金継ぎジイさんの行く末。 

 

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早いもので、この4月で金継ぎを初めて丸2年が経ちました。
2年もやっている感覚……ないんですよねぇ。
月に一回と言うペースもあるのだけれど、8月は漆に気触れやすいと言う理由で教室がお休み。
年間11回の教室なんですが、仕事や旅行で欠席することもあります。
参加は大体9回くらいでしょうか……僕、作業は早いので、もたもたしている訳ではないんですが……。
今日の1枚目の写真は教室に持ち込んだ作業中の器……1年くらい前のものかな。
漆で接着し、足りない部分は盛り上げて形を成形。どうにか形になったところ。

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2年間も通って完成した器がまだ一つもありません(笑)
先生は「岩下さんはストイックだから。」……と、言いますが、
ストイックなのではなくて、納得行かないものはイヤなだけなんです。
スグ上の2枚の写真を見て貰うと分かると思うのですが(最新の状態。)
欠けたピースと本体を継いだ部分の黒漆の部分が結構太いですよね。
ここ、実は欠けたピース同士をくっ付けると、細い1本の線になるハズなんです。
欠けたピースは一気にくっ付けなければならないので、
漆を付けて「えいやっ!」漆を触らないように慎重にくっ付けます。
だけど、初めてでしょう?漆は触っちゃうわ、何だかグジャグジャになっっちゃって……。
どうしてもピッタリと行かない場合があって、その時は若干、段差が出来てしまうのです。
接合面に若干段差が出てしまうと、その段差を滑らかにするために、
段差を斜めに漆を盛りますから、このように太い線になってしまいます。
要はピッタリと正しいところにくっ付いていないと言う訳です。
まぁ、怪我の功名か、その太い線が何とも言えず味があって、
先生は「岩下さんの線はとても風情があって素敵。」と、褒めてくれますが、
ただただくっ付け損なっただけのことなのです(苦笑)
割れたピースが全部残っている場合は、正確にくっ付ければ細い1本の線が出来るだけ……。
それも何やら味気ないではありませんか。漆を繰り返し、繰り返し塗って、
研いで研いで……している内に、何だか愛着が出て来ちゃって、
金を蒔かなくてもいいかなぁって思うようになりました(笑)
染付けの呉須と黒漆のコンビネーション……美しいと思いませんか。


そうそう、先日、NHKの「美の壺」をチョッと見ました。
金継ぎを特集していましたから。今、ブームみたいですね……金継ぎ。
僕は本格的に漆を使って繕うことを習っていて本当に良かったと思っています。
色々な方法、科学的なパテや接着剤など、使う材料もそれぞれですから。
僕の先生は、さる人間国宝の弟子のまた弟子のまた弟子……。
と、言うことは、僕は人間国宝の弟子のまた弟子のまた弟子のまた弟子……になります(笑)
まぁ、あまり意味はないですけど、何となく気持ちいいじゃありませんか。
それから、金で繕うと言うことは、あくまでも「直し」の一つの手段であって、
金で繕うことが最初に来てはいけないと言うことも実感しました。
先ず、金継ぎありき……そんな器も番組の中で紹介され、
大いに首を捻ったものです。それは呼び継ぎと呼ばれるもので、
元々の器とは違う器の破片を上手くあわせて金で繕ったものです。
何だか違うんですよねぇ……本末転倒と言うか、まるで今の映画界のCGみたいにね。
何かを作るために必要とされてテクニックがあるのではなく、
そのテクニックを見せびらかしたいから何かをする……逆ですよね。
その器、金でゴテゴテと形も美しくなく、持ち主の自己満足と言うか……。

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まだ寒い2月だったかな……。
教室が開かれている小さな会場でチョッとした集まりがありました。
先生を囲んでお弟子さんたちが集まると言うもの。
イタリア料理のシェフを招いて本格的な料理と美味しい酒を楽しんできました。
2年も教室に通って、大好きな「高太郎」で働く僕の兄さん弟子の男性と、
もう1人、一番最初から一緒のことが多い愛らしい女性の他、1人も名前を知りません!(笑)
そんな自由で、縛りのない雰囲気もまた教室の魅力でもあります。
2年もやっていて1つも完成品がない……果たして「金継ぎジイさん」として、
老後の生計は成り立つのか?甚だ疑問になって来ました(苦笑)


2016年4月14日


ブノワ。


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コメント

 

そーねー。
黒い線も染付の青と配色的にはいいと思うけど、
それは見れば見るほどそんな気がしてくるけど、
やっぱり金にしたいなー。
黒だとちょっと強すぎてぎょっとしない?
金継ぎは青が一番しっくりくるのよね。
染付でもマイセンでも。
上の写真の萩焼にもしてあるけど、
私の好みから言うとイマイチ。
それにこれはもしかして銀?そうみえます。

けど、なに?
老後の生計?
こんな贅沢な食事してたらむりだしょー(笑)

ムー #qiVfkayw | URL | 2016/04/14 21:30 | edit

だしょー(笑)

ブノワさん、おはようございます。
朝ごはんを食べていない気がしてきたazkingです。

「無理だしょー(笑)」というムーさんのコメントに同意いたします。
これは私なんぞはなかなかお目にかかれない本物イタリアンなお食事。
ルッコラがセルバチコ。パンチ効いた味に違いない。
手打ちの麺に、ケチャップなんざ使わねーぜ!のボロネーゼ?
魚介もこのルックスは間違く私好み。
ラビオリのピンクがラブリーなこと。サーモンかしら~
お腹が。。。別腹が発動する~。
夕食は梅煮にしようと思って、昨日半額で買った鰯。
イタリアンに変更だ。
昼ごはんで消えて旦那の口には入らなかったら
ブノワさん。のせいにしよう。そうしよう。

継。
黒のままでも美しい。
けど、食事を盛ったとしたら食欲がわくのは【金】かなと思います。

azking #7XaZTY2Y | URL | 2016/04/15 11:25 | edit

あ~蛸唐草ぁ

ブノワ。さん、おはようございます。
金継ぎ、憧れです。それも、こんなに蛸唐草で金継ぎできちゃうなんて…許させるなら、ブノワ。さんの手元を頬杖ついて、見ていたいです。
金継ぎブームがきた時に、金継ぎボンドみたいなのが売り出されました。金継ぎしたように直せるボンド!それを思い出してこの度帰国した折りに、そのなんちゃって金継ぎボンドを探しに行ったのですが、ありませんでした。
何でもやりたいけど、ぶきっちょな私には、なんちゃって金継ぎボンドで充分かと思ったんですけどね。
ぜひ金で完成したのも見せてください。「金」継ぎですから…

aoi #2bHepG22 | URL | 2016/04/19 03:15 | edit

折角、買ったんですけどね……。

ムーさんへ。
こんにちは。いつもメッセージどうもありがとう。
返事がスッカリ遅くなっちゃいました、ゴメンなさいね。
ようやく金を蒔ける直前まで進んだんですけどね……。
金もようやく買ったんですけどね……何だか愛着出て来ちゃったの(笑)
このままでもいいかなって。でも金を蒔きたい気持ちもある。
料理を盛った萩焼?これは色が同化していますね……。
もっとハッキリと違いを見せた方がいいのかも。
なぁ〜んて、まだ1枚も完成させていない僕が言うことじゃないかな(苦笑)
老後の生計は真面目に考えてんですよ。
これ、この料理、僕が全部食べた訳じゃないですからね。
前菜の数とかを見て貰えれば分かると思いますが、
12人で食べましたから僕の口に入ったのはほんのチョッと。
えっ?そう言う問題じゃない?失礼しました(笑)
早く金継ぎジイさんになりたいゼィ……。
ムーさん、割れたお皿、捨てないでね!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/04/23 17:30 | edit

だしょーじゃないだしょー!(笑)

azkingさんへ。
こんにちは。メッセージどうもありがとうです。
僕のブログは食後に見ることをお勧めしますよ(笑)
「むりだしょー(笑)」じゃありませんからね。
これ、僕の口に入ったのはほんの少しなんですから。
どうでしょうねぇ……本格的と言うよりは、
チョッとひねりを利かせた感じでしょうか……京野菜とか使っていました。
一時期の何でもかんでもニンニクを効かせればイタリアンみたいな、
チョッと勘違い的なイタリアンは随分と減りましたよね。
ところで、イタリアンでケチャップはいただけませんねぇ(笑)
僕の中で唯一、ケチャップが許せるのは、オムライスの上にかけるケチャップね。
でも、出来ればこちらも自分でトマトを煮て作りたい感じ。
ラビオリは何だっけ……忘れちゃった!あはは!(笑)
やっぱり黒よりは金ですか?そう思います?
全部じゃないんです……この中の幾つかは黒漆のままにと思います。
そうそう、僕、金継ぎした器は基本的に料理盛らないかも……。
どうでしょう……そんな気がしているのです。

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/04/23 17:37 | edit

あら、憧れでしたか。

aoiさんへ。
こんにちは。メッセージどうもです。
金継ぎ、憧れでしたか……初耳です。
でも、aoiさんは器用だから自分で出来ますね。
金継ぎブームなんてあったんですか……今もそうな気がする。
金継ぎボンド?そりゃぁダメだ(苦笑)やっぱり漆でやらないと金継ぎじゃない。
今時の強力なボンドでくっ付けちゃうと2度と取れないんですよ。
丁寧に取って漆でやり直そうと思ったら取れないの(苦笑)
この中の幾つかは金で蒔きます。銀もいいかな?
まだお弟子になって一番最初のものですから。
これからももっと作業して色々と試してみたいです。

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/04/23 17:41 | edit

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