我がイヴォンヌ・デ・カルロ。 

 

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何なんでしょうね……。
ハッと気が付くと2月になっていました。
特別に忙しいって言う訳ではなかったんですが、
年末年始は胃がキリキリ痛んでズッと家に引きこもり。
6日間、一歩も家からでませんでしたし、
仕事始めからは何となく休みが取れず……。
今年初めて、去年からすると、12月15日に「ゴーン・ガール」観て以来、
まる45日振りに映画に行ってきました。この映画好きの僕が有り得ません!
もっとも、無理をすれば時間を作って映画を観に行けたんでしょうが、
何しろ大人が観る映画がない!アニメかコミックの実写版、
テレビ局製作の安っぽい映画、そんなのばっかり。
ようやく観たい作品が始まったので行って参りました!

リドリー・スコット監督作品「エクソダス・神と王」です。
僕ら、映画ファンからすると「エクソダス」はポール・ニューマンの「栄光への脱出」だし、
でも、何やら坊主頭のアイライン入れた男優が出ているし……なになに?十戒じゃない!
ハリウッドもオリジナルの脚本がなくなったと言われて久しいです。
オリジナルの面白い作品を書くよりも、往年のヒット作をリメイクした方が早い?
このところ目白押しですよね、リメイク作品。
まぁ、リメイクでも何でもいいんです、面白ければ。
そして、リメイクするだけの根拠を見せてくれて、
リメイク版がオリジナルを凌駕していれば……でもね、なかなかないです。
2時間30分……まぁまぁ退屈しないで最後まで観終わりましたが、
何だか心の奥底にムンムンするモヤモヤが……。
劇場を出てその足で隣のタワーレコード」に入り、
買っちゃいました、1956年製作、セシル・B・デミル監督版の「十戒」を。
実はこの「十戒」もデミル監督自身の「十誡」のリメイクなんですね。
僕が初めてリメイク版を観たのは(オリジナルは未見)小学校の時だったかなぁ……。
アッ!勿論、ロードショウじゃありませんからね(笑)
生まれ育った街の洋画のロードショー館で、
「十戒」と「ベン・ハー」を連続して2週間ずつ上映したの。
2作品連続して観てチャールトン・ヘストンに憧れましたっけ(笑)

家に帰り、夕飯を食べてそのまま部屋にこもり、
勢いで観ました、デミル版の「十戒」。そして思いました。
矢張り、オリジナル版の方が数段優れているって……。
約60年前の特撮は、今見てみると陳腐な合成にしか見えないんですが、
要は人間と人間の関係がミッチリこれでもかぁって言うくらいにキッチリ描かれている。
父と子、母と子、夫と妻、兄弟の確執、報われぬ恋に身悶えする女心……。
スタジオで名監督にキッチリ演技をつけられた芝居は手堅いです。
そこへ行くと、最新技術を駆使して描かれたリドリー・スコット版。
洗練されていますね。でも、最近の彼の作品には情熱を感じないの。
何かこう、心を大きく揺さぶられるものを感じないの。
ただコツで淡々と描いているように見えて仕方ない。
「エイリアン」「ブレードランナー」「テルマ&ルイーズ」……あの頃が懐かしいです。
最近では「プロメテウス」なんて言うクソみたいな作品も作っています。
今や巨匠になっちゃっているけど、今一、信用ならないの。

古代エジプトの風景……凄いですね、凄いですね。もう描けないことなんてありませんね。
真っ赤に染まるナイル川、轟音を立てて落ちて来る雹、イナゴやハエやカエルの大群、
素晴らしいエジプトの風景……でもそれに酔っちゃっているんですよねぇ。
上っ面の人間描写。モーゼはヘブライの奴隷の子と分かり、
煩悶する姿なんかどこにも描かれていません。全編にわたって凄くあっさりな描写。
そうそう、紅海はやっぱり2つに割れなきゃねぇ(笑)
潮が引いて海を渡れるなんてダメです。もっとゴージャスに見せてくれないと。
それからモーゼが自分で十戒を石板に掘っていた!有り得ない!(爆)
神が子供の姿を借りて出て来るなんて……二番煎じじゃない?
しかし、リドリー・スコットは史劇が好きですね。
「グラディエーター」の成功で味を占めたかな?
クリスチャン・ベールはいい役者になりました。
「太陽の帝国」の少年ですもんね。今や変幻自在のカメレオン振りを発揮。
ラメシス役のジョエル・エドガートン……初めて見ました。がっ!
デミル版はあのユル・ブリンナーですもんね。格も迫力も美しさも違う!
誰だったかなぁ……僕の女友達がユル・ブリンナー大好きなのね。
もうあのツルッとしてムンムンした感じがたまらないそうです(笑)
最新版は女優陣が全滅でした。何だかシシャモっぽい渇いた女優がゾロゾロ(笑)
何がダメって華が全くない……歴史劇の大作ですよ?
シガニー・ウィーバーどうしちゃったの?かつての輝きは何処に?
やっぱり史劇って言えば美人女優をダァ〜っと並べないといけません、マストです。
デミル版の女優は、大スターこそ出ていませんでしたが、
56年版は、大仰で舞台っぽい芝居のアン・バクスターが、
史劇の大画面にピッタリのねっとりとした外連(けれん)を見せます。
役名のネフェルテリ、宝石のように美しいと謳われた美貌は、
イングリッシュローズにも「Queen Nefertiti」として名前を残します。
その他、ニナ・フォック、マーサ・スコット、デブラ・パジェットが手堅い演技を見せます。


そして、今日のお題……見よ!我がイヴォンヌ・デ・カルロの美しさ!
モーゼがエジプトを追われ、息も絶え絶え流れ着いたオアシスで出会った羊飼いの娘。
綺麗でしょう?僕の美人の基準はイヴォンヌ・デ・カルロなんです。
圧倒的な美しさと確かな演技で抹香臭くなるモーゼの話に華を添えます。
この写真、25年くらい前だったかなぁ……地元の小さな古本屋で見付けました。
クリア・ファイルに入ったスターのサイン入り写真の中にポツンと一枚……ビックリ。
美空ひばりとか鶴田浩二とかね、日本の映画スターに混じって一枚だけ。
日本人だったらまず名前も知らない存在、往年のハリウッドの女優。
僕は「十戒」で一目惚れでしたから即購入。5000円だったかな?
おそらくアメリカの劇場で使われた宣材でしょう。
セピアに退色した美しいポートレートは、
パリで購入したアンティークのゴールドの額縁に入れてあります。
彼女は芸名の通り、どちらかと言うとエキゾチックな役が多く、
従ってメイクもこってりキツ目が多かったのですが、
この写真はナチュラルで彼女の美しさを際立たせています。

小さい頃、天国の母に言ったんですよ……。

 「お母さん、『十戒』のイヴォンヌ・デ・カルロに似ている。」って。

ニコッて笑った母の嬉しそうな顔ね。
その時でした、年上の女性のハートをくすぐる術を知ったのは(笑)


2015年2月6日


ブノワ。


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コメント

 

アン・バクスター。

彼女はほんと巧みな女優さんと思います。
特別の美人でもなく、ごく普通の容姿なのに
ちゃんと印象に残るお芝居をなさる。ただ
「イヴの総て」の役柄がやたら強烈だったので、
高慢で思い上がっていた「十戒」でのあの役も
エジプト王女のイヴかい?なんてね。(笑)

ベールもラムセス役の人も「目ジカラ」欠如。
ブリンナー、ヘストンだけじゃなく昔の俳優の
目ん玉パワーは凄いものでしたでしょ。
特にブリンナーは凛として声も良かったし。

与えられることが当たり前になっている今、
ふやけた人間ばかり増殖してますもん、
ハングリー精神なんかどこ吹く風ですもん、
ベテラン鑑賞人の鑑賞に耐える映画なんか
到底期待できません。私たちは、もう
優れたものを観過ぎるほど観てきたんですよ。

vivajiji #kzLu3bv6 | URL | 2015/02/06 21:19 | edit

ブノワ。さん、こんにちは。

…え、そうなんですか。結構楽しみにしてたんですけど。
イヴォンヌ・デ・カルロ、美しいですね。エジプトが中東の西洋と呼ばれた30年以上前のエジプト女性もこんな感じでした。
私が初めて上陸したころもまだ、Aラインのワンピースにふわっとしたヘアスタイルのまつ毛バサバサ美女が沢山いましたが、イスラムスタイル流行になってつまらない世の中になりました。60以上のハイソな奥様方がよくこぼしています。こんなつまんない締め付けられた世の中になっちゃって…イランもエジプトも王政時代は良かった…
ナイルに沈む真っ赤で大きな太陽は古代と変わらないはずですが、時代は大きく変わりました。

aoi #mOfJUoS. | URL | 2015/02/07 17:08 | edit

奇跡の人

ぶのわ。さんこんばんは。
もうず~~~っと映画見ていません。
暮れに観たい映画がありました。ユーロスペースでやっていた「フランシス
HA」と言う映画だったと思う。トープを置いていけないのよ。結局見損なった。今も狙いをつけてる映画はあるの。「クリストファー・プラマーとシャーリ・マクレーン」が出る映画。「Bunkamura」のラインナップも気になってるし。

でもとにかく、人の手を借りないと起き上がれないトープが、一生懸命生涯を全うしようと頑張っている間は、目が離せない。あの子が声を失ってもうかなりたちます。気配をかんじるくらいの距離にいないと、起き上がろうとしてパニック起こすの。抱き上げて落ち着かせてやると、そのうち肩に顔を寄せてくるの。愛おしくてね。もうがりがりにやせこけて。
ま、その話は言いや。

私ね、目の演技で忘れられないのは「奇跡の人」のパティ・デューク。
目を開きながら、物が見えない演技をするって大変なことですよ。
だって、目に力が入ったらいけないんだもの。
顔を少し上げて、手で探っていくのね。その時も顔は動かないの。
手で触りながら、相手がどんな人間か確かめる。自分の前や周辺に何があるか探っていくの。

なんといってもあの映画の凄いのは、サリバン先生を相手に、食事のマナーの悪いへレンが暴れまわるシーン。猛獣のようなヘレン。
サリバンを演じたアン・バンクロフト名演技でした。アカデミー賞の主演女優に輝いたのですもの。

ヘレンが言葉を獲得して、家族のきずなを一気に取り戻すシーンは感動的でした。
中学生時代に「奇跡の人」に出会えたのは幸運でした。あの映画は
今でも私のNO.1です。

hibari #je3d584. | URL | 2015/02/07 19:11 | edit

チョッとビックリ。

jiji姐へ。
おはようございます。メッセージどうもありがとう。
そちらはどんな感じですか?雪は?まっこと寒ぅございます。
さて、まさかjiji姐も「ゴーン・ガール」以来?
スッカリ劇場から足が遠のき、浦島太郎みたいになっていますが、
いそいそと行ってきました「エクソダス」……で、内容は思った通り。
アン・バクスターですが、チョッと調べてみてビックリ。
彼女、「イヴの総て」と「十戒」以外は殆どテレビの人なのね。
「十戒」の後、スグにテレビに移行した……何故?
「イヴの総て」は本当に凄い映画でしたね。
最後も素敵。ベティ・デイビスも貫禄でねぇ……。
「ラムセス役の人」って、姐さん、名前覚える気ないんでしょう?(笑)
70年代からごくごく普通のアンちゃん&おネエちゃんがスクリーンを闊歩。
それが当たり前になって久しいですが、
昔の普通のアンちゃんもおネエちゃんも個性はありましたよね。
大きなお星さまだった。そんな彼等が枯れて来て脇を固める今、
主役を張る役者の貧相なことここに極まれり……です。
ブリンナーの毛有り写真見てぶっ飛びましたが(笑)
「十戒」の時は脇毛剃っていましたね……それもビックリ。
ベテラン鑑賞人かぁ(笑)もうそんなお年頃なんですね。
でもね、いいものは沢山観て来た。それだけは誇れるし、
誰にも負けない財産だと思うんです。いい時代でした。
ところで、jiji姐は3Dはお好き?大丈夫?
何だか飛び出す下敷きみたいに見えた今回でした(笑)

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/02/08 10:12 | edit

だって……。

aoiさんへ。
おはようございます。立春過ぎた東京です。
そちらの様子はどんな感じですか?楽しく毎日送っていますか?
メッセージどうもありがとう。楽しみにしていた?
だって、リドリー・スコットですよ(笑)僕は半信半疑でした。
この前「プロメテウス」って言うハナクソみたいな映画撮ったでしょう?
「エイリアン」の前日譚、しかも監督がリドリー・スコット!タイトルも素晴らしい!
主演がシャーリーズ・セロン、マイケル・ファスベンダー……。
それなのにゴミ箱に入れたくなるような映画撮った……信頼ゼロです。
しかも!続編がありそうな終わり方って一体!(笑)
「エクソダス」……そちらで公開されるとしたらどんな感じ?
カットとかされるのかな?声は吹き替え?
時代は変わりますね。もしかしたら良くない方に?
世の中、便利になると同時に失ったものも多いですね。
昔を懐かしむ……いい意味でしたいものです。

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/02/08 10:33 | edit

今が大事。

hibariさんへ。
おはようございます、いつもメッセージありがとう。
映画、観ていませんか?いいじゃないですか、映画なんていつでも観られます。
それよりも今の時間が大事でしょう?一番、大事で愛おしい時間。
長く続くように願っていますからね。hibariさんも元気出して。
僕ね、長いこと映画観ていますけどね、縁がなかったっていうか、
「奇跡の人」は観ていないんですよ。舞台は観ましたけどね。
アン・バンクロフトがメル・ブルックスの奥さまって聞いた時は驚いたなぁ。
いい女優でしたね。大きくて芝居が的確でね。
生涯の映画ってありますよね……僕は何だろう。
そうそう「エクソダス」観てムンムンしちゃって、
「十戒」と「ベンジャミン・バトン」と「ディア・ハンター」のDVD買ったの。
「ディア・ハンター」は僕の生涯の1本かな。何回劇場で観ただろう。
長尺だから1日に3回しかやらないのね。当時は入れ替えせいじゃなかったでしょう?
お弁当持って1日暗い場内で過ごしました(笑)
「ソフィーの選択」「エデンの東」「サンセット大通り」……とかね。
今度ゆっくり映画の話したいですね。女優の話とかね。

ブノワ。

ブノワ。 #- | URL | 2015/02/08 10:41 | edit

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