砂の器。 

 

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先日「第二回 新・午前10時の映画祭」にて最終上映の「砂の器」を観てきました。
大昔、映画に夢中になりたてのころ、母に「子供が1人で映画館に行っちゃダメ!」
と、言われながら、お小遣いを貯めてこっそりと劇場に通っていた頃。
子供が一人暗闇で見つめる未知の世界、心躍らせるキラ星のようなスターたち……。
もうかれこれ40年前に作品なんですね。当時は何を思って観たのでしょう。
そんなこんな、確かめたくていそいそと行って参りました。

その館内のロビーのチラシ置場で嬉しい知らせが……。
この4月からも引き続き「第三回 新・午前10時の映画祭」が開催されるそうです。
食い入るように上映作品をチェックしました。はぁ……嬉しい!
ざっと、次の作品をリストアップ。再び観たい作品、
何らかの都合でロードショウを見逃していた作品……盛り沢山です。


再びスクリーンで観たい作品は、「リトル・ダンサー」「ライアンの娘」
「エデンの東」「赤ひげ」「新幹線大爆破」「ラストエンペラー」
「オリエント急行殺人事件」「東京物語」……。
「リトル・ダンサー」……ジェイミー・ベルくんはいい俳優になりましたね。
「新幹線大爆破」は先日亡くなった高倉 健の隠れた大傑作です。
「オリエント急行殺人事件」……よくあれだけの大スターを一堂に集めたものです。
1人だけでも1本の映画が出来てしまうくらいの大スターたち。
クリスティーの有名な推理小説を最後まで飽きさせないルメットの手腕。
冒頭のオリエント急行が出発する時の豪華さ、華麗さ……再確認したいです。
「赤ひげ」では敬愛する杉村春子さんの因業婆ぶりを、
「東京物語」では、ギスギスした中年女ぶりを堪能しましょう。
何しろ大女優の杉村さんが日本を代表するオバちゃん女優たちに、
大根で頭を殴られるんですから(笑)これは必見です。
「ライアンの娘」は官能の1本。美しい音楽。北アイルランドの厳しい自然も見物です。
「エデンの東」は僕の青春の1本……ジェームズ・ディーンに憧れたあの頃!
ベージュのニットや真っ赤なブルゾン、リーバイスの501……買いましたよねぇ。
はあ……何回、繰り返し観たことか!懐かしい。

劇場で初めて観る作品は、「八月の鯨」「恋に落ちたシェークスピア」
「ショーシャンクの空に」「死刑台のエレベーター」……かな。
圧倒的にもう一度スクリーンで観直す作品の方が多いですね。
なんでしょうね……若い頃の感動を再確認したいのかな?
作品の感動と言うよりはスターに逢いに……そんな感じかもしれません。

映画字幕翻訳者の戸田奈津子さんがチラシの解説に書いていらっしゃいました。

 「呼び名は同じでも、実質がすっかり変貌してしまった昨今の「映画」……。」。

まったくその通りです。激しく激しく同意(笑)
日本映画が復活したかのように報じられることもいいですが、
アニメ、コミックの原作もの、テレビ局製作の低品質の、
テレビ放映を念頭に置いた映画とは到底呼べない代物……。
どこか、今の映画に言葉では言い表わせない不満を感じているのかもしれません。
何れにせよ、朝10時1回だけの上映……自由業のラッキーを感じずにはいられません。



さて「砂の器」……1974年、松竹+橋本プロダクション製作の刑事映画の傑作です。
監督は野村芳太郎。出演は丹波哲郎、加藤剛、緒方拳、
森田健作、佐分利信、渥美清、島田陽子、山口果林……。
そして終盤のお遍路さんのシーンで場内を感涙の渦に巻き込む加藤嘉さんの演技ね。
あれ、泣かないのは鬼ですね(笑)今回も場内は嗚咽の嵐!僕?泣きませんよ。心で泣くの。
一流のスタッフが集結。皆さん、所謂、いい意味での「映画屋」ですね。
菅野光亮が芥川也寸志の協力で、映画のために「宿命」と言う、
ピアノと管弦楽のための組曲を書いています。何という贅沢!
今、観ると字幕を用いる語り口とかに時代を感じ、センチメンタルに流れるところもありますが、
映画が光り輝いていた時代。重量級の作品が絢を競っていた時代。
役者が誇りを持って映画スターを名乗れた時代の傑作です。

お遍路のシーン。美しい杏の花が咲き乱れるシーンは、
長野県は前の更埴市、森の杏の里で撮影されたと聞きます。
森の杏の里は、亡き母の遠い親戚が温泉宿をやっていたそうです。
一度、友人と杏の里に訪れたことがあるんですよ。
「砂の器」を思い起こし、一面、咲き乱れる杏の花を心に描いていましたが、
残念ながら杏の花はまだまだ固い蕾でした。
当然ですかね、前日、宿泊した軽井沢は雪でしたから(笑)

親子二人で風雪厳しい中を歩くシーンより、
杏が咲き乱れる春の陽光溢れる中、子供に石を投げられ、棒で打ち据えられ、
警官に追い立てられ、親子でお互いに庇いながら歩き去るシーンの対比が素晴らしいです。
一度流れたらもう二度と涙が止まりません。
ハンセン病が映画の中で、特に松竹という大会社の大作の中で語られた、
初めての例でもあります。頭の中はテーマ曲のピアノの旋律が今でも谺しています。

さてさて、先ずは4月から「リトル・ダンサー」で幕開けです!


2015年3月18日


ブノワ。


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category: 映画館へ行こう!

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コメント

 

1974年、今思うと素晴らしい映画が本当に多い時代だったですね。
当時小学5年生くらいでしたけれども、以前にお話ししたように母に連れていかれて
今となってみると「なんでこの作品だったんだろう?」と思うようなものを劇場で観てきました。
パピヨン、タワーリング・インフェルノ、ジャガーノート...で、砂の器も。
加藤嘉さんが、まるで俳優の演技というよりも、何かのドキュメンタリーを観ているような
そんな気になるくらいに惹きつけられてしまったのを覚えています。
あの頃に観た映画の世界から受けた影響は本当に大きかったと思ってます。
恨みをため込むのは良くない、とか、辛くても諦めたらいかんよ、とか(笑

新幹線大爆破もスクリーンで観ましたよ。
千葉真一が妙に血走っていて、可笑しくなっちゃいましたが(笑
自分から出演したいと申し出ただけあって、あの時の健さんは良かったですね。
ああ、「ショーシャンクの空に」も観たいなぁ...
あとでブノワ。さんの感想をじっくり聞かせてくださいね。楽しみにしてます♪

harry #sqY8G2vg | URL | 2015/03/18 23:26 | edit

菅野さん♪

ブノワさんの口から「菅野光亮」さんのお名前が出て、
嬉しくなりました。
良かった。ちゃんと知ってて下さる方、覚えていて下さる方がいらしたと
思ったからです。
乾いた音で、豪快な演奏をする人でした。でも、すっごく繊細で、
笑顔が可愛い人でした。

綾部肇・菅野光亮・美野春樹 私の好きなピアニストです。

mimiha #- | URL | 2015/03/19 10:08 | edit

ブノワ。様
お久しぶりです。昔の名前でお邪魔します(笑)
我がブログもすっかりご無沙汰でして……
先日「イミテーションゲーム」を見に行って、ベネディクト・カンバーバッチ君に久々にときめいて…ブログアップで、そうそうと(ついでじゃないですよ!)こちらにも。
この頃、この時代の映画って、何度見ても、同じシーン見ても、新しく感動が沸いてくる。役者もスクリーンに負けてませんよね~。観るたびに、何かしら新しい発見というか、呼応するものがあって、前回とは違うところで違う感動を覚えたり…
先日、NHK・BSで「炎のランナー」観ました。
コーチがホテルの窓から観た、真ん中に翻るユニオンジャックになぜか感動。
4月は「リトル・ダンサー」ですか。
私、この映画に刺激されて舞台「レイクスワン」見に行きましたものね(笑)
新しい感動、発見がありますように。

シュエット。

シュエット #- | URL | 2015/03/19 15:28 | edit

新潟はグループAなのね。

こんばんわ。新潟の繁華街の映画館でも「第三回 新・午前10時の映
画祭」あるのね。わーい(笑)。いつも行く映画館の近くの映画館で上映
です。万代は新潟市の繁華街です。伊勢丹の近くだから、安心して迷子に
ならないです。

見たい映画いっぱい。慕情も好き。昔、NHK教育テレビで月に一度だ
と思うんだけれど名画を放送していました。子供時代に観ていました。
慕情、ひまわり、子供ながらに涙していました。今はまた違う想いで
見ちゃうと思います。

映画はやっぱり映画館で観るのがいいですね。母も誘って見に行きた
いな~。

杉村さんの「赤ひげ」と「東京物語」観にいきますね。スクリーンで
見られること楽しみにしています。「オリエント急行殺人事件」もしっかり
観ますね。

スナッフィー #pdK/Zy5g | URL | 2015/03/21 21:09 | edit

元気そうですね!

harryさんへ。
おはようございます。早々にメッセージありがとうございます。
「ジャガーノート」!懐かしいですねぇ。面白かったですよね。
あのラストね……大団円じゃないところがまたいい。
あの頃、1973年〜74年って独特の作品が多かったですね。
ハリウッド映画の転換期だったんじゃないかって思うのです。
世相?何となくホンワカしていて、映画にも反映した……。
「アリスの恋」とか「ハリーとトント」とか。1972年はまたチョッと違う。
当時は全席指定じゃなかったから、ヒット作品はすし詰め状態(苦笑)
お立ち見もありましたよね。「エクソシスト」とか「タワーリング・インフェルノ」なんて、
立錐の余地もないくらいに詰め込まれて、帰りは非常口からだもの(笑)
加藤嘉さんって山田五十鈴と一時期結婚していたんですよね……。
あの方も独特の芝居をする人でした。
harryさん、あの頃の僕たちって、ギュッと絞ったスポンジみたいでしたからね。
あらゆるものを吸収していたんじゃないですか?
今はねぇ……死滅して行く灰色の脳細胞ですもんね(涙)
千葉真一の目が血走っていた?(爆)だからきっと名前が千葉真一なんですよ(大爆笑)
「新幹線大爆破」……大コケでしたね。JRの協力が得られなくてね。
撮影が模型だものね、臨場感もへったくれもない。
かたや「タワーリング・インフェルノ」は巨大なセット組んで、
爆破したり水攻めにしたり……質は両方とも高いのに明暗を分けました。
年取ったのかなぁ……とも思うんです。昔を懐かしむ?
映画祭の場内を見回すと年配ばかりなのね。年配って言うよりお年寄りに近い。
自分もその中に入っているんじゃないかって……(笑)
是非、若い世代にも劇場に足を運んでもらいたいなぁ……。
今の映画が映画じゃないことが分かるから。
harryさん、会いたいですね!こっちに来る予定は?
来ないならそっちに押し掛けますからね!(笑)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/03/24 09:33 | edit

いつもありがとう。

mimihaさんへ。
おはようございます、いつもメッセージありがとう。
僕ね、ピアノは結構、苦手なのです(笑)
でも、こうして映画が切っ掛けで色々な人たちを知ることが出来る……。
映画を観続けていて良かったと思う瞬間です。
芸術の連鎖って本当に素敵ですよね。
いいもの、素晴らしい人は後生に語り継がなければいけません。
それも正確にね。ネットに書かれたことがすべて真実じゃないから。
またメッセージ宜しくお願いしますね!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/03/24 09:36 | edit

見てますよ!

シュエットさんへ。
おはようございます。メッセージ、サンキュウです。
シュエットさんのブログ、キチンと毎日〜見ていましたよ。
湯布院からこの方スッカリご無沙汰でねぇ(笑)
でも、最近はマメマメしくて嬉しい限りです。
さて、最近、映画って本当にいいもんだと再認識しています。
観たい映画が全くなくて悶々としていますが、
こうして昔の作品を再びスクリーンで観られることは大歓迎です。
いいことばかりじゃないですけどね……。
昔、感動したのに、再び見て何も感じなかったりとかね。
「炎のランナー」……あれは傑作ね。僕も大好き!
あの年は凄かったですよね。「E.T.」「1900年」「黄昏」……。
ユニオンジャックのシーン覚えていますよ。
非常に映画的な表現でね。映像で見せてくれる醍醐味です。
来月は「リトル・ダンサー」からスタートです。
本当、新しい発見、感動がありますように!
シュエットさんも是非!

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/03/24 09:49 | edit

是非、観てね!

スナッフィーちゃんへ。
おはよう!沢山のメッセージありがとうね。
そうなんだ、グループA……映画館あるのね?(笑)
観てね、観てね!面白い作品目白押しですよ。
杉村さんの「赤ひげ」と「東京物語」は是非!「オリエント急行殺人事件」も!
お母さまと一緒に出掛けられるのもいいところですよね。
今日はね、急遽、休みになったので映画なの。
疲れているんだから家でゆっくり休めばいいのにね。
貧乏性とはこのことか?でも時間勿体ないしね。
記事に出来るような映画だといいな……。

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/03/24 10:12 | edit

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