I wish……イントゥ・ザ・ウッズ。 

 

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短い人生において、一人の偉大な女優と同じ時期に生き、
その役者としての活動を目の当たりにし、演技のテクニックを堪能し、
新作を心待ちにしする喜びは計り知れません。
杉村春子さんがそうでした。僕が初めて杉村さんの舞台を観た時には、
既に杉村さんは押しも押されもしない大スター、常に舞台が満席になる人気者でした。
「鹿鳴館」など、再演がなかったものは生憎、観られませんでしたが、
当たり役の殆ど全てをこの目で観られ、日本映画史に燦然と残る、
華々しい映画の名演の数々も名画座などで殆ど観ることが出来ました。
折々にお目にかかり、旅先から便りを戴いたり、楽屋で写真を撮らせて貰ったり、
一ファンとしてはこの上ない幸せ者でした。

さてもう一人。偉大なメリル・ストリープがいます。
テレビシリーズの「ホロコースト」から始まり、
映画デビューの「ジュリア」からズゥ~っと一緒です。
まさに僕の青春時代を一緒に駆け抜けた存在。
 
 「Ms. Streep, I love you so much !」

面と向かって告白しちゃったものね(笑)


多くの俳優が飛ぶ鳥を落とす勢いのキャリアの後、アッと言う間に老け、
輝きも何処へ?整形を繰り返し、まるでロボット、みっともなくなってしまうのに、
メリル・ストリープは全く衰えることを知らない見事な仕事ぶりです。


そのメリル・ストリープの最新作「イントゥ・ザ・ウッズ」を観てきました。

 「I wish……。」

お伽話の主人公たちがそれぞれの願いと目的を持って森の中に入っていきます。
要となるのは子宝に恵まれないお人好しのパン屋夫妻。
そこにお隣に住むメリル・ストリープの魔女が絡みます。
一見、豪華でツボを押さえたキャスト、皆さんお目当ての俳優を観に行く訳だけど、
それぞれの「めでたしめでたし」のハッピーエンドの後に一体何が?……。
大人のお伽話?グリム童話がそうであるように、お伽話って時に残酷なものです。
スターを揃え、人気ミュージカルを一体どんな風に映画化したのか興味津々。

森の中に入るまでの流れは良かったです。
ただ、それ以降は見事に失速。ごくごく低空飛行が繰り返されます。
毒気も笑いも感動も何もない「イントゥ・ザ・ウッズ」。
僕は映画評論家ではないので、俳優の面から語ってみようかな?

パン屋夫婦を演じたジェームズ・コーデンとエミリー・ブラント。
先ずエミリー・ブラントはその美貌と演技力に加えて歌も上手いのね……チョッとビックリ。
天は二物も三物も与えたもう……先に書いたように作品に毒気がないため、
王子さまと森でキスをしたあとに命を落とす下りが、唯一、拍子抜けです。
メリル・ストリープとは「プラダを着た悪魔」以来の共演。
当時、メリルがエミリーを評して「当代、若手で一番の才能の持ち主。」と。
当然です、エミリーの神経症ギリギリのピリピリ演技が、
メリル演ずる鬼編集長をさらに素晴らしく見せているんですから。

ジェームズ・コーデンはなかなか良かったです。
僕、太目の役者ってダメなんですが、人の良さ?暖かみのようなものが滲み出ていていました。
このパン屋夫婦をもっと中心に据えて物語を作らないと……。

プログラムに「究極のコスチューム・プレイヤー」と書かれたジョニー・デップ。
これいいのかねぇ?悪意感じませんか?決して誉め言葉じゃないですね。
だって、ジョニー・デップって普通の役、一切、出来ないんだから(笑)
奇妙きてれつな格好してアイライン入れていないと演技出来ない。
歌もヘタクソ(苦笑)要するに演技も歌もダメって言うことじゃない。
あっ!分かった!だからコスチュームなんだ。
1974年の「星の王子さま」でヘビを演じたボブ・フォッシーや、
キツネを演じたジーン・ワイルダーは、特別、仮装しなくても動きがとてもセクシーでした。
この「イントゥ・ザ・ウッズ」をジョニー・デップ見たさに行った人は頭に来るでしょうね。
だって、スグ死んじゃうんだもの。仕方ないです「赤ずきん」のオオカミなんだから。

赤ずきんと言えば演じたリラ・クロフォード。
全然可愛くない。赤ずきんってそう言うキャラクターでしたっけ?
それに、おブス(笑)チョッと福原愛ちゃんに似ているのね。
あっ!福原愛ちゃんは可愛いと思うけどね。

アナ・ケンドリックのシンデレラ……貧相!(苦笑)
お姫さまに必要な、麗しさとか愛らしさが全く欠如。
なんだか乾きもの?ニシンとかそう言ったものを連想させます。
どうなんでしょう、特別に才能がある女優なのかなぁ……。
悪いけどヒロインを演ずる技量と華はないと見ました。

友人が「可愛い!」と見惚れたクリス・パインの王子様(笑)
僕にはあまり魅力が分かりませんが、「スター・トレック」シリーズとかは好きで見ています。
彼をチョッと見て思ったんだけど、ここ暫く、無精髭がもてはやされていますよね。
公式の場でもこういえ映画の世界でも。まぁ、似合えばいいのか……。

若手が総じてダメなのに対して、ベテランが頑張っていますね。
クリスティーン・バランスキー……オバサンは逞しい!(笑)
ただし、ここでも毒気が足りないの。もっとハチャメチャに継母を演じて欲しかったです。
メリル・ストリープとは「マンマ・ミーア!」以来の共演で、同窓会的な楽しさ。
それからトレーシー・ウルマンの絶叫ね(笑)お決まり芸だけどやってくれています。
恐怖映画で電話の大写し、鳴るぞ鳴るぞと思わせて鳴るじゃないですか、大音量で(笑)
そんな感じね。叫ぶ、叫ぶ、きっと派手に叫ぶと思わせて期待を裏切らない大絶叫。
彼女なんてデビューの頃は「They don't know」みたいに可愛かったんですよ。
僕、シングル盤持っているものね(笑)メリル・ストリープとは「プレンティ」で共演しています


さて、そのメリル・ストリープです。
魔女の役、綺麗でしたねぇ……いえいえ、若さを取り戻した後半よりも、
前半のシワだらけで鳥の巣みたいに逆毛立っている髪の毛の時ね。
もうコワいものはないんですね。どんな姿でも大きなスクリーンに晒しちゃう。
一番最初に魔女の姿をしている写真を見た時に思ったものね……「綺麗!」って。
彼女、順風満帆のようで、一時期コメディーに偏ってチョッと道を逸れました。
「ハリウッドにくちづけ」でアカデミー賞にノミネートされイケルと思ったかな。
「シー・デビル」「永遠に美しく…」……そこそこの面白さとは別で、
女優としての方向性を見失っちゃった。ソフィア・ローレンも言っているように、
人を泣かせるより笑わせる方が難しいのです。
イーストウッドと「マディソン郡の橋」と共演して軌道修正。
今の絶好調に繋がったのは何と言っても「プラダを着た悪魔」なんだと思います。
本来はアンドレアを演じたアン・ハサウェイが主人公のところ、
メリル・ストリープ演じる鬼編集長ミランダのあまりの存在感にどんどん役が膨らみ、
とうとう主役級に……その辺は「サンセット大通り」のグロリア・スワンソンと同じです。
60歳近くになっても美しいことを見せつけ、今の絶好調につながってきました。
この「イントゥ・ザ・ウッズ」で19回目のアカデミー賞ノミネート……。
彼女の勢いはとどまるところを知りません。この先も話題作が目白押しです。


今日の写真は我が家の箸置き(笑)陶器で出来た空豆です。
渋谷のイメージフォーラムの前の陶器屋さんで買いました。
その店もうないのね。チョッと素敵な食器が置いてあったのに残念です。
箸置きの下にはフランスの現代作家、クロード・ヴィアラの作品。
彼はその昔、使い込んで角が丸くなったスポンジの形に魅入られ、
キャンバスや布地にその形を繰り返しパターンにして行きました。
僕の家には大小3作品のヴィアラがあります。何れも団子坂の「ギャラリー五辻」にて購入。

 「I wish……。」

もしかしたら何か見落としているのかも……こんなに詰まらない訳ないもの。
コメディーに徹するでもなく、心地よい毒気を感じるでもなく。
大人のお伽噺?だったらもっともっと毒があって寓意が散りばめられていなければ……。
主役がいないのね。どの役も中途半端で視点が定まらないのかも。
まぁ、ディズニーですから仕方ないか。
もう一回観に行こうか行くまいか。微妙な作品です。


2015年3月26日


ブノワ。


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コメント

 

大人のお伽話なの?

ブノワ。さまこんばんは。

3月もあと僅かですね。大丈夫ですか?無事に4月迎えられそうですか?
(笑) 今夜は会社の研修でホテルに宿泊してます。なかなかいいホテルを予約してくれていたので快適です(笑)普段だとまだ仕事してる時間ですものね。たまにはねぇ〜♪と
寛いでいますよ。さてさてメリルストリープの最新作はずいぶん豪華なキャスティングなんですね!でもブノワ。さまの感想は辛口じゃありませんこと? 4月は少しのんびりできそうなので美術館に行ったり映画を見に行ったりしたいと思っていたんですよ。ブノワ。さまの記事を読んでいたらメリルストリープの魔女が見たくなりました(笑)見に行ってみようかな? ディズニーが作る大人のおとぎ話ねぇ? やっぱり素敵な毒が散りばめられていた方が楽しいですか?

お写真のお箸置きの下の黄色がいい色ですね。以前もお話したと思いますが私黄色はチョット苦手です。でもこの黄色は綺麗だと思います。
春だからかしら? こんな素敵な取り合わせで春のごはんをいただけたら楽しいでしょうね。

rose

rose #Lb0elJ46 | URL | 2015/03/26 22:48 | edit

そら豆とくればビール?

おはようございます。
昨日は陽射しが強く、ヒリヒリするような一日でしたが
さて今日はどうなるでしょう?

相変わらず映画見に出かけていません。
BSプレミアムではそれなりに見ていますがね。
そうこうしているうちに春休み。
今日はこれから、ツインズを千葉のパパ宅へ届けに行きます。
二人は昨夜からハイテンション。
「もう帰ってこなくていいよ~~。そのまま近くの小学校で
お勉強して。」と言えば、
「そうは問屋がおろしませんよ。」と、返事が返ってきました。
良いのか悪いのか分からない生活ですが、
どうにもならんです。

そら豆の箸置きといえば、わが家には錫のそら豆があります。
そら豆にはビールでしょ。そんな季節も間近です。
トープが逝って一月が経ちます。
様々な植物の芽が出てくる季節。トープが目を細めてクンクン匂いを
確かめていたころです。幸せいっぱいの思い出。写真のトープは
永遠に若いですもの。

メリル様の魔女の写真には、感動さえ覚えました。

hibari #O5sb3PEA | URL | 2015/03/27 09:20 | edit

ブノワ。さま
映画にはあまり詳しくない私ですが、アナ・ケンドリックが出て来たので、ちょっとお邪魔してみました(笑)。私もブノワ。さんのおっしゃるとおり、う〜ん、どの辺が才能なのかな〜と思います。でもね、彼女、メイン州の出身ということで、ここでは絶大なるファンが居るんですよ。ほんとに普通の感じの人なんですよね〜。世の中はわからないことがたくさんあります。お邪魔しました。

Yumi #.B2Tf4aM | URL | 2015/03/29 05:26 | edit

こんにちは ブノワ。さん
tその後を描いてるってのが面白そうだし、メリルさん 頑張ってるなって てとこで観に行こうかな? どうかな?ってオもているところ。
「もう一回観に行こうか行くまいか。微妙な作品です。」
観に行ってもいいかなって思わせる作品…でしたか?
とりわけお伽話で毒気が無いってのもねぇ。
先に、見なくてもいい映画を観てしまって週末が潰れたから今週末でも観に行こうかしら。

そうそう、週末にヤス君のビストロ久々に行ってきましたよ。二人ともすっかりシェフとマダム。二人の落ち着いた雰囲気が何よりでした。

シュエット

シュエット #- | URL | 2015/03/31 13:36 | edit

らしいです。

roseさんへ。
おはようございます!お元気ですか?
roseさんも忙しいみたいですねぇ……。
まぁ、働けるうちが花なのかな?頑張らなきゃね。
さて、そうみたい。大人のお伽噺みたいですよ。
久しぶりにオールスターで豪華なキャスティングですよね。
でも、メリルとエミリーが出ていなかったら勿論、観に行きません(笑)
僕、辛口でしたか?(笑)メリルは大好きだけど盲目ではないのです。
中には詰まらない作品もあります。「マーガレット・サッチャー〜」もダメでした。
やっぱり、監督なんですよ、監督。でもね、メリルの場合は、
ダメ監督でもそこそこのクォリティーまで持って行く力はある。
roseさんも時間と気持ちの余裕があったら是非!(笑)
僕も黄色は苦手です。この黄色はいいですけどね。
緑はもっと嫌い(笑)ただし、器の緑は好きで集めています。
そろそろ蕾も上がって来ていますねぇ……。
桜が終わったらアッと言う間に薔薇シーズンですね!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/04/02 06:44 | edit

そら豆とくればビール?……ですよねぇ(笑)

hibariさんへ。
おはようございます。いつもメッセージありがとう!
春休み、鬼の居ぬ間に命の洗濯?(笑)
夫婦水入らずで楽しんでいらっしゃるみたいですね。
倉敷は一回行ってみたい街なんです。大原美術館いらっしゃいました?
僕はこの週末に京都……桜まだ咲いているかしらン?
ビールには空豆ですね。枝豆もいいけれど、
両方とも茹で方が大事です。hibariさん、そう思いませんか?
僕、何事につけても軟らかいのがダメなんです。
自分でキッチリ固めに茹でた空豆と枝豆が好き。
枝豆は塩をタップリ振ります。
写真の中のワンちゃんは永遠に若いけど、
hibariさんもメリルみたいに永遠の若さを手に入れてください。
それには魔法を使わないとダメか……。
旅の記録、楽しみにしています!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/04/02 06:49 | edit

メイン州?

Yumiさんへ。
おはようございます。メッセージ恐縮です。
そうでしたか、メイン州の出身でしたか。
地元のアイドルっていう感じですかね?
綺麗だとは思うんです……ただいかんせん華がない。
王女とかお姫さまに絶対に必要な華。豊かなオーラが欠乏。
きっといい役に巡り会えばもっともっとはじけるでしょうね。
最近はスッカリ観たい映画が少なくなりました。
Yumiさんは映画館に通っていますか?

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/04/02 06:53 | edit

幸せ太り?(笑)

シュエットさんへ。
おはようございます。メッセージどうもです。
このところシュエットさんも精力的に記事をアップしていますね。
なんだか楽しいなぁ……「グランド・ブダペスト・ホテル」!
あれは良かった!僕も大好きですよ。
さて「イントゥ・ザ・ウッズ」……微妙でございました(笑)
時間があって、何も見る作品がなかったら観に行くかも……。
でもそれは僕がメリルを好きだから。作品どうこうじゃありません。
ポスターとかで主演がメリルとジョニー・デップになっているでしょう?
その辺りが「イントゥ・ザ・ウッズ」の全てを表していると思います。
メリルの魔女は助演でこそ輝くんだもの。
やすは元気みたいですね、良かった良かった!
フランス旅行が糧になっているみたいですね。
そうそう、次の記事はシュエットさんのお好きな題材です(笑)
是非、読んでみてくださいね。チョッと長いけどね(爆)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/04/02 07:01 | edit

スターは”華”ですよね~

ブノワ。さん、こんばんは!
久々にこちらにお邪魔します。
『イントゥ・ザ・ウッズ』ちょっと残念な作品でしたね。
最後まで観ていられなかった私が言うのもナンですが(汗)。
『ジュピター』はいかがでしたでしょうか・・・?

憧れのスターに生告白、、、いいですね!
私、実は美智子皇后様が大好きなんです(引かないで下さいね)。
本当に素晴らしい方だと思います。。ジョークがお好きなんだとか。
お会いできたら感動で泣いてしまいそう(あ~、引かないで下さい~)。

桜も満開ですが、こちらはお天気が今ひとつです。
よき週末をお過ごし下さいね♪ 

真紅 #V5.g6cOI | URL | 2015/04/03 22:33 | edit

ですよね〜!

真紅さんへ。
こんにちは。メッセージどうもありがとうございます。
なんだか呼んじゃったみたいでゴメンなさいね。
「イントゥ・ザ・ウッズ」……本当に残念でした。
真紅さんが心地よい眠りの淵に落ちたのがよく分かります(笑)
エミリーが死んだ後は作品自体が抜け殻。
「ジュピター」?……聞かないでくださいね(爆) ミラ・クニス……苦手だわぁ。
チャニング・テイタムももうチョッと身体搾らなきゃ。
さて、美智子皇后!引く?僕が?引きませんとも!
だって、僕も美智子皇后が大好きだから。
あんなに美しい方はいませんよね。沖縄の事件の時に特にそう思いました。
実はね、僕、サントリーホールで美智子さまの横でピアノ聴いたことあるんです!
おっほん!えっへん!どうです、凄いでしょう?
会場内にいやにSPが多いなぁって思っていたら美智子さまが通路を挟んでお隣に……。
満面の笑みをお送りしておきました!お着物姿で物凄いオーラでしたっけ……そうだ!
メリルに告白した時!サントリーホールで「マンマ・ミーア!」の試写会だったんですが、
その時も美智子さまが御一緒でした。2人並んで鑑賞していましたよ。
それって凄い光景ですよね。2人で仲良く喋っていましたよ。
美智子さま、ウチに餃子食べに来ないかしらン。
週末は京都でした。今日は桜散しの冷たい雨……。
春もお仕舞いですかね?真紅さんもお元気で!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/04/08 13:00 | edit

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