこにも出て来ません。


さて、看板です……。
普通の大きなものなら木に絵の具でロゴマークを描きますが、
2月に下見に行った時、看板を飾る場所を見せて貰い、採寸をした時にハタと閃きました!
そうだ、この大きさなら陶板に描いて、部下に焼いて貰おう!(笑)
陶板に描いて焼けば、多少、紫外線で色が退色するかもしれないけど、雨風には強いハズ……。

そして、陶板です……。
ペンや鉛筆など、先端が堅いものは、比較的、指先の感覚がそのまま筆記具に伝わりますが、
筆による彩色は、毛の束の量、毛の長さ、毛の弾力性など、条件にもよりますが、
指先の匙加減によって、一筆で非常に多彩な表情を表現することが可能です。
僕がこの世の中で最も美しい肖像画の中の1枚だと思っている、
ジョン・シンガー・サージャントの「Lady Agnew of Lochnaw」。
この美しいポートレートには、日本とマドリッドにて2回お目に掛かっています。
向かって右側の頬から肩にかけての太い一刷毛……。
一筆で顔から首の輪郭から背中への奥行を描きだして圧巻です。
サージャントのように一筆で花弁の膨らみや奥行を表現することも可能ですし、
藤田嗣治のように髪の毛ほどの細いラインを引くことも出来ます。
ただし、筆は千変万化の表現が可能ですが紙やキャンバスに線を引くのと違い、
ツルツルの陶板に描くのは非常にテクニックを必要とします。


常々、冗談で「『大倉陶園』からスカウトされたらどうしよう!」とか、
「『アウガルテン』に就職してやろうかな……。」とか、
常にビッグマウスの僕のことですから(笑)
「Bella Donna」を描いた第1回目「Rei」を描いた第2回目
過去2回の絵付けにおいて大ボラ&軽口を叩き、親切に教えてくれるあけをウンザリさせましたが(笑)
3回目の今回は、さすがに難易度が高くなり、2日間予定を取り、満を持しての絵付けとなりました。

偉大な(誤字、脱字、変換ミスが多い)ガーデン・ライターでお師匠のあけは、

 「キチンとストロークを勉強しなさいよぉ!」

と、親切に忠告してくれますが、
僕はストローク(平均的な筆致)を習う気はまったくありません。
ですから同じものが絶対に描けない宿命にありますが、
ま、金継ぎジイサンで老後の生計を立てる予定の僕にとって、
チャイナ・ペイントは趣味の域を出ないので……。

「Bella Donna」のドライは、実際に家にあったものを実物大でスケッチしました。
筆と先の尖ったもので塗った面を引っ掻いたり、綿棒で叩いてボカシたり……。
たった2回で得た限りなく少ないテクニックの全てを駆使し(笑)
ドライのカサカサ感を表現してみました。毎日~仕事で筆を使う僕ですが、
ウゥ〜む、これはなかなか難易度高かったです(苦笑)

なぜドライなのかって?瑞々しい美しい薔薇は庭に沢山咲いています。
冬枯れの門柱にはこちらの色味の方が絶対にマッチするハズなんです。



連休の前半に出来上がった作品をお持ちしました。
黒田さん、気に入ってくださったでしょうか……。
今日の1枚目の写真は陶板を持った黒田さんの手です。
写っていませんが、この上には黒田さんの満面の笑顔……。
実際に黒田邸を訪れてご覧になった皆さんはどんな感想を持つでしょうか。

暇で暇で困っていたあけ……。
2日間の付き合いご苦労であった(笑)誉めてつかわすぞよ!


2016年5月6日


ブノワ。


★Copyright © 2005~2016 nioinoiihanataba, All Rights Reserved.
スポンサーサイト

category: Under the Rose。

tb: 0   cm: 8

△top

コメント

 

祝!完成

ブノワ。さま、ぼんじゅー。
できたのですね!
満を持してジャルダン・シュマン・ベールjardin Chemin Vert!
素敵な看板が完成しましたね!
陶板を持つ黒田さんのお顔は、満面の笑顔とのこと、
感想を伺うまでもないでしょう。

しかしまぁ、最強のお師匠さんと優秀なお弟子さんですね。

Coucou #NMJSpOmY | URL | 2016/05/07 14:56 | edit

きゃ~!

きゃ~!  なにこれ?
私の大好物載せないでー! だって、素敵すぎて欲しくなるじゃないの、ブノちゃんて残酷ね。
でも、あの有名な黒田さんのお庭に飾るのなら納得するわ。
あけさんが焼いてくれたのね、
「あけさ~ん、ブノちゃんがわがまま言ってごめんね、」なんて言いながら、ここでうっとり看板に見入っているの。
 
ブノちゃんは何でもできるのね。
それも半端じゃない・・・どれも好き!
あんまり褒めたくないけど、あ~~~また感激してしまった。

アンジー #6/34PU6. | URL | 2016/05/07 16:45 | edit

素晴らしい共同作業♪

名古屋には毎夏ゆくのに なかなかお庭への計画は叶わず仕舞い…
今夏できっと遠征も最後になるから、いつか西への庭旅を実現したいなぁ♪世界でただひとつのウェルカムボード、ほんとにうっとり… 見にゆきたい!

かなちょん #2svZrEBc | URL | 2016/05/07 23:32 | edit

とても素敵!
とくにドライになったベラドンナが効いてる~~
素敵だけど読めない覚えられない(笑)
「なんて読むんですか?」って声をかけるきっかけになるかも。

ちょっと右手を怪我してこれ以上打てないんですー。
だから短いです(笑)


ムー #qiVfkayw | URL | 2016/05/09 21:49 | edit

ぼんそわ。

Coucouさんへ。
こんばんは。メッセージどうもね!
そうなの、ようやく出来ました……チョッと疲れました。
2日間、計12時間……殆ど息していなかったような気が……。
Coucouさんの堪能なおフランス語でおかしくないかな?
もうそろそろ所定の位置にくっ付いているでしょうか(笑)
優秀なお弟子?ほほほほほほ!弟子の方が優秀って言うこと?あはは!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/05/10 18:27 | edit

きゃ~!……じゃないです!(笑)

アンジーへ。
こんばんは。メッセージどうもありがとうございます。
スッカリ返事が遅くなっちゃった……ゴメンあそべ。
さて、私の大好物って何ぁ〜に?(笑)
欲しいでしょう?ね?欲しいでしょう?
そうだなぁ……お友達価格って言うのもありますよ(笑)
あの素晴らしい庭だったら何カ所かに架けてもいいですね!
ウットリ眺めているだけじゃダメですよ(笑)
注文が殺到しますからね、お早く願いますよ(爆)
ところであけ?あれはいいの。ヒマそうだから手伝わせてやったんだから(笑)
僕?何でも出来る?うぅ〜む、出来るって言えば出来るんだけど、
どれも半端なのね。極めるものがない(涙)所謂、器用貧乏って言うヤツ?
あぁ〜!アンジー!庭に埋めてある金塊!僕に頂戴ね!(笑)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/05/10 18:32 | edit

名古屋って……アレ?

かなちょんへ。
こんばんは。メッセージどうもありがとうね。
名古屋ね……そうだよね、近いって言えば近いかも。
今年で最後なの?何故にして?ま、いいじゃない、7月は庭休んでいるし。
いい季節に段取りしてみてよ。なかなか難しいんだけどねぇ……。
そうね、世界でたった一つって言うところだけかな、価値があるのは(苦笑)
真面目にいつかかなちょんにも見て欲しいなぁ……。

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/05/10 18:35 | edit

大丈夫?

ムーさんへ。
こんばんは。メッセージどうもね。
そんなことより手はどうしたの?右手って利き手じゃないですか……。
またおっちょこちょいしたんじゃないですか?
病院には行きましたか?メッセージなんかいいのに……。
早く良くなってくださいね。お見舞いに行きましょうか?
フフフ……来られるのイヤだったら早く良くなって長文メッセージください(笑)
看板ですが、ドライが良かったでしょう?
だって、本当に美しい薔薇は庭の中に咲いているんだもの。
それに、飾る場所を見せて貰いましたから……ドライなの。
どんな感じになっているかはまたレポートしますね。
ところで、ブログを1週間休んだら……キーボード叩くのヤになっちゃった(苦笑)
だからダメなんですよ、間を空けるのは……。
元に戻には暫く時間が掛かるかも……また旅行だし。
兎に角、早くよくなるように!お願いしますよ!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/05/10 18:43 | edit

△top

コメントの投稿

 

Secret

△top

トラックバック

 

トラックバックURL
→http://nioinoiihanataba.blog.fc2.com/tb.php/290-c3e9169c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△top