未来は本当に明るいのか?……ステーブ・ジョブス。 

 

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パソコンは嫌いです。出来れば触らずにいたいです。
嫌いというより信用していないのね。
デジタルってさ、実態がないでしょう?写真で何度か懲りています。
嫌いと言っても、今やパソコンなしの生活は考えられないし、
パソコンなしでは仕事も出来なくなるので、おまんま食い上げです(苦笑)
なるべくパソコンから離れて大自然の中で生活をしたいと思うけど……。
そうだっ!作家の大先生になって田舎暮らし!原稿はメールで送ればいいじゃん!
ハッ……それだってパソコンが必要ですもんね(笑)もうがんじがらめ。
実は、最後に勤めた会社では仕事で1000万円をこえる特注のパソコンを弄っていました。
どうにもこうにも……いよいよ個人的にパソコンが必要になり、
迷うことなく購入したのがマッキントッシュの「iMac」。
当時の機種は1枚めの写真みたいに大福みたいなハードディスクに、
バーが付いていてモニターが自在に動くタイプ。
今のスタイリッシュなデザインと違ってどこかユーモラスでした。
この1枚めの写真、前にもお見せしましたよね……大好きなのです。
ウィンドウズ?全く迷いませんでした。以降、浮気はせずにズゥ~っとマック・ユーザー。
ただ今、3台めです。今までのものは全て取ってあるんですよ。
何事も形から入る僕にとって、マッキントッシュは理想的なパソコンでした。
美しいデザイン、豊かな機能性、使用説明書……そんなものありません。
機械音痴の僕が触っているウチに出来ちゃう凄さ!
操作性もですが、一番気に入ったのがディスプレイの美しさです。もう圧倒的!
フォントが美しくて書体がそのまま再現されている(これ重要!)のも魅力的でした。
ウィンドウズなんて電光掲示板みたいだものね(笑)

そのマッキントッシュの創業者、スティーブ・ジョブス……。
早々と評伝を元にした作品が公開されました。
公開初日に観に行きましたが、チョッとビックリでした。
こ、こ、こ、これは!まるで一杯道具の優れた三幕の舞台を観ているよう……。
1984年、1988年、1998年……それぞれ「Macintosh」「NeXT Cube」「iMac」の、
新製品の発表の日のステージ裏を舞台とし、オープニングまでの数十分が舞台。
登場人物はほぼ同じで機関銃のような会話劇。年代を経るごとに変わる登場人物の立場と境遇。
メイクと衣装、その他、時代考証がキッチリとなされ、まるで上質の会話劇を見るようでした。
勿論、マイケル・ファスベンダーやケイト・ウィンスレットをはじめとした、
映画界きっての芸達者が揃ったこともありますが、久しぶりに会話劇を堪能しました。
僕は映画でペラペラとテーマや状況説明をされるのは好きではないのです。
オリジナルが戯曲の場合はどうしても台詞が中心になりがちですが、
「絵で見せなよ!」そう思っちゃう口なんです。
でも、これだけ役者が台詞を操る作品を見せられると唸ってしまいます。
やっぱり役者って台詞が粒立たないと……。
劇中に小沢征爾のエピソードが出て来ますが、
素晴らしい俳優たちを思う存分料理し、適材適所、最高の音を出させ、
演奏させたダニー・ボイルの指揮者ぶり。
これだけ素晴らしい俳優を使って映画を撮れる監督冥利ってどんなでしょうね。
アーロン・ソーキンの抜群の脚本も称賛に値します。
チョッと調べたらアーロン・ソーキンは元々、劇作家なんですね。
深く深く納得……首が取れるほど納得しちゃいました。
原作は元にしているけれど、エピソードを集め、再構築した手腕に脱帽です。
この作品……是非、舞台化して欲しいものです。

マイケル・ファスベンダーが素晴らしいです。
「悪の法則」の時、なんて素晴らしい俳優が出て来たんだろうと思いましたが、
端正な顔立ちに加えて粒立つ台詞回し、チョッと鼻にかかった声も魅力的です。
ケイト・ウィンスレット……既に大女優の風格があります。
メリル・ストリープの後に続く2人のケイト、ケイト・ブランシェットと、
そしてこちらのケイト・ウィンスレット。本当に達者だと思います。
脇の地味な役をキッチリこなし、実はスティーブ・ジョブスに仄かな好意を寄せるさまを、
的確な演技で見せてくれます、まさに映画の申し子。



 「私が興味を持つ主人公は、皆、どこか精神的に問題を抱えていることが多いのです……。」

その昔、メリル・ストリープがインタビューに応じて言った答えです。
僕は元になった原作は読んでいませんが、スティーブ・ジョブスも可成の曲者だったようです。

 「どうしてそんなに嫌われようとするんだ?」

そんな台詞も出て来ます。
映画独自の表現方法であるクローズアップの多用、達者な役者たちの素晴らしい台詞回し。
時代を追うごとに変わって行く登場人物たちの衣装やヘア、
カツラやメイクで絶妙な時代感が出ています。全ての要素が結実した圧倒的な映画美!
あまりにエキサイトして1日置いてまた観に行ってしまいました。



パソコンに限らず、何でもそうですが、
便利なツール(道具)って使われてしまってはダメなんです。
冒頭に、アーサー・C・クラークの実写が入ります。
小さなコンピューターが家庭に入り、各人がそれを持つことで、
どれだけ素晴らしい世界が、輝かしい未来が開けるかを説きます……。
アーサー・C・クラークが予言し、スティーブ・ジョブスが実現した世界……。
果たして本当にそれが人間を幸せにしているかは甚だ疑問です。
便利にするハズのツールが人間を退化させていると思うのは僕だけでしょうか。
何でもそうですが、道具は使いこなしてナンボ……そう言うことです。

「スティーブ・ジョブス」……★★★★★★★★……80点。


2016年2月28日


ブノワ。


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コメント

 

似てますねー。

ブノワ。兄さん、ご無沙汰してます。
今日は29日、なんだか妙に得したような気分の1日ですね。気持ち悪いくらい暖かかった昨日から一転、こちらでは午後は雪が舞って心底冷えました。ふう。

以前にもお話ししたかもしれないんですが、自分もずーっとMac一筋だったんですよ。もう20数年前、DTPのセミナーに参加して触ったのが当時クルマと同じくらいの値段だったⅡcxとかⅡciでした。転職してSE30を普段の道具にさせてもらって、中南米の大学での仕事の時には学校を説得してLCを導入してもらったりもして。初期のMacは独特の格好の良さがありましたし、グラフィック関係のデータを扱う時にはMacとそれ以外のPCとは造りも発想も全く違っていましたね。かなり熱心なマッキントッシュ布教者だったと思います。
仕事を離れるとあまりコンピュータには触れないようにしていたんですけど、インターネットの時代になってPCはある種の「どこでもドア」のような役割になりましたよね。自分も帆立貝みたいなiBookでその世界に触れて、今もブログなどを通して「どこでもドア」を毎日開けたり閉めたりしているわけなんですが...ふと気づいたらドアの役割だけだったらそれこそ窓=Windowsでもあまり違いが無いなあ、というのが今の正直な気分。Jobsが居なくなったからというよりも、iPhoneが携帯電話を「スマートフォン」という製品に変えて圧倒的な成功を収めるようになった頃から、なんだか急にAppleという会社に魅力を感じられなくなってしまったんです。過酷な労働環境で大変な数の自殺者を毎年生んでいる工場で低コストで生産されて、何が何だか分からないけど「周りもみんなiPhoneだから...」なんていう理由で消費されて、驚くほど小さく手軽になった「どこでもドア」。電車の走り込んでくるホームでもその世界に入り込んでしまって...とブノワ。さんの前の記事に繋がっちゃんですが、もうそこには自分が昔興奮したMacの世界は無いような気がしています。
でも、自分の知恵を絞って何かしら創造的な作業をしようと思った時には、やっぱり今もMacには一日の長があるのかな、周りの友人でも写真のセンスのいい人などは大概Macを使っていたりするしなぁ...なんて思いつつ、ちょっと天邪鬼的にPC界の大根役者、Microsoft製品としばらくは付き合おうと思ってます。下手に興味を持っちゃうとのめり込んでしまいそうだから、「暖簾に腕押し」という感じのWindowsで遊んでいるくらいが丁度いいんですね(笑)。時々あまりの大根ぶりに腹が立つことも多々ですけど。

この映画、観てみたいです。予告編をちらっと観たんですが、主役の彼の表情、本当に良く似てますね。自信過剰の塊みたいな若い時の目つきなんか、特に。
Jobsが今のApple社を見て、その製品が生まれる過程も含めてどう思うのか、とても興味があります。彼が造り上げたかった世界はこれだったのかなぁ...

harry #sqY8G2vg | URL | 2016/02/29 23:53 | edit

80点!!

ブノワ。さんが80点だなんて…これは観にゆかなくちゃ~!週末からケイトの後ろを混同してしまってて、何度も突っ込まれてますw
昨日のKブランシェットの衣装、羽が重なって小花柄みたいに可憐でいて華やか!色味が他の女優さんと被らず目立ってほんと素敵でした…♪助演でルーニーが穫れず残念でしたけど、私的なハイライトはEモリコーネ氏とJウィリアムス氏、巨匠二人の友情!ジョンが若く見えました~また観にゆこうっと!

かなちょん #2svZrEBc | URL | 2016/03/01 12:15 | edit

似てますよぉ〜っ!(笑)

harryお兄さんへ。
おはようございます。お元気ですか?
こちらこそスッカリご無沙汰しています。
返事が遅くなってゴメンなさいね。年度末で既にバタバタなのです。
そんな訳で閏年と言うことも3月に入ってから気が付きました(苦笑)
暖かくなって来ましたが油断大敵ですね。まだまだ寒の戻りがありますから。
さて、Mac!やっぱりharryさんもですよね!
でも、何だか知らない機種の名前がズラぁ〜っと!(苦笑)
僕のMacは例のカラフルなiMacを意識するようになってからです。
大昔の葉書大のモニターのものと較べると、今のものは、
まるで次の世紀に行っちゃったかのように素晴らしいですよね。
Macintoshはアメリカ、日本、そしてフランスが多いですかね。
フランスなどでは、チョッとお洒落な店には必ずMacが置いてあり、
僕がいつも買いに行くベルト屋なんかMacで会計しています(笑)
独特のデザインが素晴らしいですよね……パッケージも素敵だし。
写真のセンスのいい人はMac……何となく頷いちゃいます。
harryさんも、所謂「道具」を扱う仕事じゃないですか。
だから身に染みてお分かりだと思いますが、
道具は使いこなしてナンボ、人と同じ道具を持ったからって、
同じことが出来るとは限りませんよね。
よく、好きなカメラマンと同じカメラを買う主婦がいますが、
果たして撮れる写真は全くの別物(苦笑)まぁ、満足するポイントが違うんでしょうけど。
そう言えば、僕もその昔は中山律子さんと同じボール持ってはしゃいでいましたっけ(笑)
だからってボウリングが上手くなる訳もないのにね……可愛いものです。
要はセンスと努力?創意工夫ですよね。
大学に入ることではなく、入ってから何を学ぶかみたいな……。
持つことではなく、持ってそれで何を成すかって言うこと。
性能的に劣る道具でも使い方によっては素晴らしいものが出来るし……。
iPhoneですが、ひょんなことから持つようになりましたが、
実はまだ通話をしていないと言う変わり者(笑)
通話しないから「iPhone」じゃなくて「i」なんですよ(爆)
あれば便利だけれど、なくても構わないかなぁと。
今の内に新しい携帯電話に機種変更しておこうと思っているんです。
あれって、本当にサービス終わっちゃうんでしょうか?
映画は是非、ご覧になってみてください。
最高の役者が揃い、それはそれは見事な会話劇になっていますから。
Mac一筋だったharryさんには感慨深いものがあると思いますよ。
そうそう、話しがチョッとそれますが、harryさんが昔勤めていた会社。
友人たちとその話しで持ち切りの2月でした……。
世の中、移り変わりますね……僕らはいい方向に行きたいものです。
寒暖差が激しいです。お身体大切にしてくださいね!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/03/05 08:40 | edit

80点だよっ!

かなちょんへ。
おはよう!メッセージどうもありがとうね。
暖かくなって来たよねぇ……まだ油断は出来ないけどね。
4月前に大雪の年もあったしね(苦笑)
「スティーブ・ジョブス」……是非、見てください。素晴らしいから。
チョッと興奮気味ですからね、80点は甘いかな?
ケイト・ブランシェットは趣味がいいですよね。
いつも自分に合った衣装を着ている。抜群のスタイル……。
アカデミー賞に関しては、メリルがノミネートされていないと、
スッカリ熱が冷める僕ですが、モリコーネは偉大です。
ヨーヨー・マが演奏したモリコーネのアルバム聴いた?
こちらも素晴らしいですよ。まだだったら是非!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/03/05 08:45 | edit

ブノワ。さん、こんばんは。
映画観に行くのは、大好きだったのに、
ここ数年、まったく観てません。
久しぶりに、ケイト・ブランシェットの『キャロル』観に行ってみようかな~と思っています。

おめめ #oWMM.ioY | URL | 2016/03/05 21:50 | edit

是非!

おめめちゃんへ。
おはようございます。外は凄い雨!
お目覚め如何ですか?メッセージどうもありがとう。
おめめちゃん、最近は映画観ていないのね?仕方ないですよね。
そう言う時期もあります。僕も仕事が忙しかった頃は、
全く映画館に行けませんでしたから……。
「キャロル」……是非、時間を作って観に行ってください。
おめめちゃんだったらファッションにまた違った何かを感じるでしょうから。
兎に角、エレガント。洋服は着こなしてナンボですね。

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2016/03/07 07:03 | edit

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