おねぎとピーマンでコングとパッセンジャー。 

 

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おねぎとピーマン、映画会社の試写室から出て来る……。
おねぎ、興奮冷めやらぬ顔で。ピーマンは顔を赤く上気させて。
2人の会話は間髪置かず、お互いの台詞の最後にチョッとだけ被さるように、
また、立て板に水、油紙に火が点いたように早口で喋ること……。
イメージは舞台役者がツバを飛ばしながら喋るような勢いで……。

P 「チョッとぉ!!!!!!」
O 「な、な、な、なんなのよぉ、ピーマン、コワい顔しちゃってさ。
   まんまキングコングじゃない!がはは!」
P 「ねぇ、おねぎ、お願いだからやめてくれない?」
O 「あら何が?」
P 「アナタ、上映中に絶叫したでしょう!」
O 「がはは!……アレね?だってコワかったんですもの。」
P 「アレね?じゃないわよ、がはは!じゃないわよ。館内に響き渡っていたわよ!
   もう本当に恥ずかしくて、アタシ穴があったら入りたかったわ。」
O 「あら、勝手に入りゃぁいいじゃないの。
   アタシなんて平気よ。皆だってコワくてそれどころじゃなかったハズよ。」
P 「あら、そんなことないと思うわ。皆、こっち振り向いていたもの!」
O 「あら!皆って誰よ、言ってご覧なさい!」
P 「Y川さんにKのおばちゃま、Mの晴郎もこっち見ていたわよ!」
O 「だって、本当にコワかったんですもの……あのクモ!」
P 「あら、アタシはやっぱりトカゲがコワかったわ。」
O 「アナタ、ピーマン、あのトカゲ前脚しきゃないのよ!」
P 「足がない?!アタシ、コワくて指の間からしか見てないからよく分からなかったわ。」
O 「なにカマトトぶってんのよっ!目ぇ見開いて見てたじゃないの!」
P 「あはは!バレたか。アレってさ、やっぱり地獄の底から現われた幽霊トカゲなのよっ!キぇぇぇぇっ!」
O 「アタシたちなんてスグに食べられちゃって一巻の終わりね!」
P 「あら大丈夫よ。アタシたちって見るからに不味そうじゃない?(笑)」
O 「がはは!でもさ、今って何でも描けちゃうのね。」
P 「そうよ、アタシたちの時代ってレイ・ハリーハウゼンのコマ撮りか着ぐるみじゃない?」
O 「凄いわよね。アタシ『ジュラシック・パーク』の時に、
   懐中電灯でティラノサウルスの虹彩が閉じた時はビックラしたもの。」
P 「アタシなんてオシッコちびりそうになったわ。」
O 「あらイヤだ、ピーマン、ちびるだなんてお下品な(笑)」
P 「ねぇ、それよりさ、やっぱりキングコングっていつも人間の味方なのよね?」
O 「そうよ、じゃなきゃお話が成り立たないじゃないの。」
P 「でも、今回のヒロインはブリー・ラーソンだったわね。」
O 「チョッと美女と野獣って訳には行かなかったけど……。」
P 「よく出たわよね、アカデミー賞受賞の後でさ。アナタ、主演女優賞よぉ。」
O 「カメラマンって言うのがいかにもって感じだったけど、
   軽々しく絶叫せずに感じ良かったじゃないの。」
P 「でも、ビックリばかりしてないで、もっと写真撮らなきゃダメよねぇ。
   報道カメラマンなんだから(笑)」
O 「今までの絶叫女優や、この手の冒険映画に付き物の、
   書き割りみたいな魅力もこそも全くないペラペラな女優より良かったわ。」
P 「あら、書き割りみたいな女優って誰よ、言って御覧なさいよ。」
O 「フン!言える訳ないじゃないの。あるのよ、色々と大人の事情が。
   アタシだって一応、映画業界人だし。」
P 「フェイ・レイは古すぎるからジェシカ・ラングかしら……。」
O 「あら、ジェシカはオスカー獲ったじゃないの。」
P 「じゃあ、ナオミ・ワッツ?」
O 「違うわよ!ナオミ・ワッツは結構、演技派よ。
   『レイダース』シリーズのケイト・キャプショーとかアリソン・ドゥーディよっ!」
P 「あはは、結局、名前言っちゃったわね(笑)
   アタシ、アリソン・ドゥーディなんて三流女優知らないわ。
   大体、スピルバーグって女優の趣味悪いから。」
O 「あら、三流ってことは知ってんじゃないの(笑)」
P 「でもさ、ケイト・キャプショーはスピルバーグの奥さんに納まったわよ……。」
O 「凄いわよね、一発逆転満塁ホームランって感じ?(笑)やるわよねぇ。
   アタシも絶叫女優やって誰かの玉の輿に乗ろうかしら?」
P 「フン!アナタは無理。「ギぇぇぇぇ~っ!」って絶叫して御覧なさい。
   キングコングの相手役の怪獣に大抜擢よ、ネギラとかさ……がはは!」
O 「三流って言えばさ、何なの?あの中国の貧相な女優。」
P 「あら、仕方ないのよ。今回、中国の資本が入ったんだもの。」
O 「あら、だからってあんな女優を使うわけ?」
P 「だって、アナタ、今更、コン・リーとかチャン・ツィイーって訳行かないじゃないの。
   ミシェル・ヨーが出てきたらどうすんのよ(苦笑)」
O 「まぁ、確かにね……ワイヤーで空飛ばれても困るか。」
P 「仕方ないのよ、大人の事情よ。だからアタシは大人になりたくないのよ……。」
O 「ブァッカねぇ。アナタとっくに大人を通り越してババアじゃないの!」
P 「オダマリ、おねぎ!アタシがババアならアナタもババアよっ!」

O 「ねぇ、ところでトムはどうだった?」
P 「あのさ、何なのよ、トムって!呼び捨てにしたりして。アナタのお友達なの?」
O 「あら、違うわ。いいじゃないの、そんなことどうでも。」
P 「アタシはトムだったらベレンジャーがいいわ。」
O 「あら、ハンクスもクルーズもいるのに?アタシはトムだったらハーディがいいわ……。」
P 「あっ!トム・ハーディ……遠い目になっゃうわね(笑)
   でもアタシはやっぱりトム・ベレンジャーがいいの。
   観たのよ、若い頃に『百人劇場』でトムのスタンレーを!」
O 「あら、アタシだって観たわよ!最前列で!『欲望という名の電車』!確かに素敵だったわよね。
   Tシャツ脱いでさ、パウダーを脇の下に掛けるじゃない?
   アタシ、漂って来るパウダーを大きな深呼吸で全部吸ったわ!
   あの時さ、トムって映画化でスタンレーやりたかったんだって。」
P 「あら、アナタって本当に変態ね(苦笑)でも、何でおねぎがそんなこと知ってんのさ。」
O 「だって、トムから直接聞いたんだもの。おほほ!
   でね、その時、映画化権を持っていたのがスタローンだったんだって!」
P 「きぇぇぇぇぇぇぇぇ〜っ!『ブランチ〜ぃ!』じゃなくって、
   『エイドリア〜ンっ!』って叫んでいた方がお似合いよねぇ(苦笑)」
P 「でも、皆、年取ったわね……あのトムもこのトムもそこのトムも。」
O 「仕方ないわよ、アタシたちだって立派なババアなんだから……。」
P 「ところで、これってさ、続編があるじゃない?」
O 「あるある!エンドクレジット見ないで帰っちゃった人には分からない、あはは!」
P 「アレって、アレでしょう?」
O 「そうよ、アレよ(笑)」
OP「東宝はボロ儲けね!(苦笑)

2人は近くのビストロに席を移し、
シャンパンで乾杯した後、今度は2日前にロードショーで観た映画の話しになった。

O 「ところでピーマン、アナタ御覧になった?」
P 「アレでしょ?」
O 「そう、アレ『パッセンジャー』!
   アタシ、好きよ。ラストなんか、まんまアダムとイブじゃない。」
P 「あら、アタシも好き。アタシのクリスが出ているし。」
O 「ホラ、始まった。アナタの所有物って沢山いるのね。アタシはジェニファーが好き。」
P 「あら、アンタだって一緒じゃないの。何がジェニファーよ。
   アタシなんか『マネーボール』の時からクリスに目ぇ付けてたんだから。
   それに、アナタ、最初、ジェニファーを見た時に『あんぱん女優』って言ったじゃない。」
O 「あら、アタシそんなこと言ったかしら?」
P 「言ったわよ!得意技ね。都合が悪いとスグに忘れたフリ。」
O 「いいのよいいのよ、そんなこと。顔が丸くたって大女優は沢山いるわ。」
P 「あら、誰よ。3人以上言って御覧なさい!」
O 「フン!言えるわよ!えっと、えっと……あっ!クローデット・コルベール、
   山口淑子、京マチ子、高峰秀子……山口百恵だって顔丸いわ!」
P 「うぅ~ん、古い!いつの時代よぉ!」
O 「だけどさ、この映画ってほぼ2人しきゃ出ないじゃない?」
P 「そうっ!今、一番売れている証明よね。」
O 「適度に裸も出るし、見た?クリスのお尻!
   ジェニファー・ローレンスなんてファッションショーみたいだったじゃない。」
P 「でもさ、クリス・プラットみたいな男と2人きりで宇宙船で過ごすなんて素敵よねぇ……。」
O 「バカね!クリスがアナタを選ぶ訳ないじゃない!」
P 「そっか、カプセルに布掛けられたりして、がはは!
   でもさ、こう言う時ってアタシたち女のことはどうでもいいのね」
O 「当たり前じゃないの、だって、女は敵ですものぉ!(笑)
   ま、それはいいとして、ラスト、手に汗握らなかった?」
P 「握った!握った!」
O 「結局さ、絵空事なんだけど、たまにはいいわよね。」
P 「うん、たまにはいい。アタシたちに一番欠けているのはファンタジーだから、がはは!」
OP「そうよ、夢も希望もないのよ!アタシたちって、因果だねぇ……。」




年度末の忙しい日々でしたけど、
時間を見付けてはマメマメしく映画館に通っていました。
家でゆっくりしていれば身体も休まるのだけど、明日への活力!
泳いでいないと死んでしまう鰹よろしく映画館の暗闇へ……。


「キングコング髑髏島の巨神」……。
サービス精神満点、見所、満載の娯楽作でした。違う意味での続編も出来ますね。
アレらの素材をどうやって料理するのかハリウッドのお手並み拝見……と、行きますか。

「キングコング 髑髏島の巨神」…………★★★★★…………50点。

僕のジェニファーと大好きなクリス・プラットが共演の「パッセンジャー」……。
ほぼ2人しか出て来ません。あとはドロイドのバーテンダーくらい。
幾ら技師だって宇宙船をあれこれ弄れる訳がないと思いつつ、
そこは映画の御都合主義。存分に楽しませて貰いました。
ジム(クリス・プラット)がオーロラ(ジェニファー・ローレンス)を見詰めて言います。
「君は夢のように美しい!」……本当にそうなんです。
ジェニファー・ローレンス……好きだわぁ(笑)
まさに2人とも今が一番美しい真っ盛りかも。
楽しく最後まで見られたので……。

「パッセンジャー」……★★★★★……50点。


2017年4月1日


ブノワ。


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待てば海路の日和あり……映画は映画館で! 

 

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子供時代から映画の魔力に魅せられて……。
早、何年でしょうか……就職した当時は年間250本観ていました。
それが数年間、続いたかな……ロードショー、試写会、名画座……。
映画を観る環境も整っていましたしね……。
だけど、次第に仕事が忙しくなり、映画館が遠のき名画座も激減しました……。
映画の上映もフィルムからデジタルへ当たり前のように移行し、

 「映画はフィルムじゃなくっちゃ!」

……なぁ〜んて青臭いことを言っていたのが懐かしいです。

さて、映画は僕の人生の教科書。それは前にも書きましたが、
一つだけ、自分に課していることがあります。
「映画は映画館で!」……これだけはどうしても譲れない部分であります。
映画館の暗闇に身を沈め、体調を整えて心してスクーリーンと対峙する神聖な時間。
家でのヴィデオやDVD鑑賞ではどうにも気が散ってしまいますし、
それらは、映画館で観る映画とは一線を画すもの……僕はそう思っています。
少なくとも初見の作品は映画館で観たいです。

映画青年を自認して早数十年ですが(苦笑)
なかなか縁がなくて映画館で観ることが叶わなかった作品も沢山あります。
今日は、この度、念願叶って、映画館で鑑賞出来た作品を幾つか……。



先ずは、黒澤 明の「七人の侍」……。
これほど縁の薄かった作品もありません(苦笑)
「新午前10時の映画祭」にてようやく鑑賞と相成りました。
志村 喬が走ります!宮口精二も負けじと走る!しかも早い!(笑)
ストーリーはあまりにも有名ですからここには書きませんが、
この物語が成立する唯一のポイントは、
なぜ、浪人たちは村人の助けをするようになったか……です。
礼金もない、ただ飯を食わせてくれるだけで、
命を賭して正義のために殉じることが出来るのか?
そこがたった一つ、観客を納得させてくれるかどうかの大事なポイントです。
「七人の侍」はそこがキチンと描かれています。
綺麗事ではなく、名誉でもなく、浪人たちが村人を助けるようになった経緯が……。
誰のためでもない、己の人生のけじめ、存在価値を確かめるため……。
それを描くことにより、映画の時代背景もキッチリと描かれることになります。
それが描かれているからこそ、ラストシーンの「無情」が見事に浮かび上がるのです。

 「勝ったのは儂らではない、村人だ……。」

生き残った志村 喬が誰にともなく独りごちます。
その勝った農民、明るい陽射しの中で久し振りの田植えに浮かれ、歌い踊る農民も、
やがてはまた新しい野武士の襲来を受け、ボロボロに略奪されるであろう、
浮き世の無情が描かれているからこそ、世界の映画界のオールタイムのベストテンで、
常に上位の座をキープし、黒澤 明の名を世界的たらしめる結果になっているのだと思います。
意外だったのは悪役である野武士たちのキャラクターが全く描かれていないこと。
七人の侍たちを克明に描くことで、浮かび上がって来る悪のシルエット。
それから「矢張り!」と認識を確かにしたのは三船敏郎の大根ぶり。
大根と言っては申し訳ないけれど、大味のワンパターンの演技にビックリです。
「羅生門」の多譲丸と全く同じ演技だものね(苦笑)
ただ、この方の場合、早々に苦みばしっちゃったので胡麻けましたが……。

「七人の侍」……★★★★★★★★☆……85点。



その「七人の侍」にインスパイアされた「マグニフィセント・セブン」。
デンゼル・ワシントンをはじめ、ノリに乗っているクリス・プラット、
イーサン・ホークなどを揃え盤石の「マグニフィセント・セブン」ですが、
「七人の侍」でキッチリ描かれていた「大義名分」が圧倒的に弱いです。
結局、悪役に対するデンゼル・ワシントンの私怨……ですか(苦笑)
では、他のガンマンたちは?命を掛けてまで通りすがりの村の人々を助ける大義名分は?
ただ、西部劇のお決まりごと、荒野、開拓地、ガンマン、酒場、娼婦、気丈なヒロイン……。
楽しめる要素はタップリで、エマ・カレンを演じたヘイリー・ベネットが思わぬ拾い物。
娯楽作品としては鉄板の出来で、クリス・プラットが好調です。

「マグニフィセント・セブン」……★★★★★……50点。



待ちに待って首がロクロ首になった感のある「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」。
これ、本当に待ちました……もう一生、映画館で観られないのではないか?
諦めた時、待てば海路の日和あり……25年の歳月を経て、
デジタル・リマスター版、236分のオリジナル版で観ることが出来ました。
もうそれだけで涙です……心して鑑賞して参りました。
1961年に実際に起きた少年によるガールフレンド刺殺事件をもとに、
夭折したエドワード・ヤンが、まだ何者にもなっていない1人の聡明な少年、
「小四」にスポットを当て、当時の中国と台湾の情勢を見事に描ききった大傑作です。

学校の隣の映画の撮影スタジオでくすねた懐中電灯で照らす、
日本家屋の押し入れの下の段の、狭い世界が唯一の自分の世界である少年。
まだ、恋とも愛ともハッキリと分からない感情と、
揺らめく感情、曖昧な性、少年ならではの正義感……。
東洋が西洋(アメリカ)に憧れていた古き良き時代……。
まだ14才なのに、いっちょまえな義理人情を立てて友人を思う子供たち……。
子供たちの小さな世界が、やがて国の情勢から世界の情勢までの、
時代の大きなうねりを垣間見せてくれることになる……傑作です。
矢張り、映画は映画館で。待ってて良かったと思います。

「牯嶺街少年殺人事件」……★★★★★★★★★……90点。



もう1本……どうしても観たかった「ロミオとジュリエット」。
ケネス・ブラナー率いる「ケネス・ブラナー・シアター・カンパニー」の、
ロンドンはギャリック・シアターでの上演をスクリーンに映したものです。
「シンデレラ」のリリー・ジェームズとリチャード・マッデンがロミオとジュリエット。
いつもながら驚かされるのは、隣のアンちゃん、おネエちゃんと思っていた俳優が、
キッチリとシェークスピアを演じるんですよねぇ……。
日本にいると、なかなか外国の舞台を見ることは叶いませんが、
チョッぴり臨場感を味わい、矢張り、シェークスピアはいいなぁ……と思わせてくれました。

「ロミオとジュリエット」……★★★★★☆……55点。



余談ですが、「ロミオとジュリエット」と言えば、
先日のフィギュアのジュニア世界選手権において、
日本の本田真凛が準優勝しました。フリーの使用曲は「ロミオとジュリエット」。
ニーノ・ロータの主題歌「What is a Youth」と、デズリーの「I'm Kissing You」です。
ニコニコと清々しい笑顔でミスなく滑りきった本田真凛ですが、
優勝はバレエの高い素養を見せ、点数が1.1倍になる後半にジャンプ全てを揃え、
しかも完璧に降りきったアリーナ・ザギトワ。
インタビューを見ていてビックリしたのは、

 「ロミオとジュリエットがどんなお話か知らない。」

本田真凛が、そうあっけらかんと話していたことです。
・・・・・・もっと勉強しましょうよ。ビデオ見ましょう。本を読みましょう。
そうしたらあんなに笑顔で滑れないハズなんです。
フィギュア・スケートの魅力は少女の天真爛漫な笑顔だけではありません。
タチアナ・タラソワが「鐘」の練習の時に浅田真央に言った言葉、

 「真央、もっと怖い顔を作って!」

本田真凛が原作を読み解き、少しでも悲劇のエッセンスを感じていたならば……。
フィギュアは表現力だけではないけれど……そう思うのは酷でしょうか?

それにしても、皆さん浅田真央以後の新しい才能(売れ線)を模索して必死ですね。
チョッと前だったら土曜日のゴールデンタイムに、
ジュニアの試合を放映するなんて考えられなかったものね。
流行なんて作られるもの、そんなことは重々承知、百も承知ですが、
新しいスターを作ること……こればかりはテレビ局やスケート連名の思い通りにならないのでは?
オジさんはとても冷ややかな目で見ておりますぞ……。


今日の写真は地下鉄東西線の飯田橋駅。
階段を上がり、改札に向かう途中にあります。
ここ、好きなのです……映画、写真愛が溢れちゃう!(笑)


2016年3月23日


ブノワ。


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命をあずける……「ハドソン川の奇跡」。 

 

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チョッとイレギュラーな仕事で千葉県の我孫子に行きました。
打ち合わせ場所は駅から歩けない距離ではなかったんですが、何しろ凄い荷物……。
そうだ!こう言う時はタクシーだよね!初乗り安くなったし!あはは!
タクシーに乗り込み、大体の場所と住所を伝えます。カーナビに住所を入力し終わり、
タクシーはゆるゆると走り出し線路添いを直進します。
チラっとメーターを見ると、な、な、な、何と730円ではありませんか!
シオシオのパー……千葉は初乗り410円じゃないんだ(苦笑)
こんなことだから金が貯まらないんだ……ま、いいです、気を取り直してっと。

ホォ……こっちの道を行くか……。
ンンン?……少し走ると何やらイヤな予感が……実は僕、地図が読める男なので、
初めての土地でも何となく方角や周りの景色で道が間違っているか分かるのです。
カバンからスマートフォンを出し、急いで目的地を確認です……。
やっぱり間違っている……タクシーのカーナビを見ると違う住所が入っています。

 「運転手さん、住所が違っていますよ。」

キュッ!急停車するタクシー。
僕が言った住所通りに入力したと言い張る運転手。
改めて運転手を見てみると、可成りの年配……って言うよりお爺ちゃん?
タクシーに乗る時に一々人相なんて確かめないし……。
再度、カーナビに住所を入力して貰いましたが、
何と、右手が震えて指先ではタッチ出来ないのでボールペンを持ち、
さらに震える右手首を左手で押さえながらの入力です。
それでも震える両手、小刻みに震えるものだから、
○○丁目15番地のところを155と入力……。
仕方ない、身を乗り出して僕が代わりに入力してあげました。
ハァ……世話が焼ける。本当、プロが少なくなったわ……。
本来ならとっくに着いていなければいけない頃合いです。

 「運転手さん、メーター。」

勿論、メーターは倒して貰いました。
降り際に一言、文句を言いました。

 「運転手さん、地元の人でしょう?住所を聞いただけで、
  どうして案内出来ないんですか?初めての土地で不案内だからタクシー使ったのに。
  僕がスマートフォンを持っていなかったら永遠に着かなかったですよ。」

ジイさん、反論して来るんですよねぇ……(苦笑)
僕が最初に伝えた「我孫子城跡の近く。」を引き合いに出して、
そんなところは知らない、今まで聞いたこともない……って。

 「帰り道だから寄ってみるといいです……。」

冷たくキッパリ言い放ちましたが、こっちも気分悪いですよね。
スカッとしないです。何だか年寄りイジメみたいじゃないですか……。
何だか哀れだし、気分も悪いから、結局730円のところ1000円置いて降りました。
だからお金が貯まらない(爆)しかも、ジイさんお礼の言葉もなし(苦笑)
友人にこのエピソードを話したら、

 「そんなことより命が危なかったんじゃない?」

って……なるほど。
最近、多いですもんね。高齢者の考えられない自動車事故。
最近、増えたわけではなくて、昔から同様の事故はあったハズで、
報道が偏っているからなんだと思うのですが、
高齢で判断と瞬時の反応が遅くなって来ていることに加え、
近年の、何でもかんでも機械が人間に代わってやってくれることの弊害?
トイレなんて凄いですよね。独りでに蓋が開き、終われば水が流れる。
各メーカーがしのぎを削る自動運転装置なんて必要ないと思っている僕なので、
改めて命を預けると言う行為を考えさせられました。
レールの上を走る電車でさえ重大な事故を引き起こすこともあるんですから……。
空港で荷物が出てくるのを待ちながら、パイロットとキャビンアテンダントの人たち一行を見るにつけ、
あぁ、この人が今の飛行機を操縦していたんだ……。
いかにもパイロットらしい大きくてガッシリとした体躯、元は軍人か?
レイバンのサングラスなんかしちゃって口髭に自信に満ちあふれた雰囲気……。
これが件のしょぼくれたタクシー運転手みたいだったら後から冷や汗ものです(笑)



さて、飛行機の話になりましたからついでに……。
「ハドソン川の奇跡」をチョッと前に観ました。
離陸後スグに鳥がエンジンに突っ込み両方のエンジンが停止、
最寄りの空港に引き返すことなくハドソン川に不時着した「USエアウェイズ1549便」の物語です。
映画の中にも出てきますね。機長サリーと副操縦士スカイルズの判断が正しかったかどうかを、
事故調査委員会が訓練用のコックピットを使用してシュミレーションするシーンが。
コンピューターの計算だと、エンジントラブルが発生した後、
スグに引き返していれば、ハドソン川ではなくて空港に無事に着陸出来たと……。
ただし、これは机上の空論で、パイロットたちは訓練通り、エンジンが停止した際の、
QRH(緊急時の対処を書いたハンドブックの検索)をした時間が含まれていません。
その時間を加味すると、どんなことをしても空港手前で墜落してしまいます。

何事も計算じゃないんですよね……。
危機に陥った時の人間の判断って、勘みたいなもの?
瞬時の判断、動物の本能みたいなものがものを言います。
それが生死の境目を分けたりすると思うんです。
何でも機械に頼る昨今、人間の本能をダメにする有り難い発明が多すぎます(苦笑)

話が逸れました……。
トム・ハンクス好演。ただしこの方の映画は教科書みたいでおもしろくないなぁ……。
大好きなアーロン・エッカート、彼はカメレオンですね。
容姿を大きく変えるようなことはしませんが、毎回~違った姿を見せてくれます。
なんかこうアフターシェーブローションの匂いまでしそう(笑)
イーストウッドって毎回〜鉄板のクォリティーなんですが、
こちらもなぜだか面白味に欠けます。原作物の台詞を非常に大事にする人。
一分の隙もない立派な作品を作りますが、面白くない。
とっくの昔に巨匠扱いですが、その昔、二流女優のガールフレンドを、
ヒロインで作品を撮っていた頃を知っていますから……。

「ハドソン川の奇跡」……★★★★☆……45点。


2017年3月4日


ブノワ。


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僕はこう言う映画が観たい。 

 

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ポッカリと空いた平日の午後……。
1人でプラリと恵比寿に出掛け、前から気になっていた「たかが世界の終わり」を観て来ました。
「恵比寿ガーデンシネマ」のシネマ1、200円プラスでプライベートシートです。
この劇場は観やすい上に、ロビーとかが個性的で好きです。
プライベートシートもたった200円でチョッと贅沢な気分……また使わせて貰おうっと!
さて、このところ観たお気に入りの作品などをチョッと……。




「新午前10時の映画祭」で観た「山の郵便配達」……初見です。
これ、いいですね。何も起こらないのね……突風で郵便物が飛ぶくらい(笑)
中国の山間部で郵便配達をしている父親が膝の故障で引退を余儀なくされ、
代わって息子が跡を継ぐために、1回だけ2人で2泊3日の旅に出ると言うもの。
大きな事件は何も起こりません。息子の仄かな恋もあるけれど、特撮ゼロ。
ただただ、黙々と2人の郵便配達の旅が描かれているだけ……。
ところが、これが面白い!息子は父の仕事ぶりを見て大きく父への気持ちが変わります。
自分は父に好かれていないのではないかと思っていたのです。
黙々と山を歩き、郵便を配達する父。村、村で出会う人たちからの尊敬。
仕事に対する自信と誇り……息子は父の背中を見ながら学びます。
父も、どこか母親ッ子である息子を寂しく思いながら、
冷たい川を渡る時に息子に背負われ、その逞しくなった大きな背中に涙します。
僕たち観客も、時に息子になり、父になり、色々なことを映画から学びます。
昨今のバカみたいな特撮一辺倒で人間が描かれていない映画にはウンザリ。
久し振りに心が洗われるようでした。
勿論、父と息子の役者が好演。次男坊と言う名の犬の名演!
動物と子供には敵わないってよく言ったものです(笑)

「山の郵便配達」……★★★★★★★……70点。



同じく「新午前10時の映画祭」から「初恋のきた道」。
これはロードショウの時に観ていますので2回目ね。
まだチャン・ツィイーが小娘だったころの(笑)ほぼデビュー作。
監督がチャン・イーモーですから。物語らせたら格別なものがあります。
こちらも「山の郵便配達」と一緒で、山間の村に赴任して来た青年教師に対する、
村の娘ディのひたすらな恋心しか描かれていません。
肩と言うよりも胸から走るチャン・ツィイー(笑)
雄大な大自然の中で、少女のひたむきな恋心が熱いです。
実は、この映画の中でもう一回どうしても見てみたかったシーンがあったんです。
僕は今、金継ぎを習っていますが、幾つかある器の直し方の中の、
「鎹(かすがい)継ぎ」を実際にするシーンが出て来るんです。
少女が赴任して来た青年教師のために餃子を作って持って行くシーンがあります。
食事に来ると言う約束をしていたのに、青年教師が、その思想ゆえ、街に呼び出されたと聞いて、
作ってあった餃子を大きめの茶碗に入れ、皿で蓋をして、
走り去る馬車を追いかけて必死に走る際、転んで茶碗を割ってしまうのです。
娘の気持ちを知った盲目の母が、行商に来ていた茶碗を直す行商に茶碗と継いで貰います。
そこがどうしてもも一回見てみたかったんです。
村人総出で新築なった小学校の壁面には「知識是祖国的武器」の文字が。
僕は中国語は出来ませんが、そこは漢字の凄いところ。
意味は、「知識は祖国の武器です」……そんなところでしょうか。
時代は文化大革命の前です。こうして小さな子供の教育の現場から叩き上げるのです。
ボンヤリお人好しな日本人には到底敵わない……そうも思わせる作品でもあります。

「初恋のきた道」……★★★★★★……60点。



早くも今年のナンバーワンか……「たかが世界の終わり」。
随分と舞台がかった作品だなぁ……と思って観ていましたが、
実はこの作品、元は戯曲なんですね。なぁ〜るほど、やっぱり!
若くして成功した作家、ルイが、自らの残り少ない寿命を家族に告げるため、
12年振りに故郷に帰って来ます……そして帰るまでの半日の物語。
まぁ、兎に角、豪華な配役です。主人公ルイにギャスパー・ウリエル。
なんて美しい顔の持ち主なんでしょう……。
その母マルティーヌににナタリー・バイ、兄アントワーヌにヴァンサン・カッセル。
兄嫁カトリーヌに今をときめくマリオン・コティヤール。
妹シュザンヌにレア・セドゥ……5人しか出て来ません。
12年の空白を埋めようと必死な母、真っ青なアイシャドウとネイルが痛々しいです。
相変わらず攻撃的で劣等感の塊の兄。口を開けば相手を攻撃する辛辣な言葉の羅列。
妹は物心ついて以来の兄の帰宅に戸惑いを隠せません。
お互いがお互いのキズに塩をなすり付けるかのような言葉の応酬です。
そして、ブラッド・ピットをして「宝石」と言わしめたマリオン・コティヤールは、
ルイと初対面ながら、唯一、家族の中で1人だけ仲間外れの身上から、ルイの身上に共感し、
そして、ついにはルイが告白することの出来なかった秘密、
12年振りに帰京した本当の理由に気付いてしまいます。
大詰めの嵐のような台詞のやり取りが終わった後のルイとカトリーヌの、
台詞のない心の通った仕草、ルイが唇に人差し指を当てるシーンが秀逸です。
このシーンだけでも見る価値あり。そして、二度と戻らぬ実家の扉を閉めた後、
床のカーペットのアップと、紛れ込んで来た小鳥の息絶えるシーンの寓意……。
グザヴィエ・ドラン……初めて観ました。
今年度のグラミー賞で5冠なったアデルの「Hello」の、
プロモーション・ビデオも彼の作品ですよね……これからが楽しみ!

「たかが世界の終わり」……★★★★★★★★……80点。



 「僕、こんなことも描けるんだよ!」

技術を競って何が何でもCGで描くことの虚しさ。
派手な銃撃戦、カーアクション、宇宙でのバトル、爆発、崩壊……。
人の心を打つものってそんなことじゃないんですよ。
最近、飽き、飽きしていたので、シンプルで力強いメッセージを持つこれらの作品に大感激。
やっぱり映画はこうでなくっちゃ!僕が観たい映画はまさにこう言う映画!


2017年2月19日


ブノワ。


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「沈黙」に沈黙す。 

 

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今日の写真……まだフィルム・カメラを持って歩き回っていた頃、
パリは「MUSÉE DE CLUNY Musée national du Moyen Âge/クリニュー美術館」で撮りました。
こちらの美術館はタピストリーの「貴婦人と一角獣」とかが有名ですよね。
非常に素晴らしい美術館で、中世、特にキリスト教美術に興味ある人にはたまりません。
このキリスト像……人気のない部屋にこつ然と現れました……こつ然と現れたって言うのはおかしいかな……。
部屋に入ったら午後の溢れる陽射しの中にひっそりと置かれていたのです。
確かタイトルは「Jesus waiting for death」……だったかな?
僕の他には誰もいませんでした。像は等身大くらい?可成り大きかったように思います。
おそらくダヴィデ像のように、下から見上げる位置に置かれることを念頭に作られたのではないでしょうか。
目のトリックですね。上半身、頭の方が比率で言うと大きくなっています。
ハッとしました……フと後ろを見ると、丁度、窓の格子が十字架のように見えます。
先日、写真は「光と構図」だと書きましたが、被写体を決めたら画面を作ることも必要です。

 「おぉ……これは!」

跪き、ペッタンと床に座り、這いつくばるようにして撮ったのが今日の写真です。
デジタルだとその場で確認が出来ますが、何しろフィルム・カメラですからね。
帰って現像してベタ焼きが出来上がるまでドキドキだった記憶があります。
ベタ焼きを受け取り、欣喜雀躍とはこのことを言うのでしょうね……凄く嬉しかった覚えがあります。
写真と撮り続けて長いこと経ちますが、思い通りに撮られた写真はこれのみです。
多分、この先もこれだけの写真は撮れないんじゃないでしょうか。


さて、スコセッシの新作「沈黙・サイレンス」を観て来ました。
先日、「早稲田松竹」において、スコセッシの「沈黙・サイレンス」の公開を記念して、
スコセッシの「タクシードライバー」と「ギャング・オブ・ニューヨーク」、
それから、遠藤周作が原作の「海と毒薬」それから篠田正浩版の、
1971年の「沈黙・サイレンス」を観たばかりです。そう、お勉強しないとね。
新作の公開に合わせて旧作を上映してくれた「早稲田松竹」に感謝、感謝です。


映画に魅せられた中学時代……。
欧米の映画を観るには、キリスト教とユダヤの問題を知らないといけない……。
そう思い立ち、当時はインターネットなどと言う便利なものがなかったため、
本屋で購入したのが新書判の「キリスト教」だったでしょうか。
先ず、1ページ目から分からなかったのね。未だに分からない(苦笑)
Wikipediaで「キリスト」と「キリスト教」を開いて読んでも分からない……。
キリスト教に限らず、宗教って、人間の究極の理想、あり方って一つだと思うのだけれど、
なぜにこうも宗派が多く、しかも、いがみ合っているのか甚だ疑問です。
未だに謎が多いです。この作品を観たキリスト教徒の方々はどんな感想を抱くのか興味津々です。
信心深い教徒が、ある日、神の不在に思い至り、疑問を持ち、煩悶する姿に傑作が多いです。
「処女の泉」とかね、高校時代に観てまるっきり分からなかったイングマール・ベルイマンの作品群や、
聖書に出て来る人々や、聖職者が主人公のもの、数限りなくあります。
キリストが主人公となると、どうしてもスペクタクルの色合いが多くなりますね。
「ベン・ハー」のように、作品のクォリティー共々超弩級の作品もあります。

神の不在……全くの無心論者の僕には上っ面しか理解出来ないです。
この世に生まれ落ちてから一つの宗教によって育てられて来た人にとっては、
その神が本当はいないのではないか?……そう思い至った時の衝撃は想像に難くありません。

アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、
浅野忠信、イッセー尾形、窪塚洋介……役者陣が素晴らしい演技をしていました。
日本版でフェレイラを演じた丹波哲郎みたいに、大詰めでビックリ仰天なんて言うこともなかったし(笑)
だって、どう見ても、引っ繰り返って見ても、丹波哲郎はポルトガル人には見えないでしょう?
「日本沈没」の田所博士かと思っちゃった(爆)
スコセッシってあまり好みの監督ではないのだけれど、
若かりしころのイタリア系の重量級のパワー炸裂の作品が懐かしいです。

「沈黙 SILENCE」(篠田正浩版)……★★★★☆……45点。
「沈黙 SILENCE」(スコセッシ版)……★★★★★☆……55点。


2017年2月17日


ブノワ。


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君の名は。 

 

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 「Boop-boop-a-doop! 」

マリリン・モンローが「お熱いのが好き」で歌った、
「I Wanna be loved by you」の中の一節です。
マドンナは初期の代表曲の「Like a Virgin」や「Material Girl」において、
以降の彼女の特徴となるベビー・ボイスをふんだんに聞かせてくれます。
今や女性のベビー・ボイス……いやいや、アニメ声は日本国中に蔓延し、
とっくに若くもない女性までアニメ声で話しをする姿を多く見掛けます。


僕……苦手です(苦笑)
先日も、時間潰しにプラリと立ち寄った「GU」の会計のカウンターの女性……。
4人が揃いも揃ってアニメ声でした。全身が総毛立つほど気色悪いです。
本人たちはそれなりに練習とかをしたのでしょうか?
自分では可愛いと思っている?イケてると思ってる?
いい年をしたオバサンがアニメ声……卒倒するくらいに気持ち悪いです(笑)

男のアニメ・ヘアは一時期ほど見掛けなくなりました。
まるでアニメの主人公のようにツンツンに固められた髪型……。
ホラ、一昔前のストレート・パーマのプラスチックの板に貼付けたみたいな髪(笑)
本人たちは格好いいと思っているのでしょうね。
女性は知らないと思いますが、駅とかの男子トイレの惨状(笑)
用を足すと言うよりも、鏡に向かって半ばウットリとしながら、
髪の毛のセットに余念がない男をよく見掛けます。
若者だけではありません。可成りの年配までね(アニメ・ヘアじゃないけど。)
いいんですよ、身だしなみに気を遣うのはね。
でもね、髪の毛にそれだけ気を遣って他が疎かでどうするの?
ツンツルテンのスーツ、踵の片側だけが猛烈にすり減った靴……。
何事もバランスです。バランスの悪いものに美しさはないもの。


さて、新年早々に意を決してアニメを観に行きました。
他に観たい作品がなかったって言うのもあるけれど、
1人では気持ちが挫けるので(笑)親友を誘って大ヒット作「君の名は。」の鑑賞です。

 「君の名は?」

 「氏家真知子です……。」

……の、世代の僕ですから(笑)
僕は基本的にアニメに対しては厳しいです。でも、観てから言わなくっちゃね。
見ないで批評もへったくれもないから。
アニメってゼロから全てを描き上げる訳でしょう?
その割には(表現的に)想像力が乏しい作品が多いと思うのね。
特に最近の作品では、実写にデジタル加工をしたカットが多いのでは?
「君の名は。」でも風景とかにそのような描写が多く見られましたよね?
それが何?って言われちゃうと身も蓋もないんだけれど……。
例えば、絵画の世界のスーパーリアリズム表現……。
なぜ、写真ではいけないの?それを絵画で表現する意味とは?
僕はそう思うのね。人の手で描き上げられたものの中に、
写真のリアリズムとは違った何かをしのばせなければ意味がありません。
人の手による絵画ならではの何がしかがあって初めて芸術になるんです。
アニメもそう、実写で、優れた俳優の演技で表現出来るのになぜアニメにする?
それもこれも見てみないと分からない……そう思っての一大決心でした。
去年だったかな?全てデジタルで描かれた「ペット」を観てやっぱりガッカリ。
もうこの手の作品は二度と見ないと決めたのですが、
「君の名は。」は何しろ興行収入200億円を軽く突破の作品です。
チョッと話題に出すと、廻りの友人たちは皆、既に観ていたりします(苦笑)
映画好きの僕が観ない訳には行かない……相変わらずの超満員の劇場で、
フと思ったんです。自問自答したんです……僕はなぜここまでアニメを毛嫌いするのかって。
嫌いなんですよ……アニメの吹き替えに多く見られるアニメ声が(苦笑)
女の主人公の甘ったるい声も苦手ですが、男の主人公の画一化された発声も嫌い。
ハイハイ、分かっていますよ。声優の皆さん、それぞれに個性も特徴もあります。
でも、総じて女の登場人物は甘ったるいアニメ声ですよね?
その登場人物になりきったかのように、現実世界の女性もアニメ声……虫唾が走るんです。



「君の名は。」……確かによく出来ていました。
他のアニメを観ていませんから較べることは出来ないのだけれど、
この手の時間軸を行ったり来たりする物語にありがちな辻褄の合わなさもそれほど感じないしね。
ただねぇ……やっぱり、大ヒットと作品の出来は比例しませんね。
男女が入れ替わる設定は今までにも沢山あったし、
何と言っても、実写で大林宣彦の「転校生」があります。
アニメの何でも描ける利点をもってなくしても、
実写で俳優が少年少女の心の機微を十分に演じきった青春映画の傑作の例が。
実写で出来ることをアニメで見なくても良い……僕はそう思います。

「君の名は。」は今や若者のバイブルだそうです。
作画のモデルになった場所は「聖地巡礼」と称して大人気だそうです。
少し前まで、若者の生まれてから一番の感動作は「タイタニック」だったそうですが、
今や「君の名は。」って言うところでしょうかね。

「君の名は。」……★★★★……40点。
これでも結構、甘いです。


2017年2月12日


ブノワ。


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学びの場。 

 

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僕の人生においての学びの場は映画館でした。
学校においては勉強らしいことは何一つして来ませんでしたが、
物心付くようになってから通い詰めた映画館の暗闇でどれだけのことを学んだか……。
特に、今では数えるほどに減ってしまった名画座……。
名画座の暗闇で学んだことは枚挙にいとまがありません。

惜しまれつつ閉館した「八重洲スター座」「銀座並木座」
「高田馬場パール座」「三軒茶屋シネマ」「三軒茶屋映画」など……。
特に「銀座並木座」では往年の日本映画全盛期の作品を。
「八重洲スター座」では1950年代から70年代までの、ハリウッドの最も力強い映画の数々を……。
学ぶという感覚はなしに楽しみながら自然に身に付けて行きました。
映画に感謝、感謝!名画座に感謝、感謝です。

今は僕が行く名画座はめっきり減ってしまいましたが、
そんな中、お気に入りの「早稲田松竹」にて「タクシー・ドライバー」と、
「ギャング・オブ・ニューヨーク」の2本立てを観てきました。
1月21日から新作「沈黙・サイレンス」が公開された、
マーチン・スコセッシと、原作の遠藤周作を特集しての上映、
近年稀に見る粋な企画に場内は満席、久しぶりに熱気溢れる名画座に感激ひとしおです。


「タクシー・ドライバー」はティーンの時に観て衝撃を受け、
以降、主演のロバート・デ・ニーロに傾倒する切っ掛けとなった作品です。
「ゴッドファーザー PART II」「タクシードライバー」「1900年」
「ディア・ハンター」「レイジング・ブル」辺りがキャリアの最盛期と思うと、
その後の40年近くはどうしちゃったのと、チョッと寂しくも思うけど……。
バーナード・ハーマンのサントラ版を擦り切れるくらい聴き、オリジナル・ポスターを買い……。
その後のスコセッシ×デ・ニーロのコンビの「レイジング・ブル」は、
映画、演劇人のバイブルとも言われる作品で、実際にその職業を体験してみたり、
極度に体重を増やしたり髪の毛を剃ったり、抜いたり……その役作りのアプローチは、
友人の俳優くんたちに言わせると、いまだにデ・ニーロの呪縛はあるそうです。
そうそう、当時、お熱だったジョディ・フォスターが出ていることも書いておかなければ……。
好きだったんですよねぇ……少女時代のジョディ・フォスター。
勿論、羽田で貰ったサインは僕の宝物ね。

「キング・オブ・ニューヨーク」は、丁度、仕事が忙しくなり、
なかなか映画が見られなくなった空白の20年の作品です。
こう言う珍しい作品が映画館のスクリーンで観られることに感謝、感謝です。
いい役者だとは重いうつつ、ダニエル・デイ・ルイスとレオナルド・ディカプリオって苦手です。
この作品の素晴らしいキャメロン・ディアスを見るにつけ、
つくづく役者って素材なんだなぁと変な感心しきり。
そう言えば、スコセッシってチョッと残酷な描写が多い監督でしたっけね。

名画座もこのような素晴らしい企画でプログラムを組めば、
連日お立ち見が出るくらいの大盛況になるんですね。
館内の熱気が凄かったです。家でDVDなんか観ていないで、
映画館でキチンと映画を観ましょう!


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写真は一昨年の秋に訪れたパリは、シネマテークで開催されていた、
マーチン・スコセッシの懐古展を見に行った時に撮りました。
夥しい数の資料で構成された展覧会は、内外の映画ファン、
スコセッシの研究者で溢れていて、こちらも物凄い熱気。
見てお分かりの通り、スコセッシにとって、デ・ニーロとディカプリオって、
作品を撮って行く上での素晴らしい刺激を貰えた俳優なんですね。
普通、監督って女優にそれを求めますが、なかなか珍しいスコセッシのケースです。

「タクシードライバー」……★★★★★★★☆……75点。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」……★★★★★☆……55点。


2017年1月31日


ブノワ。


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フローレンス・フォスター・ジェンキンス。 

 

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 「アナタ、チェロなんか邪道よっ!
  クラシックの華はピアノと声楽よっ!」

僕の長年の大親友(一番古いかも……。)でゲイのMが、
クラシック、特にチェロに目覚めた僕に、
引っ繰り返るような甲高い声で言い放った(笑)
彼は目から鼻に抜けるように頭が切れるのだけど、
僕からは頭抜けて変人の評価を貰っている。兎に角、本物の変り者、
辞書で「変」と引くと名前が載っていそうなくらい(笑)

そのMが、ある日「これ聴いてみて。」と1本のカセットテープを僕に手渡してきた。

 「何だろう……。」

……訝しく思いつつ、家に帰って聴いてみると……。

超絶ヘタクソな「夜の女王のアリア」がスピーカーから流れてきた。

文字通り、息も絶え絶え、絶叫ともつかぬ歌声は、
音程どころかリズム感の欠片もない代物……。
伴奏のピアノがテクニシャンで、テンポが歌の息の都合で、
上がったり下がったりするに難なく合わせてる(笑)
間奏では、それまでイライラしながら歌のテンポに合わせて弾いていた、
ピアノが正しいテンポで軽快にリズムを刻みます……。
暫し、絶句した後、ははぁ~んと思い当たったのは、
オペラ好きで「夜の女王のアリア」好きのMがピアニストを雇い、
スタジオで録音したものに違いない(笑)
そこまでやるか、そんなにこのアリアが好き?(爆)
コロラトゥーラの超絶難曲をどうにか歌い終えたあと、
どちらからともなく沸き上がるMとピアニストの笑い声……。

この笑い声さえなければ、この録音は、かの有名な歌姫、
フローレンス・フォスター・ジェンキンスの「夜の女王のアリア」そのものでした。
そのフローレンス・フォスター・ジェンキンスの晩年をメリル・ストリープが演じた、
「マダム・フローレンス!夢見るふたり」を初日と1日おいて3日の2回観てきました。
しかしこのタイトル……口にするのもイヤじゃ!センスの欠片もない(苦笑)



監督スティーブン・フリアーズで映画化されると聞き、
大層楽しみにしていた作品です。劇中で歌を披露することが多いメリル・ストリープですが、
今回ばかりは勝手が違います。いくら実在のヘタクソな歌手の役とは言え、
歌う楽曲はオペラのアリア、「ラクメ」や「鳥のように」……。
中でも最も難曲とされるモーツァルトの「魔笛」の中の、
「夜の女王のアリア」をメインで歌わなくてはなりません。
先ずは、いかにヘタクソに似せて歌うかではなくて、
キチンと歌えるようにレッスンを受けてから、
フローレンスだったらどのように歌うかを考えて崩して行ったそうです。
聴いている内に、ひょっとしたら完璧に歌える?そう思わせるくらいの歌唱力。

ヒュー・グラントが暖かくフローレンスを見守るシンクレアを好演。
「シング・シング・シング」で華麗なステップを見せます。
「モーリス」から約30年、いい役者になりました。
こう言う洒脱な役者っていませんよね。演じて出来るものじゃないし。

ピアノ伴奏のサイモン・ヘルバーグ……。
有り得ないくらいの超絶音痴のフローレンスに実際に接するうちに、
共感し、自らの夢に重ね合わせて共に活動するコズメを好演。
もしかするとアカデミー賞の助演賞も夢ではありません。

ただチョッと残念だったのは、監督のスティーブン・フリアーズのキレが今一だったこと。
往年の「グリフターズ/詐欺師たち」や「危険な関係」などを思い出すに付け、
そう思わざるを得ません……チョッと残念。

「マダム・フローレンス!夢見るふたり」……★★★★☆……45点。


今日の写真は僕のコレクションから……。
グレッグ・ゴーマン撮影のメリル・ストリープ(部分)。とても美しいです。
メリル・ストリープ本人は、フランス人の写真家、
ブリジット・ラコンブが撮ったポートレートがお気に入りですが、
僕はグレッグゴーマンとアニー・リーボヴィッツが撮ったポートレートが好き。
メリルが顔に砥の粉を塗って両手で顔の皮膚を引っ張っているポートレート。
この写真、アニー・リーボヴィッツの個展が新宿の三越で開催された時、
エージェントに幾らで手に入るか聞いて貰ったんです。
確か80万円弱とか……泣く泣く断念しました。勿論デパート価格と言うこともあるけれど、
既に美術館入りしている彼女の作品です。それに、欲しいからと言って、
1枚だけプリントする訳にはいかないんです。彼女みたいな大御所の場合、
1作品に付き、15枚から25枚プリントをしてエディションを付けます。
中には、ジャンルー・シーフみたいに図録から好きな写真を選び、
1枚だけプリントしてくれる作家もいますけど……。

そう言えば、ハーブ・リッツにお目に掛かった時、
「メリル・ストリープの写真は撮らないんですか?」と、聞いたところ、
「彼女は近くに住んでいるからいつか撮るよ。」そう答えていたのが懐かしいです。
バブルの終わりの頃、チョッと背伸びをすれば、ブルース・ウェバー、マイケル・ケンナ……。
まだまだオリジナル・プリントに手が届いたいい時代でした。
今や美術館に入っちゃってマルが一つ違うものねぇ……。



2016年12月28日


ブノワ。


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「ローグ・ワン」……地味ぃ〜なもう一つのスター・ウォーズ物語。 

 

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やっぱり早く観たいものねぇ……。
仕事を2件、とっとと片付けて、家に荷物を置いて行ってまいりました。
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のレイトショー。
僕がレイトショーに行くのは非常に珍しいです。帰宅は午前様。
「ローグ・ワン」は「スター・ウォーズ」シリーズの3作目と4作目の間、
4作目の冒頭でレイア姫からデス・スターの設計図を託されたR2D2が出てくるんですが、
その設計図を反乱軍が帝国軍から奪い取るまでの物語です。
「スター・ウォーズ」のスピンオフ?
前日潭ともチョッと違う2作品の隙間を埋める作品です。


先ず、簡単に言ってしまうと面白くないの。
何でしょう……キャラクターに魅力がないんです。皆さん地味ぃ〜っ!(笑)
未来感?宇宙感を出すため?キャラクターの風変わりな名前が一々覚えにくいです。
いいじゃない、リチャードとかウィリアムで(笑)
星の名前、街の名前……聞き慣れなくて1回では覚えられません(苦笑)
黒澤明の「七人の侍」ではありませんが、主人公ジン(何故また女性が主人公?)
反乱軍の戦士キャシアン、ジェダで道を共にすることになった盲目のチアルートとベイズ。
帝国軍のパイロットのボーディー……そしてドロイドのK-2SO。
6人が一丸となり、反乱軍の勇士が加わってデス・スターの設計図の奪取と相なります。
ピーター・カッシングなど、既に亡くなっている俳優もいますが、
似ている俳優を特殊メイク+CGで甦らせ、
ダースベーダーとか、超人気のキャラクターも登場します。
……だけど面白くない。

ラスト、例の回顧録で40年前の不倫を告白して顰蹙を買った女優が出てきます。
(名前、書きたくない。)勿論、ご本人は大層お年を召しているので、
似ている女優にそっくりメークを施しての登場です。
顔を見た途端、何だかイヤぁな気分になっちゃった……。
大昔の不倫を告白してまで本を売りたい?やっぱり金かい(苦笑)
相手のハリソン・フォードの気持ちは?ベッドの中のあれこれを書かれて、
彼の今の家族はどう思うのか?「スター・ウォーズ」のファンだって何だか気色悪く感じるんじゃない?
寝屋のことは墓場まで持って行かなくちゃ……。
この手の告白や暴露をする人って最低、お下劣極まりないと思うのだけど、
もっとも女優としては4流だから(笑)40年の年月を経て、映画化されないと言われていた、
「スター・ウォーズ」シリーズの7~9作が映画化されると決まり、
最後に一花咲かせてオマケに暴露本を出版して、一稼ぎしようと思ったに違いありません。
女優としては4流だけど、文才はあるのか?
メリル・ストリープとシャーリー・マクレーンの「ハリウッドにくちずけ」の原作は、
彼女が母親のデビー・レイノルズとの確執を書いた「Postcards from the Edge」だし……。
もっともこちらも母親と自分のことを暴露した自叙伝。今回もそう。
ま、ロクでもないことは確かで、こんなゲス女と関わらない方が身のため。
来年に公開を予定されている「スター・ウォーズ」の8作目が、
何やら興味半減になったのは否めません(苦笑)
しかし芸能人って自分の不幸や病気、出産、離婚……。
あらゆるものを切り売りしてまで露出したいと思う悲しい性が笑えます。
僕が好きになる俳優や歌手はそれがないなぁ……だからいいのかも。

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今日の1枚は、とうとう全100号の半分まで配本された、
ベッドを暴露されちゃったハリソン・フォード演じるハン・ソロの愛機、
ミレニアム・ファルコン号のオマケ、創刊から20号まで続けると漏れなく貰える、
ダースベーダーのフィギュア。こちらもあの手この手で購買者を増やそうと躍起です。
因みに僕はフィギュアを集める趣味はありませんので念のため(笑)
あと、約50号の配本は、振込み用紙を取り出すためにだけ開けますが、
あとは全く手を付けていません(笑)100号揃ったら一気に作るつもり。
制作の様子を伝えるブログでも開設しようかしらン?(笑)

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」……★★★★☆……45点。


2016年12月22日


ブノワ。


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怒り。 

 

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楽しみにしていた映画「怒り」を初日に鑑賞……。
久しぶりに重厚で見応えある作品に出会えて何だかとても嬉しかったです。
監督の李相日は「許されざる者」の監督なんですね……。

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数年前の北海道旅行の時に、大雪山の麓のロケ地を訪れたことが懐かしいです。
頬を刺す冷たい空気、昇る朝日に身も引き締まる思いがしたものです。


東京、八王子で起きた残虐な夫婦殺人事件……。
その1年後に3つの場所に現れた正体不明の3人の青年。
何事もなく平穏な生活の中に投げ込まれた1粒の石……。
その小さな波紋が徐々に大きくなり、幾重にも重なり合って見事な模様を描き出します。
3人の青年を縦糸に、関わる人々の人間関係を緯糸に、
一流の演技陣、非常に高度な今井 剛の編集と、素晴らしい坂本龍一の音楽とともに、
重厚で分厚いゴブラン織りのような圧倒的な作品に仕上がっていました。

主要キャストの見事なアンサンブルの演技の中で、千葉篇の渡辺 謙は扇の要。
どっしりとした存在感は唯一無二です。
好き嫌いはあるけれど、娘の愛子を演じた宮﨑あおいの素を丸出しにしたピュアな演技。
安っぽい髪留め、ロングヘアの先に茶髪が残り……役作りの造形も見事でした。
愛子の恋人を演じた松山ケンイチは、世間から身を隠さなければならない暗い過去を言葉少なに表現。
沖縄のパートでは泉を演じた広瀬すずが体当たりで汚れ役を熱演……彼女、大きくバケるかも。
放浪人、田中を演じた森山未來の人懐こさと狂気、発する汗の匂いがこの映画の中の唯一のアクセントです。
泉を慕う辰也の佐久本 宝……オーディションからだそうです、恐るべし。
東京篇の綾野 剛って初めていい役者だと思いました……。
妻夫木 聡が演じる恋人、優馬に疑念を抱かせる秘密を持った青年、直人の陰を好演。
その妻夫木 聡はいい役者になりましたねぇ……。
デビュー作「ウォーターボーイズ」の初日のこと、
親友に誘われて劇場に朝一で並んだ僕たち……フと後ろを見てみれば、
ダァ〜ッと並んだ長蛇の列に男は僕1人だったことを思い出します(苦笑)
彼を嫌う人は殆どいないんじゃないでしょうか……好青年の鏡みたい。
優馬が失ったもの……その大きさは計り知れません……。
千葉、沖縄、東京……正体不明の青年たちの素性が明らかになるにつれ、事件の謎も明かされて来ます。

人を受け入れることの難しさ、そしてもっともっと難しい許すと言う気持ち。
容易く心に芽生える疑念、人生で一番大事なものを失った時の暗渠……。
今年の賞レースを独占することは必定、近年、稀に見る必見の作品です。

「怒り」……★★★★★★★☆……75点。


2016年9月23日


ブノワ。


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