僕はこう言う映画が観たい。 

 

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ポッカリと空いた平日の午後……。
1人でプラリと恵比寿に出掛け、前から気になっていた「たかが世界の終わり」を観て来ました。
「恵比寿ガーデンシネマ」のシネマ1、200円プラスでプライベートシートです。
この劇場は観やすい上に、ロビーとかが個性的で好きです。
プライベートシートもたった200円でチョッと贅沢な気分……また使わせて貰おうっと!
さて、このところ観たお気に入りの作品などをチョッと……。




「新午前10時の映画祭」で観た「山の郵便配達」……初見です。
これ、いいですね。何も起こらないのね……突風で郵便物が飛ぶくらい(笑)
中国の山間部で郵便配達をしている父親が膝の故障で引退を余儀なくされ、
代わって息子が跡を継ぐために、1回だけ2人で2泊3日の旅に出ると言うもの。
大きな事件は何も起こりません。息子の仄かな恋もあるけれど、特撮ゼロ。
ただただ、黙々と2人の郵便配達の旅が描かれているだけ……。
ところが、これが面白い!息子は父の仕事ぶりを見て大きく父への気持ちが変わります。
自分は父に好かれていないのではないかと思っていたのです。
黙々と山を歩き、郵便を配達する父。村、村で出会う人たちからの尊敬。
仕事に対する自信と誇り……息子は父の背中を見ながら学びます。
父も、どこか母親ッ子である息子を寂しく思いながら、
冷たい川を渡る時に息子に背負われ、その逞しくなった大きな背中に涙します。
僕たち観客も、時に息子になり、父になり、色々なことを映画から学びます。
昨今のバカみたいな特撮一辺倒で人間が描かれていない映画にはウンザリ。
久し振りに心が洗われるようでした。
勿論、父と息子の役者が好演。次男坊と言う名の犬の名演!
動物と子供には敵わないってよく言ったものです(笑)

「山の郵便配達」……★★★★★★★……70点。



同じく「新午前10時の映画祭」から「初恋のきた道」。
これはロードショウの時に観ていますので2回目ね。
まだチャン・ツィイーが小娘だったころの(笑)ほぼデビュー作。
監督がチャン・イーモーですから。物語らせたら格別なものがあります。
こちらも「山の郵便配達」と一緒で、山間の村に赴任して来た青年教師に対する、
村の娘ディのひたすらな恋心しか描かれていません。
肩と言うよりも胸から走るチャン・ツィイー(笑)
雄大な大自然の中で、少女のひたむきな恋心が熱いです。
実は、この映画の中でもう一回どうしても見てみたかったシーンがあったんです。
僕は今、金継ぎを習っていますが、幾つかある器の直し方の中の、
「鎹(かすがい)継ぎ」を実際にするシーンが出て来るんです。
少女が赴任して来た青年教師のために餃子を作って持って行くシーンがあります。
食事に来ると言う約束をしていたのに、青年教師が、その思想ゆえ、街に呼び出されたと聞いて、
作ってあった餃子を大きめの茶碗に入れ、皿で蓋をして、
走り去る馬車を追いかけて必死に走る際、転んで茶碗を割ってしまうのです。
娘の気持ちを知った盲目の母が、行商に来ていた茶碗を直す行商に茶碗と継いで貰います。
そこがどうしてもも一回見てみたかったんです。
村人総出で新築なった小学校の壁面には「知識是祖国的武器」の文字が。
僕は中国語は出来ませんが、そこは漢字の凄いところ。
意味は、「知識は祖国の武器です」……そんなところでしょうか。
時代は文化大革命の前です。こうして小さな子供の教育の現場から叩き上げるのです。
ボンヤリお人好しな日本人には到底敵わない……そうも思わせる作品でもあります。

「初恋のきた道」……★★★★★★……60点。



早くも今年のナンバーワンか……「たかが世界の終わり」。
随分と舞台がかった作品だなぁ……と思って観ていましたが、
実はこの作品、元は戯曲なんですね。なぁ〜るほど、やっぱり!
若くして成功した作家、ルイが、自らの残り少ない寿命を家族に告げるため、
12年振りに故郷に帰って来ます……そして帰るまでの半日の物語。
まぁ、兎に角、豪華な配役です。主人公ルイにギャスパー・ウリエル。
なんて美しい顔の持ち主なんでしょう……。
その母マルティーヌににナタリー・バイ、兄アントワーヌにヴァンサン・カッセル。
兄嫁カトリーヌに今をときめくマリオン・コティヤール。
妹シュザンヌにレア・セドゥ……5人しか出て来ません。
12年の空白を埋めようと必死な母、真っ青なアイシャドウとネイルが痛々しいです。
相変わらず攻撃的で劣等感の塊の兄。口を開けば相手を攻撃する辛辣な言葉の羅列。
妹は物心ついて以来の兄の帰宅に戸惑いを隠せません。
お互いがお互いのキズに塩をなすり付けるかのような言葉の応酬です。
そして、ブラッド・ピットをして「宝石」と言わしめたマリオン・コティヤールは、
ルイと初対面ながら、唯一、家族の中で1人だけ仲間外れの身上から、ルイの身上に共感し、
そして、ついにはルイが告白することの出来なかった秘密、
12年振りに帰京した本当の理由に気付いてしまいます。
大詰めの嵐のような台詞のやり取りが終わった後のルイとカトリーヌの、
台詞のない心の通った仕草、ルイが唇に人差し指を当てるシーンが秀逸です。
このシーンだけでも見る価値あり。そして、二度と戻らぬ実家の扉を閉めた後、
床のカーペットのアップと、紛れ込んで来た小鳥の息絶えるシーンの寓意……。
グザヴィエ・ドラン……初めて観ました。
今年度のグラミー賞で5冠なったアデルの「Hello」の、
プロモーション・ビデオも彼の作品ですよね……これからが楽しみ!

「たかが世界の終わり」……★★★★★★★★……80点。



 「僕、こんなことも描けるんだよ!」

技術を競って何が何でもCGで描くことの虚しさ。
派手な銃撃戦、カーアクション、宇宙でのバトル、爆発、崩壊……。
人の心を打つものってそんなことじゃないんですよ。
最近、飽き、飽きしていたので、シンプルで力強いメッセージを持つこれらの作品に大感激。
やっぱり映画はこうでなくっちゃ!僕が観たい映画はまさにこう言う映画!


2017年2月19日


ブノワ。


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「沈黙」に沈黙す。 

 

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今日の写真……まだフィルム・カメラを持って歩き回っていた頃、
パリは「MUSÉE DE CLUNY Musée national du Moyen Âge/クリニュー美術館」で撮りました。
こちらの美術館はタピストリーの「貴婦人と一角獣」とかが有名ですよね。
非常に素晴らしい美術館で、中世、特にキリスト教美術に興味ある人にはたまりません。
このキリスト像……人気のない部屋にこつ然と現れました……こつ然と現れたって言うのはおかしいかな……。
部屋に入ったら午後の溢れる陽射しの中にひっそりと置かれていたのです。
確かタイトルは「Jesus waiting for death」……だったかな?
僕の他には誰もいませんでした。像は等身大くらい?可成り大きかったように思います。
おそらくダヴィデ像のように、下から見上げる位置に置かれることを念頭に作られたのではないでしょうか。
目のトリックですね。上半身、頭の方が比率で言うと大きくなっています。
ハッとしました……フと後ろを見ると、丁度、窓の格子が十字架のように見えます。
先日、写真は「光と構図」だと書きましたが、被写体を決めたら画面を作ることも必要です。

 「おぉ……これは!」

跪き、ペッタンと床に座り、這いつくばるようにして撮ったのが今日の写真です。
デジタルだとその場で確認が出来ますが、何しろフィルム・カメラですからね。
帰って現像してベタ焼きが出来上がるまでドキドキだった記憶があります。
ベタ焼きを受け取り、欣喜雀躍とはこのことを言うのでしょうね……凄く嬉しかった覚えがあります。
写真と撮り続けて長いこと経ちますが、思い通りに撮られた写真はこれのみです。
多分、この先もこれだけの写真は撮れないんじゃないでしょうか。


さて、スコセッシの新作「沈黙・サイレンス」を観て来ました。
先日、「早稲田松竹」において、スコセッシの「沈黙・サイレンス」の公開を記念して、
スコセッシの「タクシードライバー」と「ギャング・オブ・ニューヨーク」、
それから、遠藤周作が原作の「海と毒薬」それから篠田正浩版の、
1971年の「沈黙・サイレンス」を観たばかりです。そう、お勉強しないとね。
新作の公開に合わせて旧作を上映してくれた「早稲田松竹」に感謝、感謝です。


映画に魅せられた中学時代……。
欧米の映画を観るには、キリスト教とユダヤの問題を知らないといけない……。
そう思い立ち、当時はインターネットなどと言う便利なものがなかったため、
本屋で購入したのが新書判の「キリスト教」だったでしょうか。
先ず、1ページ目から分からなかったのね。未だに分からない(苦笑)
Wikipediaで「キリスト」と「キリスト教」を開いて読んでも分からない……。
キリスト教に限らず、宗教って、人間の究極の理想、あり方って一つだと思うのだけれど、
なぜにこうも宗派が多く、しかも、いがみ合っているのか甚だ疑問です。
未だに謎が多いです。この作品を観たキリスト教徒の方々はどんな感想を抱くのか興味津々です。
信心深い教徒が、ある日、神の不在に思い至り、疑問を持ち、煩悶する姿に傑作が多いです。
「処女の泉」とかね、高校時代に観てまるっきり分からなかったイングマール・ベルイマンの作品群や、
聖書に出て来る人々や、聖職者が主人公のもの、数限りなくあります。
キリストが主人公となると、どうしてもスペクタクルの色合いが多くなりますね。
「ベン・ハー」のように、作品のクォリティー共々超弩級の作品もあります。

神の不在……全くの無心論者の僕には上っ面しか理解出来ないです。
この世に生まれ落ちてから一つの宗教によって育てられて来た人にとっては、
その神が本当はいないのではないか?……そう思い至った時の衝撃は想像に難くありません。

アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、
浅野忠信、イッセー尾形、窪塚洋介……役者陣が素晴らしい演技をしていました。
日本版でフェレイラを演じた丹波哲郎みたいに、大詰めでビックリ仰天なんて言うこともなかったし(笑)
だって、どう見ても、引っ繰り返って見ても、丹波哲郎はポルトガル人には見えないでしょう?
「日本沈没」の田所博士かと思っちゃった(爆)
スコセッシってあまり好みの監督ではないのだけれど、
若かりしころのイタリア系の重量級のパワー炸裂の作品が懐かしいです。

「沈黙 SILENCE」(篠田正浩版)……★★★★☆……45点。
「沈黙 SILENCE」(スコセッシ版)……★★★★★☆……55点。


2017年2月17日


ブノワ。


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君の名は。 

 

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 「Boop-boop-a-doop! 」

マリリン・モンローが「お熱いのが好き」で歌った、
「I Wanna be loved by you」の中の一節です。
マドンナは初期の代表曲の「Like a Virgin」や「Material Girl」において、
以降の彼女の特徴となるベビー・ボイスをふんだんに聞かせてくれます。
今や女性のベビー・ボイス……いやいや、アニメ声は日本国中に蔓延し、
とっくに若くもない女性までアニメ声で話しをする姿を多く見掛けます。


僕……苦手です(苦笑)
先日も、時間潰しにプラリと立ち寄った「GU」の会計のカウンターの女性……。
4人が揃いも揃ってアニメ声でした。全身が総毛立つほど気色悪いです。
本人たちはそれなりに練習とかをしたのでしょうか?
自分では可愛いと思っている?イケてると思ってる?
いい年をしたオバサンがアニメ声……卒倒するくらいに気持ち悪いです(笑)

男のアニメ・ヘアは一時期ほど見掛けなくなりました。
まるでアニメの主人公のようにツンツンに固められた髪型……。
ホラ、一昔前のストレート・パーマのプラスチックの板に貼付けたみたいな髪(笑)
本人たちは格好いいと思っているのでしょうね。
女性は知らないと思いますが、駅とかの男子トイレの惨状(笑)
用を足すと言うよりも、鏡に向かって半ばウットリとしながら、
髪の毛のセットに余念がない男をよく見掛けます。
若者だけではありません。可成りの年配までね(アニメ・ヘアじゃないけど。)
いいんですよ、身だしなみに気を遣うのはね。
でもね、髪の毛にそれだけ気を遣って他が疎かでどうするの?
ツンツルテンのスーツ、踵の片側だけが猛烈にすり減った靴……。
何事もバランスです。バランスの悪いものに美しさはないもの。


さて、新年早々に意を決してアニメを観に行きました。
他に観たい作品がなかったって言うのもあるけれど、
1人では気持ちが挫けるので(笑)親友を誘って大ヒット作「君の名は。」の鑑賞です。

 「君の名は?」

 「氏家真知子です……。」

……の、世代の僕ですから(笑)
僕は基本的にアニメに対しては厳しいです。でも、観てから言わなくっちゃね。
見ないで批評もへったくれもないから。
アニメってゼロから全てを描き上げる訳でしょう?
その割には(表現的に)想像力が乏しい作品が多いと思うのね。
特に最近の作品では、実写にデジタル加工をしたカットが多いのでは?
「君の名は。」でも風景とかにそのような描写が多く見られましたよね?
それが何?って言われちゃうと身も蓋もないんだけれど……。
例えば、絵画の世界のスーパーリアリズム表現……。
なぜ、写真ではいけないの?それを絵画で表現する意味とは?
僕はそう思うのね。人の手で描き上げられたものの中に、
写真のリアリズムとは違った何かをしのばせなければ意味がありません。
人の手による絵画ならではの何がしかがあって初めて芸術になるんです。
アニメもそう、実写で、優れた俳優の演技で表現出来るのになぜアニメにする?
それもこれも見てみないと分からない……そう思っての一大決心でした。
去年だったかな?全てデジタルで描かれた「ペット」を観てやっぱりガッカリ。
もうこの手の作品は二度と見ないと決めたのですが、
「君の名は。」は何しろ興行収入200億円を軽く突破の作品です。
チョッと話題に出すと、廻りの友人たちは皆、既に観ていたりします(苦笑)
映画好きの僕が観ない訳には行かない……相変わらずの超満員の劇場で、
フと思ったんです。自問自答したんです……僕はなぜここまでアニメを毛嫌いするのかって。
嫌いなんですよ……アニメの吹き替えに多く見られるアニメ声が(苦笑)
女の主人公の甘ったるい声も苦手ですが、男の主人公の画一化された発声も嫌い。
ハイハイ、分かっていますよ。声優の皆さん、それぞれに個性も特徴もあります。
でも、総じて女の登場人物は甘ったるいアニメ声ですよね?
その登場人物になりきったかのように、現実世界の女性もアニメ声……虫唾が走るんです。



「君の名は。」……確かによく出来ていました。
他のアニメを観ていませんから較べることは出来ないのだけれど、
この手の時間軸を行ったり来たりする物語にありがちな辻褄の合わなさもそれほど感じないしね。
ただねぇ……やっぱり、大ヒットと作品の出来は比例しませんね。
男女が入れ替わる設定は今までにも沢山あったし、
何と言っても、実写で大林宣彦の「転校生」があります。
アニメの何でも描ける利点をもってなくしても、
実写で俳優が少年少女の心の機微を十分に演じきった青春映画の傑作の例が。
実写で出来ることをアニメで見なくても良い……僕はそう思います。

「君の名は。」は今や若者のバイブルだそうです。
作画のモデルになった場所は「聖地巡礼」と称して大人気だそうです。
少し前まで、若者の生まれてから一番の感動作は「タイタニック」だったそうですが、
今や「君の名は。」って言うところでしょうかね。

「君の名は。」……★★★★……40点。
これでも結構、甘いです。


2017年2月12日


ブノワ。


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学びの場。 

 

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僕の人生においての学びの場は映画館でした。
学校においては勉強らしいことは何一つして来ませんでしたが、
物心付くようになってから通い詰めた映画館の暗闇でどれだけのことを学んだか……。
特に、今では数えるほどに減ってしまった名画座……。
名画座の暗闇で学んだことは枚挙にいとまがありません。

惜しまれつつ閉館した「八重洲スター座」「銀座並木座」
「高田馬場パール座」「三軒茶屋シネマ」「三軒茶屋映画」など……。
特に「銀座並木座」では往年の日本映画全盛期の作品を。
「八重洲スター座」では1950年代から70年代までの、ハリウッドの最も力強い映画の数々を……。
学ぶという感覚はなしに楽しみながら自然に身に付けて行きました。
映画に感謝、感謝!名画座に感謝、感謝です。

今は僕が行く名画座はめっきり減ってしまいましたが、
そんな中、お気に入りの「早稲田松竹」にて「タクシー・ドライバー」と、
「ギャング・オブ・ニューヨーク」の2本立てを観てきました。
1月21日から新作「沈黙・サイレンス」が公開された、
マーチン・スコセッシと、原作の遠藤周作を特集しての上映、
近年稀に見る粋な企画に場内は満席、久しぶりに熱気溢れる名画座に感激ひとしおです。


「タクシー・ドライバー」はティーンの時に観て衝撃を受け、
以降、主演のロバート・デ・ニーロに傾倒する切っ掛けとなった作品です。
「ゴッドファーザー PART II」「タクシードライバー」「1900年」
「ディア・ハンター」「レイジング・ブル」辺りがキャリアの最盛期と思うと、
その後の40年近くはどうしちゃったのと、チョッと寂しくも思うけど……。
バーナード・ハーマンのサントラ版を擦り切れるくらい聴き、オリジナル・ポスターを買い……。
その後のスコセッシ×デ・ニーロのコンビの「レイジング・ブル」は、
映画、演劇人のバイブルとも言われる作品で、実際にその職業を体験してみたり、
極度に体重を増やしたり髪の毛を剃ったり、抜いたり……その役作りのアプローチは、
友人の俳優くんたちに言わせると、いまだにデ・ニーロの呪縛はあるそうです。
そうそう、当時、お熱だったジョディ・フォスターが出ていることも書いておかなければ……。
好きだったんですよねぇ……少女時代のジョディ・フォスター。
勿論、羽田で貰ったサインは僕の宝物ね。

「キング・オブ・ニューヨーク」は、丁度、仕事が忙しくなり、
なかなか映画が見られなくなった空白の20年の作品です。
こう言う珍しい作品が映画館のスクリーンで観られることに感謝、感謝です。
いい役者だとは重いうつつ、ダニエル・デイ・ルイスとレオナルド・ディカプリオって苦手です。
この作品の素晴らしいキャメロン・ディアスを見るにつけ、
つくづく役者って素材なんだなぁと変な感心しきり。
そう言えば、スコセッシってチョッと残酷な描写が多い監督でしたっけね。

名画座もこのような素晴らしい企画でプログラムを組めば、
連日お立ち見が出るくらいの大盛況になるんですね。
館内の熱気が凄かったです。家でDVDなんか観ていないで、
映画館でキチンと映画を観ましょう!


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写真は一昨年の秋に訪れたパリは、シネマテークで開催されていた、
マーチン・スコセッシの懐古展を見に行った時に撮りました。
夥しい数の資料で構成された展覧会は、内外の映画ファン、
スコセッシの研究者で溢れていて、こちらも物凄い熱気。
見てお分かりの通り、スコセッシにとって、デ・ニーロとディカプリオって、
作品を撮って行く上での素晴らしい刺激を貰えた俳優なんですね。
普通、監督って女優にそれを求めますが、なかなか珍しいスコセッシのケースです。

「タクシードライバー」……★★★★★★★☆……75点。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」……★★★★★☆……55点。


2017年1月31日


ブノワ。


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フローレンス・フォスター・ジェンキンス。 

 

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 「アナタ、チェロなんか邪道よっ!
  クラシックの華はピアノと声楽よっ!」

僕の長年の大親友(一番古いかも……。)でゲイのMが、
クラシック、特にチェロに目覚めた僕に、
引っ繰り返るような甲高い声で言い放った(笑)
彼は目から鼻に抜けるように頭が切れるのだけど、
僕からは頭抜けて変人の評価を貰っている。兎に角、本物の変り者、
辞書で「変」と引くと名前が載っていそうなくらい(笑)

そのMが、ある日「これ聴いてみて。」と1本のカセットテープを僕に手渡してきた。

 「何だろう……。」

……訝しく思いつつ、家に帰って聴いてみると……。

超絶ヘタクソな「夜の女王のアリア」がスピーカーから流れてきた。

文字通り、息も絶え絶え、絶叫ともつかぬ歌声は、
音程どころかリズム感の欠片もない代物……。
伴奏のピアノがテクニシャンで、テンポが歌の息の都合で、
上がったり下がったりするに難なく合わせてる(笑)
間奏では、それまでイライラしながら歌のテンポに合わせて弾いていた、
ピアノが正しいテンポで軽快にリズムを刻みます……。
暫し、絶句した後、ははぁ~んと思い当たったのは、
オペラ好きで「夜の女王のアリア」好きのMがピアニストを雇い、
スタジオで録音したものに違いない(笑)
そこまでやるか、そんなにこのアリアが好き?(爆)
コロラトゥーラの超絶難曲をどうにか歌い終えたあと、
どちらからともなく沸き上がるMとピアニストの笑い声……。

この笑い声さえなければ、この録音は、かの有名な歌姫、
フローレンス・フォスター・ジェンキンスの「夜の女王のアリア」そのものでした。
そのフローレンス・フォスター・ジェンキンスの晩年をメリル・ストリープが演じた、
「マダム・フローレンス!夢見るふたり」を初日と1日おいて3日の2回観てきました。
しかしこのタイトル……口にするのもイヤじゃ!センスの欠片もない(苦笑)



監督スティーブン・フリアーズで映画化されると聞き、
大層楽しみにしていた作品です。劇中で歌を披露することが多いメリル・ストリープですが、
今回ばかりは勝手が違います。いくら実在のヘタクソな歌手の役とは言え、
歌う楽曲はオペラのアリア、「ラクメ」や「鳥のように」……。
中でも最も難曲とされるモーツァルトの「魔笛」の中の、
「夜の女王のアリア」をメインで歌わなくてはなりません。
先ずは、いかにヘタクソに似せて歌うかではなくて、
キチンと歌えるようにレッスンを受けてから、
フローレンスだったらどのように歌うかを考えて崩して行ったそうです。
聴いている内に、ひょっとしたら完璧に歌える?そう思わせるくらいの歌唱力。

ヒュー・グラントが暖かくフローレンスを見守るシンクレアを好演。
「シング・シング・シング」で華麗なステップを見せます。
「モーリス」から約30年、いい役者になりました。
こう言う洒脱な役者っていませんよね。演じて出来るものじゃないし。

ピアノ伴奏のサイモン・ヘルバーグ……。
有り得ないくらいの超絶音痴のフローレンスに実際に接するうちに、
共感し、自らの夢に重ね合わせて共に活動するコズメを好演。
もしかするとアカデミー賞の助演賞も夢ではありません。

ただチョッと残念だったのは、監督のスティーブン・フリアーズのキレが今一だったこと。
往年の「グリフターズ/詐欺師たち」や「危険な関係」などを思い出すに付け、
そう思わざるを得ません……チョッと残念。

「マダム・フローレンス!夢見るふたり」……★★★★☆……45点。


今日の写真は僕のコレクションから……。
グレッグ・ゴーマン撮影のメリル・ストリープ(部分)。とても美しいです。
メリル・ストリープ本人は、フランス人の写真家、
ブリジット・ラコンブが撮ったポートレートがお気に入りですが、
僕はグレッグゴーマンとアニー・リーボヴィッツが撮ったポートレートが好き。
メリルが顔に砥の粉を塗って両手で顔の皮膚を引っ張っているポートレート。
この写真、アニー・リーボヴィッツの個展が新宿の三越で開催された時、
エージェントに幾らで手に入るか聞いて貰ったんです。
確か80万円弱とか……泣く泣く断念しました。勿論デパート価格と言うこともあるけれど、
既に美術館入りしている彼女の作品です。それに、欲しいからと言って、
1枚だけプリントする訳にはいかないんです。彼女みたいな大御所の場合、
1作品に付き、15枚から25枚プリントをしてエディションを付けます。
中には、ジャンルー・シーフみたいに図録から好きな写真を選び、
1枚だけプリントしてくれる作家もいますけど……。

そう言えば、ハーブ・リッツにお目に掛かった時、
「メリル・ストリープの写真は撮らないんですか?」と、聞いたところ、
「彼女は近くに住んでいるからいつか撮るよ。」そう答えていたのが懐かしいです。
バブルの終わりの頃、チョッと背伸びをすれば、ブルース・ウェバー、マイケル・ケンナ……。
まだまだオリジナル・プリントに手が届いたいい時代でした。
今や美術館に入っちゃってマルが一つ違うものねぇ……。



2016年12月28日


ブノワ。


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「ローグ・ワン」……地味ぃ〜なもう一つのスター・ウォーズ物語。 

 

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やっぱり早く観たいものねぇ……。
仕事を2件、とっとと片付けて、家に荷物を置いて行ってまいりました。
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のレイトショー。
僕がレイトショーに行くのは非常に珍しいです。帰宅は午前様。
「ローグ・ワン」は「スター・ウォーズ」シリーズの3作目と4作目の間、
4作目の冒頭でレイア姫からデス・スターの設計図を託されたR2D2が出てくるんですが、
その設計図を反乱軍が帝国軍から奪い取るまでの物語です。
「スター・ウォーズ」のスピンオフ?
前日潭ともチョッと違う2作品の隙間を埋める作品です。


先ず、簡単に言ってしまうと面白くないの。
何でしょう……キャラクターに魅力がないんです。皆さん地味ぃ〜っ!(笑)
未来感?宇宙感を出すため?キャラクターの風変わりな名前が一々覚えにくいです。
いいじゃない、リチャードとかウィリアムで(笑)
星の名前、街の名前……聞き慣れなくて1回では覚えられません(苦笑)
黒澤明の「七人の侍」ではありませんが、主人公ジン(何故また女性が主人公?)
反乱軍の戦士キャシアン、ジェダで道を共にすることになった盲目のチアルートとベイズ。
帝国軍のパイロットのボーディー……そしてドロイドのK-2SO。
6人が一丸となり、反乱軍の勇士が加わってデス・スターの設計図の奪取と相なります。
ピーター・カッシングなど、既に亡くなっている俳優もいますが、
似ている俳優を特殊メイク+CGで甦らせ、
ダースベーダーとか、超人気のキャラクターも登場します。
……だけど面白くない。

ラスト、例の回顧録で40年前の不倫を告白して顰蹙を買った女優が出てきます。
(名前、書きたくない。)勿論、ご本人は大層お年を召しているので、
似ている女優にそっくりメークを施しての登場です。
顔を見た途端、何だかイヤぁな気分になっちゃった……。
大昔の不倫を告白してまで本を売りたい?やっぱり金かい(苦笑)
相手のハリソン・フォードの気持ちは?ベッドの中のあれこれを書かれて、
彼の今の家族はどう思うのか?「スター・ウォーズ」のファンだって何だか気色悪く感じるんじゃない?
寝屋のことは墓場まで持って行かなくちゃ……。
この手の告白や暴露をする人って最低、お下劣極まりないと思うのだけど、
もっとも女優としては4流だから(笑)40年の年月を経て、映画化されないと言われていた、
「スター・ウォーズ」シリーズの7~9作が映画化されると決まり、
最後に一花咲かせてオマケに暴露本を出版して、一稼ぎしようと思ったに違いありません。
女優としては4流だけど、文才はあるのか?
メリル・ストリープとシャーリー・マクレーンの「ハリウッドにくちずけ」の原作は、
彼女が母親のデビー・レイノルズとの確執を書いた「Postcards from the Edge」だし……。
もっともこちらも母親と自分のことを暴露した自叙伝。今回もそう。
ま、ロクでもないことは確かで、こんなゲス女と関わらない方が身のため。
来年に公開を予定されている「スター・ウォーズ」の8作目が、
何やら興味半減になったのは否めません(苦笑)
しかし芸能人って自分の不幸や病気、出産、離婚……。
あらゆるものを切り売りしてまで露出したいと思う悲しい性が笑えます。
僕が好きになる俳優や歌手はそれがないなぁ……だからいいのかも。

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今日の1枚は、とうとう全100号の半分まで配本された、
ベッドを暴露されちゃったハリソン・フォード演じるハン・ソロの愛機、
ミレニアム・ファルコン号のオマケ、創刊から20号まで続けると漏れなく貰える、
ダースベーダーのフィギュア。こちらもあの手この手で購買者を増やそうと躍起です。
因みに僕はフィギュアを集める趣味はありませんので念のため(笑)
あと、約50号の配本は、振込み用紙を取り出すためにだけ開けますが、
あとは全く手を付けていません(笑)100号揃ったら一気に作るつもり。
制作の様子を伝えるブログでも開設しようかしらン?(笑)

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」……★★★★☆……45点。


2016年12月22日


ブノワ。


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怒り。 

 

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楽しみにしていた映画「怒り」を初日に鑑賞……。
久しぶりに重厚で見応えある作品に出会えて何だかとても嬉しかったです。
監督の李相日は「許されざる者」の監督なんですね……。

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数年前の北海道旅行の時に、大雪山の麓のロケ地を訪れたことが懐かしいです。
頬を刺す冷たい空気、昇る朝日に身も引き締まる思いがしたものです。


東京、八王子で起きた残虐な夫婦殺人事件……。
その1年後に3つの場所に現れた正体不明の3人の青年。
何事もなく平穏な生活の中に投げ込まれた1粒の石……。
その小さな波紋が徐々に大きくなり、幾重にも重なり合って見事な模様を描き出します。
3人の青年を縦糸に、関わる人々の人間関係を緯糸に、
一流の演技陣、非常に高度な今井 剛の編集と、素晴らしい坂本龍一の音楽とともに、
重厚で分厚いゴブラン織りのような圧倒的な作品に仕上がっていました。

主要キャストの見事なアンサンブルの演技の中で、千葉篇の渡辺 謙は扇の要。
どっしりとした存在感は唯一無二です。
好き嫌いはあるけれど、娘の愛子を演じた宮﨑あおいの素を丸出しにしたピュアな演技。
安っぽい髪留め、ロングヘアの先に茶髪が残り……役作りの造形も見事でした。
愛子の恋人を演じた松山ケンイチは、世間から身を隠さなければならない暗い過去を言葉少なに表現。
沖縄のパートでは泉を演じた広瀬すずが体当たりで汚れ役を熱演……彼女、大きくバケるかも。
放浪人、田中を演じた森山未來の人懐こさと狂気、発する汗の匂いがこの映画の中の唯一のアクセントです。
泉を慕う辰也の佐久本 宝……オーディションからだそうです、恐るべし。
東京篇の綾野 剛って初めていい役者だと思いました……。
妻夫木 聡が演じる恋人、優馬に疑念を抱かせる秘密を持った青年、直人の陰を好演。
その妻夫木 聡はいい役者になりましたねぇ……。
デビュー作「ウォーターボーイズ」の初日のこと、
親友に誘われて劇場に朝一で並んだ僕たち……フと後ろを見てみれば、
ダァ〜ッと並んだ長蛇の列に男は僕1人だったことを思い出します(苦笑)
彼を嫌う人は殆どいないんじゃないでしょうか……好青年の鏡みたい。
優馬が失ったもの……その大きさは計り知れません……。
千葉、沖縄、東京……正体不明の青年たちの素性が明らかになるにつれ、事件の謎も明かされて来ます。

人を受け入れることの難しさ、そしてもっともっと難しい許すと言う気持ち。
容易く心に芽生える疑念、人生で一番大事なものを失った時の暗渠……。
今年の賞レースを独占することは必定、近年、稀に見る必見の作品です。

「怒り」……★★★★★★★☆……75点。


2016年9月23日


ブノワ。


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匂いが希薄な「後妻業の女」。 

 

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楽しみにしていた「後妻業の女」……観てまいりました。
最近、流行のアニメ、コミックの実写版、
食指がまったく動かない日本映画の中で、
久しぶりに何やら面白そうな予感……がしましたから。
仕事の合間を縫って駆け付けた劇場は、
中高年の観客で埋まり(どちらかと言うとお年寄りが多い……。)
僕なんか一番ヤングな部類(笑)ここ、劇場は日本橋ですからね、
都心を離れたらどんな客層なんでしょう……。


さて、舞台は大阪……。
今や老いも若きも日本国中をあげて「婚活」真っ盛りと言われています。
僕はこの「○○活」って言う言葉が大嫌い(苦笑)……ま、そこは置いといて。
武内小夜子(大竹しのぶ)は結婚相談所の柏木 享(豊川悦司)と組んで、
高齢で資産家の男を狙って「後妻業」をしています。
老い先短い資産家の男と結婚し、早々に死んで貰い遺産を手中に……。
時には間接的な殺人をも厭いません。あっけらかんと平然と、
全く罪の意識のない女と被害にあった男、
そしてその家族、探偵などを巻き込んでのコメディです。

先ず、一番強く感じたのは、大阪の匂いが稀薄だと言うこと。
不思議です。大阪(関西)出身の俳優を多用しているのに、
意外なほどあっさりな感じ……僕らが勝手に想像する大阪のギトギト、
コテコテ感や、バイタリティー豊かな「大阪」が感じられないのです。
人間臭さ、汗臭さみたいなもの?裏社会に生きる人間たちのえげつなさ……。
そんなものが全く感じられませんでした。

スピルバーグの「宇宙戦争」の時に、
世界各国に襲来した宇宙人を、大阪だけが撃退したと伝わるシーンがあります。
この時、ネット上では「大阪のオバちゃんが竹槍で宇宙人を撃退した」……。
そうまことしやかに噂が流れ、大いに笑ったものです。
いかにも大阪のオバちゃんならやってくれそう(笑)
大阪のオバちゃんを表すのにピッタリではありませんか。
そんな勝手なイメージもあってか、サラっとした「大阪」の表現に拍子抜けでした。
それって、やっぱり昔と今の役者の質の違いなのかな?そうも思います。
往年の左 幸子なんかがやったら凄かったでしょうねぇ……。

豊川悦司……いかにも影の社会で暗躍してそうな感じの男を好演。
この人の持っている匂いでしょうか……良く生かされていたと思います。
伊武雅刀、森本レオ、六平直政、津川雅彦……小夜子に騙される男を演じて妙でした。
長谷川京子、尾野真千子は騙された男の娘をそれぞれのキャラクターで演じわけ、
とりわけ尾野真千子は気丈な性格で小夜子と渡り合い、
大竹しのぶとお決まりのくんずほぐれつの大バトルを見せてくれます。
ただし、この女同士のバトルって何もこの映画に限ったことではありません。
映画、演劇の歴史の昔から、快挙にいとまがないほどの名場面あり。
「通天閣どころやない……スカイツリーや!」の笑福亭鶴瓶師匠は勿体ない使い方……。
この方は非常にに達者な方、もうすこし演技のしどころが欲しかったと思うのです。
小夜子を演じた大竹しのぶ……僕、この方の芝居は苦手なのです。
「事件」の時に法廷で「Sexですっ!」と絶叫する芝居から何も変わっていない。
芝居は達者だと思うのだけど、それ以上でもそれ以下でもない。
日本の女優の中ではピカイチと言われていますが、何かもう一つピンと来ません。
どうして皆さんこぞっていつも大絶賛なのか理由が分かりません。
舞台「ピアフ」の時もそう。彼女ならこうするだろうと言う範囲での驚きしかないの。
その大竹しのぶが一番凄かったのは貴志祐介原作、森田芳光監督の、
「黒い家」です。これは凄かった……原作も傑作でしたが、
感情が全くない殺人鬼を大竹しのぶが熱演。
この時ばかりは、なんて凄い女優なんだろう……そう思ったものですが、
「後妻業の女」に関しては並の出来……かな。

「後妻業の女」……★★★★☆……45点。


2016年9月16日


ブノワ。


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人生、最初で最後……「ペット」。 

 

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ふふふ……自ら禁を破りました(笑)
春先から劇場で見るようになった予告編……。
何だか面白そうでねぇ……。
友人を誘って3人で行って参りました……「ペット」。
何で1人で行かないのか?って?
うふふ……だって詰まらなかったらイヤじゃないですか。
不幸の輪は広げないとね(笑)

昔は映画の予告編って嫌いだったんです。
早く本編見せなよっ!……って。
でも、これから公開される作品を選ぶ時に有効なのかなぁ……って。
予告編なのに非常に優れたものもあるしね。
下手をすると本編よりも面白い予告編もある。
「レイダース/失われた聖櫃」なんて、例の黄金の像を、
同じ重さの砂袋とすり替えて巨大な岩が転がってくるシーン……。
てっきりクライマックスだろうと勝手に思い込んでいたら、
な、な、な、何と冒頭の掴みのシーンだった……なぁ〜んてね。

「ペット」の予告編で気に入っちゃったのは、
飼い主が出掛けた後、留守中のペットたちの生態の点描……。
これが笑えたんですよ。声が出ちゃうくらいに笑った(笑)
特にプードルのレナード(笑)レナード・バーンスタインが名前の由来であろうこの犬、
ゲイの飼い主が出て行った途端に尖った鼻先でステレオのスイッチを入れ、
ヘビメタをかけてヘッドバンキングするの……凄いですよね、
これだけで、CG、アニメ嫌いの偏屈なオジサンを劇場に呼び寄せるんだから(笑)
ヘッドバンキングって言えば、かの昔、今はなきテアトル東京のシネラマで、
ポール・マッカートニーの「ロックショウ」だったかな?観た時に、
ガッラガラの場内で、目を凝らしてみたら最前列でたった1人、
強烈にヘッドバンキングしているヤツがいた……あの巨大スクリーンの最前列で(苦笑)

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オマケに900円もするフィギュア付きの特製の入れ物?でコーラ買っちゃったし(笑)


作品的には、後からして思えば可もなく不可もなし。
主人公の犬のマックスがひょんなことから保健所に捕まりそうになり、
命からがら脱出した後は、飛んで火に入る夏の虫、
今度はペット虐待を根に持つウサギが率いる地下組織に追われることになり……。
ごくごく平均の域を出ない出来栄えでした。CGのアニメはもういいかな?
一度、経験したしね。ブノワ。さん、二の轍は踏みません。


写真はフィギュア付きのドリンクの上の部分を外したもの。
友人のを巻き上げました(笑)僕が選んだのはデブ猫のクロエ。
友人が選んだのは主人公の犬、マックスね。
クロエが赤いレーザー光線に過剰反応するところ……笑ったなぁ。

「ペット」……★★★★……40点。


2016年8月23日


ブノワ。


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「シン・ゴジラ」の居心地悪さ。 

 

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結構、好きなのです……この手の映画。
ビルが壊されたり……所謂、特撮もの?「サンダーバード」とかね。
ま、とっくにオヤジだけど、気持ちはお子ちゃまのままなんですね(笑)

公開2日目に親友と観て参りました……「シン・ゴジラ」。
日本版のゴジラ映画としては12年ぶり、通算29作目になります。
シリーズと言っても続き物ではないので、その都度のストーリー展開を楽しみにします。
子供の頃によく観ました……勿論、第一作目の「ゴジラ」は生まれていないので、
テレビにて鑑賞。子供心に恐ろしくてねぇ……。
あとはゴジラが宇宙に行って「シェ~っ!」したり、スッカリ漫画になってしまいましたね。


さてさて、今回の「シン・ゴジラ」……僕的には先ずタイトルが「?」(笑)
「新」だか「神」だか「真」だか何だか知らないけど大いに違和感あり。
キャスト総勢328人?だそうですが、でもそれが何?
めぼしい演技派の俳優はおそらく同時期に撮影の「64」に持っていかれています。
有り得ないくらいにリアリティーのないキャスティング。
石原さとみが日本をルーツに持つ米国政府のエージェント、
後は女性大統領になりたいだと?……全くリアリティーなし。
余 貴美子はいい女優ですが、彼女の防衛大臣は有り得ません。
日本のコンピューター・グラフィックスが格段の進歩を見せているのに、
役者陣のリアリティーがゼロと言うのがチョッと……。
余談だけれど、監督の樋口真嗣は「ローレライ」の監督ですね?
あの当時の日本のCGによる特撮を考えたら隔世の感ではないでしょうか。
CGの格段の進歩、ゴジラを初めてフルCGで描くのはいいんだけど、
あのゴジラの幼獣の造形は何?(笑)ガマクジラみたいじゃん。
あまりのヒドさにドキドキしちゃったじゃない(笑)
ありゃないわ、これまた漫画。幼獣もそうだし、成獣もそうなんだけど、
目が死んでいるのね。全く動かないピンポン球に丸い点みたいな目……。
懐中電灯が当たった瞬間に光彩が閉じるリアリティ……。
その一点で、既に抜群だった恐竜のリアリティーにさらに血が通うんです。
「ジュラシック・ワールド」を見習いましょう。


映画、演劇において、僕が最も忌み嫌うのは、字幕であれこれ説明されること。
演劇においても最近はスライドやモニターで肝心要を説明されることが多いです。
身体動かせよ!台詞でキチンと言いなさいよ!
今回の「シン・ゴジラ」も、役名や肩書きがその都度ウルサイくらいにスーパーインポーズ。
曰く「内閣官房長官付き○○」とか「陸軍参謀長官○○」とか……。
耳慣れない漢字ばかりの字幕……途中で突っ掛かります。
読み直している内に画面が変わっちゃう……勘弁して欲しいです。
画面に異物が挿入されると必ず目がそちらに行くのは人間の本能ですから。
別にいいんです。ゴジラ対人間、主だった役だけ名前が分かれば。
一々読ませても、余計な情報が頭の中で渦巻くだけで、何の利点もなし。
リアリティーを追求した画面だからこそ、登場人物のリアルさに欠けるところが居心地悪いです。

ゴジラの定義付けも微妙です。
単なる「悪の権化、巨大生物」として描くか、
はたまた今回のように「ゴジラ=核実験の産物 vs 日本」として描くか……。
「ゴジラ」の第一作は非常にシンプルで良かったです。
核実験によって生まれたゴジラはある意味で人類の被害者でもあり、
圧倒的な存在感と恐怖……恐怖の化身……それでいいんだと思います。
東日本大震災以降、頻繁に言われるようになった日本の危機管理問題。
ゴジラが出現したことにより表面化する問題の数々。
何をするにも法の整備、立法が先ずありき……テーマは今ですね。
でも、何故ゴジラに絡める?国連が日本の首都東京を核攻撃することを認める?有り得ませんって。
大体、放射能の光線を口と背中から吐きまくって、
体内のエネルギーを使い果たしたら2週間も固まったままお休みって一体!(苦笑)
どこかのコンセントに繋がっていたのかい?(笑)

公開に合わせてハリウッド版の「ゴジラ」(2作目)をテレビ放映していましたね。
ゴジラに対する怪獣ムートーは漫画だったけれど、矢張り、作り方、見せ方としては、
シンプルで一枚も二枚も上手です。ビキニ諸島の原爆実験を、
実はゴジラを退治するための攻撃だったって描くなんて目からウロコでした。
ハリウッド版の次作には、モスラとラドンとキングギドラが出るって?!
「シン・ゴジラ」の何やら思わせ振りなラスト……こちらも続編を作る気満々ですね。

インターネットでチョッと検索すると、あるわあるわ「シン・ゴジラ」大絶賛の大合唱。
総監督が「ヱヴァンゲリヲン」を撮ったからだかなんだか知らないけど、
この作られた組織的な大絶賛にはウンザリです。何やら気味が悪いし居心地悪い。



写真は日比谷シャンテ前のゴジラ像。これ、いい形ですねぇ。
周りのあれこれ余分なものを写さないように撮ると、
自ずとゴジラの尻のアップになっちゃいます(笑)
この写真、結構気に入っているのヨン。既に友人3人にデータあげているのです。
やっぱりこう言う写真を見ると、重たくても一眼レフは持ち歩きたいです。
スマートフォンのあの豆粒のようなレンズではこれは無理!(苦笑)


「シン・ゴジラ」……★★★★☆……45点。


2016年8月19日


ブノワ。


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